今は言わないかもしれませんが社会人山岳会と大学山岳部は進学率がさほど高くなかったころは頻繁に比較されました。私は、成り行きで大学山岳部を指導してました。時々、学生から社会人山岳会と大学山岳部の差を問うような話が出ます。学生からは、「社会人山岳会には自由があるけど大学山岳部は価値のない伝統に縛られている」などの意見が出ます。
大学の目的が学校教育法第八十三条に「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。○２ 大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。」と規定されてます。条文から私は、�仝Φ羈�発 ��教育 ��社会・地域貢献 が大学に課せられていると理解してます。さらにそれぞれの大学が建学の精神を持ってます。これは、すべての本科も課外活動にも懸けられた方法や方針です。学校教育法は昭和22年に施行されていて、母校は旧制大学令で昭和21年に認可されてますが、建学の精神はその時から変化してません。おそらく伝統とはこの事で山岳部そのものには伝統がありません。逆に�仝Φ羈�発から新しい技術や方法やエリアなどを考えて登山をリードしていかなければなりません。
ほとんどの大学の指導者はOBが成り行きで無報酬ボランティアで引き受けているのが実態と予想します。学生の安全が最優先で考えます。学生や保護者からは理解されていないようですが、大学の課外活動であることを意識してます。多くの保護者が、場合によっては学生が、OBや指導者が学生をクイモノにしていると思っているような対応を受けることがありますが、そのような事実はありません。反社会的組織のように理不尽扱いや退部が困難だと思われているようです。競技系のクラブは勝ちたいし、競技性の無い山岳部は頂上に立ちたいと思ってます。少しでも多くの人材を輩出して��社会貢献を実現したいのですが、やる気の無い部員は迷惑なだけで理由は聞きますが無理に引き留めることはありません。(最近は代行業が流行るなど退職願いに理由を書くことに疑問を持つ若者が多いようです。しかし、寿とか家業を継ぐとか一身上の都合とか辞める際には山岳部に限らず理由を示すことが必要な気がします。)
一方で、社会人山岳会や昨今のクライミングクラブには、このような制限はありません。好きなことを好きなようにやれば良いだけです。
山岳部に限らずメディアに載らない大学のクラブは慢性的な部員難です。残念ながら新型コロナでロックアウトしていて今は無理かもしれませんが、ぜひ、若者は昼休みあるいは放課後に部室を覗いてみてください。
私が指導している時は課外活動よりも本科を優先しました。しかし、今は、一OBなので学位に執着しなくても良いと思ってます。ビルゲーツもステーブジョブズも大学中退です。彼らが学位取得にこだわったら今日のコンピュータの発展はなかったと思います。でも、課外活動が課外活動のままでビジネスになっているのが疑問です。多くの大学山岳部は金儲けを狙ってません。
今年はほとんどの大学山岳部で日帰りの個人山行がかろうじて許容されている程度です。公共交通機関を利用する山行を禁止している大学もあるようです。ちなみ、私は交通事故のリスクから基本的に自家用車利用の山行を禁止してました。でも、メディアに取り上げられるクラブは活動を再開しているようです。
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