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平山が読んでいる本で題名が判ったのが幸田文の「木」と「野生の棕櫚」だった。
「木」は読んだことがあって面白かったのを覚えている。「倒木更新」という現象を知ったのはこの本からだった。
もう一冊の「野生の棕櫚」は全く聞いたことがない本名だったので、調べてみた。
何とノーベル文学賞受賞作家の隠れた代表作と有るでは無いか。
最寄の図書館には所蔵がなかったので、メルカリで入手して読んでみた。
『野生の棕櫚』(やせいのしゅろ、原題:The Wild Palms )は、アメリカ合衆国の小説家ウィリアム・フォークナーの南部ゴシック小説である。1939年に発表された。二つの物語が交錯する二重小説で、ひとつは医師である中産階級の白人男女が不倫、妊娠、堕胎のすえ、悲劇的な結末を迎える話が語られ、もうひとつは囚人である貧しい南部人が洪水に巻き込まれ、妊婦を救い、出産を助け生還する話が語られる。
ウィリアム・カスバート・フォークナー(William Cuthbert Faulkner, 本名:Falkner, 1897年9月25日 - 1962年7月6日)は、アメリカ合衆国の小説家。ヘミングウェイと並び称される20世紀アメリカ文学の巨匠であり、南部アメリカの因習的な世界を「意識の流れ」を初めとする様々な実験的手法で描いた。代表作に『響きと怒り』、『サンクチュアリ』、『八月の光』、『アブサロム、アブサロム!』など。1949年度ノーベル文学賞受賞。 フォークナーはその生涯の大半をミシシッピ州ラファイエット郡の田舎町オックスフォード(英語版)にある自宅「ローアン・オーク(英語版)」(Rowan Oak)で過ごしており、彼の作品の大部分は同地をモデルにした架空の土地ヨクナパトーファ郡ジェファソンを舞台にしている。これらの作品はオノレ・ド・バルザック的な同一人物再登場法によって相互に結び付けられ、その総体はヨクナパトーファ・サーガと呼ばれる。
以下は私の独断と偏見に満ちた感想である。
読み進めるのが本当に辛い作品だった。期待していただけに多いに失望した。もう少ししたら面白くなってくるのではと我慢して読み進んだが、ついにその瞬間は訪れなかった。
翻訳が悪いのか、元々の原文が悪いのかわからないが、兎に角悪文の連続であった。
一つの文章が長く複雑怪奇に続き、修辞も難解かつ複雑で、一体主語と述語がどれなのかもわからないような文章が蜿蜒と出て来る。
全く心が躍るような箇所が一つも無い作品だった。
せっかく読み始めたので我慢して昨晩読了したが、途中でこの本を投げ出したくなった。
今まで読んで本の中で一二を争う面白くない作品であった。
作者のウィリアム・フォークナーがノーベル文学賞を受賞した際のスピーチも掲載されているが、このスピーチも同じように酷い悪文だと感じた。
確か川端康成の受賞時のスピーチは中々良かったという記憶がある。
https://www.nobelprize.org/prizes/literature/1968/kawabata/25542-yasunari-kawabata-nobel-lecture-1968/
ノーベル文学賞、このような作家に与えられるのならば村上春樹だけでなく多くの日本人作家も受賞する可能性があるとの思いを抱いた「野生の棕櫚」であった。
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