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2023年03月12日 13:38近頃ミヤコで・・・全体に公開

立川談春の嘆き 〜 あるいは山話ではなく、大きなお世話二題

柄にもないが理由あって『文藝春秋』なるものを購入にした。ちょっと恥ずかしかったがこれはコンビニで買えるんですねぇ。発売日前日に本屋さんを探したのだが、『文藝春秋』以前に本屋さん自体がなぁい!いったい京都の本屋は大垣書店しかないのかぁ!(この件に関しては後述いたします。)

で、ペラペラ見ていた(文藝春秋4月号)のだが、立川談春さんの「なぜ、芝浜を変えるのか云々」の文章が目に止まった。
ワタクシは小屋泊まりで山へ入る場合、まずはウォークマン、kindleは必需品で、どうせ眠れるはずもなく耳栓代わりにたいがいは落語を聞きながら寝ることにしている。おかげで自分自身はまわりの環境?が気になったことはない。まわりの皆さんへの迷惑は幸せなことに不明である(ご迷惑の場合、毎度申し訳ございません)。
特段、落語好きというわけでもないが、立川談春さんの「文七元結」は聴いたことがあり、これは少し驚いた記憶があった。たしか、吉原の女将さんの描き方がいままで聴いてきた噺と違っていたからで、さすが談志一門と感心していた。けれども師匠譲りの「まじめさ?」がそう好きでもなく、談志一門では兄弟子の志の輔さんの噺の方が好きは好きです。(ちなみにいらぬことですが、談志の落語解説は本人の落語よりよほどおもしろく、落語ってそういうことなんだととてもよくわかります。オススメは倉本聰との対談。)

まぁ、それで『芝浜』をどう変えたのか。
談春さんがいうには、「芝浜」におけるご夫婦、あるいは大晦日暮れの風情が、生涯未婚率30%未満の現在、理解されるには絶望的なのではないか、それはまた自身の世代的な隔絶感、あるいは老いへの向けての新たな認識の一歩であった云々というのがその試みのモチーフであったとのこと。

さぁ、それはどうかなぁ?というのが、ワタクシが最初に思ったことです。
もともと「芝浜」という噺自体好きでもなかったということもあるが、、談春さんも曰っているとおり、もともとの「芝浜」を知っている人にしか、その新作芝浜の変化は理解されない(どう変えたのか知らないが・・・)。つまり談春の嘆き通り、理解されなければ「芝浜」は演じられないだろうと思し、スジを変えたら別話になるんではないでしょうか。やはりやるなら、「文七元結」的な新たな解釈を期待したいと思うんである。

むかし、つかこうへいが忠臣蔵について「あの短気なバカ殿のお陰でオレたちエライ目にあったよなぁ〜」といったつからしいおもしろい解釈を披露していたことがあるが、そういうおもしろい解釈も珍しくなくなって、それはしかし、つか以後のことでもう若い人たちはつかこうへいも知らないだろう。それでもそのこと自体がつかこうへいが「時代」に対してやったことである。知らないまま、みんな、つかこうへいになっているんである。
そこで初めてオレも年を取ったと感懐にふけることができるのが、「新たな」噺家なんである。と思う。つかこうへいはそういう新しい劇作家であった。と思う。
若い奴らに媚び、時代に媚び、老いふけている場合でない。大きなお世話だが、頑張れ、談春!

なんでワタクシが力んでいるのか、自分自身わからないが、で、始めに戻って、本屋が見当たりません。
ワタクシは京都の左京区の山の中に住んでおります。以下はだいたい京都、北大路以北の現象です。
ワタクシ自身、本屋さんで本を買うこともなくなって久しいですが、近くという意味での本屋さんは、上賀茂御園橋に公文堂?なる本屋があり、少し下がって、大宮通りにも小さな本屋がひとつあった。公文堂?は産大生もいるからかもしれんが、品揃えに店主好みのちょっとした知的な雰囲気があったりもした。公文堂は通りをはさんで向いに漫画専門店もあり、これは充分な品揃えであったように記憶している。
で、これらは姿形もありません。

北大路千本にはリーブル京都なる本屋があったが、これもないような気がする。ここは文庫本が著者別でそういうことはワタクシ的には全く理解不能で立ち寄ることはなかった。

次に東に行って、岩倉。ここは叡電の岩倉駅北に大垣書店があったが、まだ出店しているのか、ちょっと不明。

次に下鴨本通りの葵書房。これはあります。ここは学校関係に強いのかもしれませんが、車がおけない。しかも著者別文庫本。
出町にはもうない。

次に一乗寺恵文社。これはもともと何か勘違いしている本屋さんで、なんやかんやでよく話題になるが、よくよくのことでなければ近づくことはない。しかも、ちょっと文藝春秋は買いづらい?

ということでワタクシが文藝春秋を求めて入った書店は高野の大垣書店であった。
発売前日だからあるのではないかと思ったがなく、尋ねてみるとレジのひとはよくわかっていなかったが、ちょっと責任者めいた青年は本好きな雰囲気の残る好青年でここちよく対応していただいた。

もう京大正門前のナカニシヤ書店すらない。突然別の話にはなるが、ナカニシヤ出版の『新日本山岳誌』はよくぞ!こういう仕事やってくれた!という仕事だとは思います。
そして随分前に四条のジュンク堂も撤退した。
つまり、京都にある書店は大型ショッピングモール類?を除いてなくなっているのではないでしょうか。
で、そこにあるのはワタクシが知っている限りすべて大垣書店である。経済センターの出店もそうだが、各大垣書店の品揃えはこのご時世たいしたもんだとは思う。
これまた大きなお世話だが、なんでこのご時世、こういう出店攻勢が可能なんでしょうか?まことに不思議です。

さて、これまたまったく話はちがうが、今日知って本気で驚いたこと。
岡崎次郎さんをご存じでしょうか?
なんとあの?『マルクスに凭れて六十年 〜 自嘲生涯記』が増補改訂新版と銘打って再刊されております。
ワタクシはもう二度とこのような書物は再刊されることはないと思っておりました。まことツラい思いをして古書を探し手に入れたことを覚えております。なんせ、古本世界ではどう考えても手に出ない恐ろしいほどの高額になっておりました。ひよっとして斉藤某などの昨今の資本論ばやりの風潮に準じてなのかもしれません。復刊は喜ばしいとは思いますが、岡崎次郎は喜んでいるか、微妙なところかと思います。
岡崎次郎の亡骸は奥様と一緒にいまなおどこかの海をさまよっているはず。ナミアミダブツ、ナミアミダブツ。
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