電子部品開発を生業にしていると寿命とか品質とかで世論とのずれを感じます。
モノづくりで最も重要なのは安全です。多くの場合でユーザーは機能しなくなるまで使います。現在の製品開発では、静かに壊れることを機能として組み込みますが、古くは考慮されておらず最近になっての事故が問題になっています。
ISO9000で品質とは、 「本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度 」と定義されております。私は約束を守る度合いと理解しております。安全のためには品質が確保されていることが必須です。
一般的に半導体と呼ばれる電子部品は全品全仕様項目を検査します。逆に言えば検査できない寿命や温度特性や周波数特性などは仕様書に記載されません。仕様書とは別にデータシート、マニュアル、ハンドブックなどが用意されていてサンプル評価結果や設計情報が記載されています。電子機器設計者はこれを参照して、自己責任で設計します。
登山用品は機能しなくなるまで使用するのは危険です。登攀具などの強度はサンプル評価結果になります。それなりのメーカならサンプルによる耐久信頼性試験も実施しているとは思いますが公表しているメーカは無いと思います。量産では外観検査程度だと思います。
統計が数学IIIから数学IIに移るそうです。文系JKも危険率などを学習することになります。信頼水準60%で半導体の信頼性試験は実施されることがほとんどで、それぞれのメーカが公表しております。機械部品は逆の危険率用いることが多く5〜10%に設定するようです。登山用品で危険率を含めて信頼性情報を公開しているメーカは見当たりません。
ネットやメディアには登山用品も含めて工業製品の安全や品質や信頼性の理解なく製品を批判していることが多いと感じます。まずは正しく知ってほしいと電子部品開発者は思っています。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する