少し前のこと、麺ハラなどという言葉がネット上ですこし話題になっていました。
短く言えば、ズルズル音を立てて麺を啜る食べ方がハラスメントだという話。
テレビタレントの中には、「田舎者の食べ方で恥さらし」というような感情的な批判をする人までいたようです。
私はそんなやり取りを見ながら、内心思いました。
「地域地域に習慣があり文化があるのだから、西洋人の習慣を是として日本古来の習慣を一方的に批判するとは、なんと心の狭い人々だろう」と。
何しろ昔の人も言っている。「郷に入っては郷に従え」って。パスタは啜らないけれども、江戸っ子はそばを啜って食べるのだ…
ところで
私は子供のころからの躾により、食事中にクチャクチャと音を立てて食べる人が苦手です。私の身の回りにもそういう人々がいて、そういう習慣というのは往々にして親から子へと受け継がれていくものだから、そのような人々は家族そろって同じような食べ方だったりします。
そんな食べ方を見ながら、私は内心思っていました。
「なんて躾のなっていない人々だろう。クチャクチャ音を立ててご飯を食べるなんて、ネットじゃデートで女の子に嫌われる行動のベスト5には入ってるぜ」と。
さて今日、ふと思いました。
これって麺ハラだ、と。
麺をズルズル食べるのを声高に批判するのと、音を立ててご飯を食べるのを批判するのは同じだ…と。
麺ハラを言い立てる人々の狭量を笑いながら、私は自分の狭量には気づいてませんでした。大体、音を立てて食事するのが下品だなどと誰が決めたのか。
地域地域に習慣があり文化があるのだから、そういう食べ方だってそこでは当たり前なのかもしれません。
私は今日から、舌鼓を打ちながら食事をする人を「躾がなっとらん」と思わず「ああ、きっと美味しく食べてるんだな」と思うことにします。
また一歩、心の広い大人に近づいたぞ…
(なるべくそのように努力します)
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