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話を聞いてみると、その山域の藪漕ぎをそんな時間で計画していたのかと驚いた。しかも下山に使ったとのこと。藪漕ぎをしている人ならわかると思うけど、下山の方が難しい。言い方は悪いけど、藪漕ぎに関しては素人なのだと思う。
批判するつもりはないです。無事に下山できたわけで、今後に活かせる貴重な経験になったと思う。
しかし、なぜ彼らがそんな無謀な計画を立てたのかと考えると、おそらくネット上の情報を参考にしたのだと思うわけです。それも藪漕ぎ上級者の情報を。それで簡単に行けると思ってしまったのではないかと。
情報なしで計画するのはあり得ないと思うので。
ボクも藪漕ぎします。自分では中級レベルくらいかと思っている。
もともと体力があるわけでもないので歩くのは遅いし、かなり臆病な方だと思っている。だから少しずつ少しずつ経験しながら、行動範囲を広げてきた。
最初は市内の里山から始め、徐々に藪のレベルを上げ、こういう藪なら時速何百メートル進めるという自分のペースを掴み、計画を立てるようになった。
当たり前だけど、藪漕ぎは植生によって進み方が大きく異なる。時速2〜300mなんていう場合もある。
予定を立てるためには、その山域のその標高はどういう植生かまで想定する必要がある。
ルートの見つけ方によってもかかる時間は大きく異なるので、ボクより遥かに体力がある人が、同じところを歩いても、ボクより時間がかかったということもあった。
突出した能力より総合力を問われると思う。
計画を立てるのも、いろいろなケースを想定して準備することが必要だ。
ボクはそうした山行のレコをアップしている。
それは、ボクも参考にさせてもらっているからで、その際には、参考にする人の他のレコも見て、その人のレベルを知ってから参考にする。
そうやって情報の扱い方に気を使っている。
しかし、前述のようなパーティが参考にして、安易に計画を立てて遭難した場合、情報の扱い方が悪いと言い捨てることはできない。
それなら出さなければ良いじゃないかという意見もあると思うけど、前述の通り、参考にさせてもらっている以上、出すことが義務にちかい感覚がある。
そこで、下記のような一文を加えることにした。
ーーーーーーー
※このレコを参考にする方へ。
このルートには藪漕ぎを強いられる登山道がない区間が含まれています。
計画を立てる場合、不明な点がある場合はできる限りお答えしますので、遠慮なくメッセージやコメント欄でご質問ください。
ーーーーーーー
これで果たしてどらくらいの人が質問してくるかはわからない。
そもそも、そこを計画する人がいるかどうかもわからない。
しかし、これだけ不確定な情報が流れるネットの中で、そろそろ一般人でも情報を出す責任を少しは感じた方が良いのではないかと思っていたところだ。
藪漕ぎ以外でも、ボクの出したレコに質問があれば遠慮なくメッセージやコメントをください。
先日、某SNSで、和賀山塊の廃道ルートを含め、夜通しとはいえ日帰りで周回しているレポがありました。何らエクスキューズがない場合(レポには通過が困難とか、参考レポのリンク先等のエクスキューズがある)は、距離と累積標高をみて、自分なら日帰り周回できると誤解してしまいかねない怖さがあると思いました。
だからこそ、投稿する側の誠実性も大変重要だと思ってます。
そうですね。しかも、ある程度自信がある人が陥る可能性があると思います。
ここに書いたパーティも沢登りだったそうで、沢を詰めてから稜線に出るまでの藪漕ぎくらいは経験していると思います。だけど、それと藪漕ぎで何時間もルートを探して歩くのでは訳が違うんですよね。おそらく、下山藪漕ぎの難しさは分かっていなかったと思います。
ちなみに、その和賀山塊の藪漕ぎレポはボクも見ました。相互フォローしている人なのでコメントも残しています。
彼はかなりロングルートを長い時間をかけて歩ける人で、そもそも参考にしてはいけないところがあります。
それでも、ボクが登りで9時間半(ビバーク時間を除いて)で抜けたところを、下山で泊まらずですが12時間かかっています。これだけでも藪漕ぎの計画の難しさが分かりますよね。
投稿する側の誠実性は、山行に限らず、常識になっていってくれると良いですよね。
ボクの場合は、スピードが遅いのである程度の人の参考にはなると思うので、それなら詳細にとも思ってます。情報が必要な人たちの安全と成功を願って。
本当の上級者はおそらく、情報なしでも行けちゃうんでしょうね(笑)
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