中国(マリアルーズ号と長崎事件)-11

これは日本が世界に認められた
最初の出来事だったかも知れません

明治5年9月13日
横浜港に停泊中のマリアルーズ号に
奴隷として乗せられていた230人
全ての清国人が解放されて
帰国の途につきました

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「マリアルーズ号事件」

明治5年6月5日
横浜港にペルー船籍の汽船
マリアルーズ号が入港
嵐のために破損した船体修理のためでした

5日 ほどたったある夜の事
同じ時に停泊していたイギリスの軍艦に
突然清国人が現れて助けを求められた
ペルー船から海に飛び込み
必死な思いで泳ぎたどり着いたという

「木慶」という者の訴えによると
「マリアルーズ号は奴隷船で
中には大勢の清国人が奴隷として
毎日酷い虐待を受けている」という

虐待に耐えかねて決死の覚悟で
逃亡を図ったのです

当時アメリカ西部やオーストラリアなどで
金鉱が発見されそこでの労働力として
清国人が奴隷商人の間で売買されており
ポルトガル領のマカオで船に乗せられ
現地へ運ばれる途中だったのです

乗組員は早速 英国公使ワトソンに連絡
横浜の英国領事館を経て
神奈川県庁へと引き渡されました
そして日本政府に清国人の救助をするよう
求められた

一方のマリアルーズ号からは
「彼らは奴隷ではなく移民であり虐待の覚えもない」
と言われ「木慶」引き渡しの要求を
断る事が出来なかった

それは
幕末に結んだ不平等な通商条約で
相手国の治外法権が認められ
外国人が日本で事件を起こしても
日本は裁くことができないからである

まだ結んでないとはいえペルーだけを除外したら
国際問題に発達する恐れが十分考えられた

ところがイギリス人のワトソンさんは
これでは納得いかず
自分で虐待の証拠をつかんできた！

そして外務大臣「副島種臣」に船内の状況を伝えた
副島は決断した
「国際問題に発展する」と懸念の声もあったが
人道的な救助を優先する考えを固め
「ペルーはまだ日本に置ける
治外法権を持っていない！
よって日本は自国の主権によって
この事件を処理する、、、これは国際法にも合っている」

こうして
清国人救出に向かって手続きがなされた
先ずはマリアルーズ号に出港停止命令が出された
さらに7月には
清国人を全員下船させ
容疑者となった船長は神奈川県庁に設置された
特設裁判所にて判決を受けることになった
そして
「清国人の解放を条件に出港を許す」という
ことになりました

しかし船長は
「奴隷ではなく移民だ！」と繰り返す
これに対して日本側は揺るぎなく
「この契約は移民ではなく
奴隷契約だ」として船長の訴えを却下

諦め切れない船長は
日本の年季奉公の証文を出して
「日本にもあるじゃないか！」と
しかし日本は却下！、、、

かくして
明治5年9月13日
マリアルーズ号に乗っていた全ての
清国人が解放されて帰国の途につくことが出来ました

オマケ(その20日 後には年季奉公の芸娼妓解放令が出された)
船長さんに痛いとこ突かれていたんですね、、、

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やっと一安心と思ったら
翌年の2月 今度はペルー政府自ら
海軍大臣を派遣して
日本に対して「謝罪と損害賠償を請求」
、、、やっぱり国際問題に発展した、、、

直接な衝突を避ける為に
ロシアに判断を任せることになった
ロシア皇帝「アレクサンドル2世」
下された決断は
「日本の処置は国際法にも違反せず
妥当なものである」 ( よかったあ〜！)

このことが世界的に知られることになり
マカオでの奴隷売買は消滅！
イギリスからも信頼されるようになって
不平等条約改正に向かって
一歩前進することが出来ました！

一件落着ですね

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ところが
思いもかけないところから
日本は狙われるようになっていた

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「長崎事件」

清国人救出から14年後の事である

明治19年8月1日
清国海軍の北洋艦隊(軍艦4隻)が長崎に入港した
それぞれとても大型で
当時日本が持っていた軍艦の倍の排水量がある
まるで軽自動車とトラックくらいの差、、、

日本に立ち寄った表向きの理由は
「船艇修理のため」でした

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これは憶測です
当時日本の評判は列強国の中で
ドンドン良くなっていました
それに比べて
清国の評判は下がっている
全てを上下の関係でみようとする
国の人達にとっては
下である日本の評判が
上である清国より上がるのは
けしからん事

これは
西洋の人達が労働を神から与えられた罰だととらえ
日本人が勤労を尊いものだと考えるように
清国の人達にとっては上下の考え方は絶対的なのでは
ないかしら？

では何が上かというと
武力でのしあがった我皇帝が一番上で
次に皇帝の種族
そして漢族
他の国の人はみんなその下なんだけど
強い国には負けちゃうから文句言えない

ホントは目の上のタンコブなんだけどね

日本は開国したばかりで弱いのに
最近タンコブの仲間入りしようとしている
許せない気持ちなんだろうな、、、

そして上の人は下の人にどんな我儘言っても
どんなことしてもお構い無しらしい

漢族の人達は
紫禁城(女真族の城)へは入れなくて奴隷みたいだったけど
他の国の人達より上に置かれていたから
我慢できてたらしい(支配するために自尊心を少しだけ残した)

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明治19年8月13日
清国艦隊は500人の支那人の水兵を
無許可で長崎の街に上陸させました

遊郭でのちょっとした順番をめぐるトラブルが
引き金になり
備品を壊したりして
いきなり暴動を起こし始めたのです

500人というもの凄い数
日本では考えられないような破壊活動を始め
長崎市内をのし歩き
商店に押し入り強奪
婦女子を追いかけ回し乱暴狼藉

連絡を受けた派出所の巡査2名が
急いで現場に向かいました！

その巡査を支那人水兵達が取り囲みました
暴行に及ぼうとしたのです

ところが
当時の巡査というのは
武家上がりの武道の達人です
警棒しか持っていませんでしたが
たった2名で支那人達を蹴散らし
中でも不遜な態度であった2名の水兵を
その場で現行犯で逮捕してしまいました
残りの水兵は逃走、、、
逮捕した水兵を派出所へ連行

普通ならこれで一件落着

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ところが暫くすると
支那人水兵10名が派出所の前に現れました
その中にはさっき逃げた水兵もいました

巡査がその者を逮捕しようとしたところ
水兵達は日本刀を抜いて襲いかかったのです！

日本刀は事前に用意されていたようです
巡査らは負傷しながらも応戦しました

そして水兵達の刀を取り上げて押さえつけ
武器を取り上げました

そこに応援の警察官らも到着し
現行犯逮捕した水兵達を長崎県警に送りました

県警では取り調べの上
清国領事館に引き渡されました

(巡査カッコいい！)
暴動起こしても刑務所には入らないのね？

再発防止のための取り決めがされました

1.清国は集団での水兵の上陸を禁止すること
2.清国水兵の上陸を許す時には
監督士官を付き添わせること

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双方納得した約束のはず、、、、

翌日には意味のないものになっていました

午後一時
支那人水兵約300名
手に手に武器を持って上陸しだしたのです

そして交番の前に集結すると
わざと交番に放尿したり
大声で奇声をあげ
巡査らに対して露骨な挑発と嫌がらせを
始めました

巡査は当然注意しました
すると彼らの一人が襲いかかり
警棒を奪い取ろうとしました

これを防ごうと揉み合いになりました
どんなに巡査が猛者でも
3対300です、、、

支那人の水兵達は3人の巡査を
袋叩きにしたのです
3人は果敢に戦ったけど
遂に力尽きて一人が死亡
一人が重体(翌日亡くなる)

たまたまこの様子を目撃した人力車の車夫が
激昂して清国水兵に殴りかかりました！

すると頭数にもの言わせた支那人水兵の一団が加勢

人力車仲間も集まってきて
そして 一般の市民の人達もみんな加勢しました

こうして
清国水兵と長崎市民の間で
路上の大乱闘が発生しました

長崎県警本部から応援に駆けつけた
警察官もまじり
遂に乱闘は斬り合いに発展

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8月20日
天津にいた李鴻章は日本の天津領事を呼び出した
「我国の水兵と貴国の巡査との間で喧嘩があった」
「そして武器を持たない我水兵を殺傷した」

日本人対支那人 10対100
そして武器を持って暴れ回ったのは支那人なのに、、、

李鴻章が言い張るもんだから
欧米の法律家にも間に入ってもらって
客観的な証拠に基づいて話し合いに入ったが

日本や欧米の弁護士の主張に対して
清国はとにかく「言い張る」ばかりであった

決着は政府に委ねられ
明治20年2月
日本が一方的に悪いという条約が締結され
その中で
日本の警察官は今後刀を帯びてはならない
という要求まで飲まされてしまいました

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悔しくて泣けそうだけど
圧倒的な軍事力の差の存在には
なすすべもなかったようです

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彼らを軽蔑してはいけませんか？
子供の頃から嘘をついてはいけない
他人の物を盗んではいけない
他人の弱みにつけこんではいけない
他人に迷惑をかけてはいけない
そして
他人の物は自分の物より大切に扱うようにと
教えられて来ました

これらを守れない人は恥ずかしい人だと

日本人以外の人には関係ないことなのかな？

いろいろ考えちゃうけど
日本人で良かったといつも思います

コメント

daikoku

RE: 中国(マリアルーズ号と長崎事件)-11
itigoさん、おじゃまします。

興味深く読ませていただきました。

とても面白かったです、中国人は（一部の人たちでしょうが）今も変わりません。

日本人に生まれて本当に良かったと思っています。

itigo

RE: 中国(マリアルーズ号と長崎事件)-11
daikokuさんおはようございます
興味を持っていただけて感謝です
台湾の人達も元は中国の人だったのに
考え方が全く違うのが驚きでした

中国人韓国人の思考原理について世界の人が
いろいろな論文を出すほど不思議みたい

清以降の中国は変わりましたね
日本が変わったことにも原因がありそうですが
共に喜びを分かち合うという発想にはなれない国みたいです

最近はアジア人と一括りにされて「アジア人嫌い！」と
されるのが寂しいです
理由は嘘つきで必要の無いものまで買い占める
自分の国の食品や粉ミルクが信用できないので
他国の物を買い占めてその国の国民の生活を脅かして
いるようです

庶民には日本人も中国人も違いがわからないので
「アジア人嫌い！」となり親日感情も薄らいで来ているとか