先程読了した一冊が「会心の山」(佐伯邦夫著)である。
昭和12年富山県魚津市生まれの著者、書かれている紀行文は北アルプス北部や頸城の山々である。
それも基本冬山、スキー登山もしくはワカンやアイゼンでの登山である。
剣岳(当時は剱岳ではなく、この文字を使用している)や烏帽子山、僧ヶ岳などの登山紀行文が掲載されている。
僧ヶ岳 / そうがだけ (1855.41m)
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剱岳へのクライミングは一寸私には縁遠いが、それでも著者の表現の美しさに心が震えた。
・木々の若芽と山肌の山桜の清新な美しさが、何かまばゆいもののようにしみた。
・大気澄明にして空いよいよ高い。
・両岸に新緑が美しく、その新緑に山桜が混じって、山の斜面のあちこちに明るいまだらをつくっている。
・あくる日は快晴にあけた。放射冷却で雪面はコンクリートのよう堅い。アイゼンである。この明快さがよい。
・〜を通って鞍部に立つ。まばゆい光の洪水である。
・頂上だけは一面の雪原だった。そこから仰ぐ白馬巨峰も立山も剣も毛勝三山も、白亜の山の波濤だった。
などなど素敵なフレーズが沢山あり、山の風や光、音を肌で感じることが出来た一冊であった。
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