東京の桧原村から奥多摩街道を山梨県に入って、一ノ瀬高原はすぐのところにあった。過去にもちろん来たことはあったが、記憶がおぼろげなほど、わずかな回数でしかなかった。標高1300mある。それは箱根でもいいし、軽井沢でもよかったのだが、バブルの時には少しは賑わったのだろうが、過去には小学校分校もあったという最終集落に、定住は1人とは寂しかった。林道の補修も遅れていて、崩壊で複雑なう回路を経由しながら目的地に着いた。そうなのだ、こんなところにも選挙のポスター掲示板がある。都議会選挙と参院選。ああ、集落の名残なのか。バンガロー、ロッジも十数軒もあったようだが、すべてが廃屋になっている。そんなものか、リニューアルできないのか。
その一人とは民宿みはらしの婆さん。
「こんな真夏でも、30度は超えないんだよ。夜はひんやりするしね」
ああ、エアコンがいらないというのは、北海道のことではなくて、軽井沢とか、この一ノ瀬高原のことである。そういえばと思った。この日の散策を終えて帰宅するときに、夕立に遭遇したせいもあったが、気温は19度にまで下がった。都会はどうせ35度を超えているのに。真夏のハイキングで、涼しかったなあなんていう思いは、もしかして初めてか。この日は2000mほどまで登って戻った。
その数週後に、今度は青森の白神山地にこれは初めてでかける。ブナの世界遺産である。なのだが、この海岸線の山は、標高150mから登り始める。いつものように夜間に目的地について、車中泊するのだが、窓を開けられない虫が入る。そのまま寝ようとするのだが、27度もある車中でどうやって熟睡できるか。雰囲気だけは涼しそうな山でも、日本海側は、スタート地点がとんでもなく低い場合がある。下越の山もそうだ。三面川なども、低いところからゴルジュが始まって、冷たいきれいな水には、メジロというアブがいた。こちらにもトシベというアブがいる。服の上からも、わずかな隙間から刺す。痒みが2週間も続く。ムヒなどぬっても効果はない。
山にしては圧倒的に魅力的な白神でも、それは冬があるから、あのブナが育ったし、わずかに1200mの最高峰は、秩父のスタート地点にも満たない低山なのだが、それは冬が育てた。間違えて夏に行ったわけじゃないのだが、今の時期は逆転するほど秩父が魅力的に見える。四季があるというのは、まさにこう言うことで。平たく言えば、真夏の東北なんて、暑いだけともいえる。北海道もしかり。
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