・通常の天気図は、地上天気図(1013hPa)を指す
・高層天気図で、上空の空気の状態を把握することが重要
1013hPa(高度 0m):地上天気図
850hPa(高度 1500m):(以降)高層天気図
750hPa(高度 3000m)
500hPa(高度 5500m)
300hPa(高度10000m)
※気圧[空気の重さに相当]は、上空ほど低くなる
⇒ 上空に強い寒気があると、大気が不安定となり荒天となる
(上空の冷たい寒気は、地上では大雪をもたらす)
・前線は、寒気(冷たい空気)と、暖気(暖かい空気)の境目に現れる
⇒ 湿った暖かい空気が、寒気の上に乗り上げることで、
冷やされて雲ができ、雨を降らす雲になる
寒冷前線:まっすぐに立ち上がる雲(積乱雲)
温暖前線:平らな層状の雲(乱層雲)
・衛星画像(可視・近赤)と天気図を重ね合わせると、気圧配置と雲の関係が
よく分かる
・山の斜面の風上側は雲ができやすい
(地上の風が上昇気流となり冷やされて雲となる。低気圧と似た構造)
この本の中で、気象遭難事例が5例紹介されているが、いずれも気象情報を上手く活用していれば、防げた事例である。
◯塩見岳での落雷:2002年8月2日 1名死亡,数名負傷
寒冷前線の接近、雷注意報が事前に有り、木の傍で落雷。遠くで雷鳴が聞こえたら、直ぐに準備。(1時間以内につかまる可能性が高い。小屋に避難できなかった場合は、木から2m以上離れ[側撃雷を避けるため]、できるだけ身を低くしてやり過ごす)
◯トムラウシでの台風による遭難:2002年7月9日〜11日 2名死亡
台風の急接近での天候急変にメンバが行動不能になる。ラジオを所持せず、台風情報を行動時に把握できていなかった。北海道の山は、2000m級であっても、アルプスの3000m級以上に気温が下がることがある。寒さへの備えは万全を期すべし。
◯立山での吹雪による遭難:1989年10月8日 8名死亡
冬型の気圧配置により天候が崩れ、稜線上で吹雪となり、身動きがとれず。装備は夏山装備でビバーク装備も持参せず。雪が降り始めた一ノ越山荘で撤退を判断すべきだった。(リーダが自身で判断できなければ、山小屋の主人に相談すべし)
身近な夏山であっても、危険は大いにある。入手可能な気象情報は積極的に活用し、適切に対処することで、リスクはできるだけ下げておきたい。最後に、私が山で良く利用する天気アプリを紹介しておく。電波が入るテン場で雨が降っている場合、このアプリで雨が止む時間を予測し、いつ行動を開始するかの判断に、役立てることが多い。
◯iphone:気象天気図
https://itunes.apple.com/us/app/気象天気図/id393725709?mt=8
・天気図
・レーダー・ナウキャスト:これが役に立つ
・衛星画像、等
なお、下記の気象予報士の解説記事が、私にはとてもわかり易かった。
◯地上天気図
http://blog.goo.ne.jp/qq_otenki_s/e/3147fdfe6b320e4472cbf67295dc52c5
◯高層天気図
http://blog.goo.ne.jp/qq_otenki_s/e/a3ffede35643cd69389cb47d208d7886?fm=entry_awp
◯天気図の見方
http://blog.goo.ne.jp/qq_otenki_s/e/5c20d797e9d1bc7c0cbb96fa8aba679b?fm=entry_awp
◯風向き
http://blog.goo.ne.jp/qq_otenki_s/e/ca76588a5f06f6fac2235daa9e5ce6e4
以上、ご参考までに。
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