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「困難を愛するが、危険は大嫌いだ」というアルピニストとしての彼の言葉は名言です。
この本はヨーロッパアルプスの特にモンブラン周辺の登山ルートの中から、レビュファが推薦する１００コースを選び出して、易しい順に紹介したものです。易しいとはいっても、ハイキングの類ではなくすべて「クライミング」の範疇に属するコースになっています。そして何よりもアルプスの写真がとても美しい！
高校時代に小遣いをはたいて買ったこの本を、何度も読み返し・見直しては、ヨーロッパアルプスへの憧れを膨らませたものでした。（1974年初版、当時で5300円）
さて、１番目のコースは2000m級の山の1時間ほどで登れる岩稜の縦走、とはいっても懸垂下降やUIAAグレードで�元蕕離團奪舛盍泙澆泙后Ｈ峭罎�小さいコースでは、他に氷河での氷のトレーニングや易しい岩登りルートが紹介されています。
そして後半にはアルピニズムの歴史を刻む有名ルートが数多く紹介されています。
89番目が、かのボナッティが単独初登した岩峰である「グラン・カピュサン東壁」
90番目が、モンブランのブレンバフェース「マジョールルート」
92番目が、ボナッティがK2遠征で味わったストレスを解消し、自分を取り戻すためにやはり単独初登した「プチ・ドリュの南西柱状岩稜」
95番目が、非常に大きなスケールで広がるモンブランの「プトレイ山稜」
96番目、97番目が、それぞれグランド・ジョラス北壁の「中央側稜」「ウォーカー側稜」
98番目は、アメリカのヨセミテで腕を磨いたR・ロビンスのグループがアルプスで行ったビッグウォール「プチ・ドリュ西壁アメリカン・ダイレクト」
99番目は、R・メスナーがプレッシャーを感じながらソロで登った、標高差１０００ｍにわたる氷壁の「レ・ドロワット北壁」（メスナー著「第７級」参照）
そして100番目は、やはりボナッティのチームが歴史上有名な大悲劇に見舞われたモンブランの「フレネイ中央岩稜」です。（ボナッティ著「大いなる山の日々」参照）
写真とかルート解説を読んでると、ボナッティやメスナーが感じた心の動きが思い出され、自分もそのルートにいるような気分になってきます。「フレネイ中央岩稜」とまでは行かないけれど、いつかは訪れてみたいと思っていたヨーロッパアルプス。。。
（こういうの多いんです。「いつかは行きたい＊＊＊」。「＊＊＊」の部分はヨーロッパアルプスであったり、アメリカのヨセミテだったり。。。結局いけないままになるのか、定年後の楽しみに取っておくのか・・・）
ところで特選１００コースの紹介に入る前に、レビュファによる前置きがあります。「どのピークに登るべきか」「アルピニストになるために」
ここにレビュファの山に対する愛情や思い入れが記述されており、とても啓発される言葉なので、その一節を紹介します。
「どの山行を選ぶべきか？
これは、どのようなたちの困難に立ち向かうことになるのかともいえるし、どのような困難を期待するのかとも言えるだろう。さもなければクライマーはやさしい登攀しか企てないことになる。人間の本性は元来、難しいことが好きなのではないだろうか？
どのような楽しみ、どのような喜びを期待するのか？
登山は、ひとつの祝祭である。まず目の前に風景がある。これに向かって歩み、これをすえつけ、配置するのはクライマーである。星空の下の出発、日の出、太陽に向かっての登高、雪と岩のこの世界にやってきて、これに別の生命、新しい存在理由を与えるのは人間である・・・
登攀はひとつの創造である。平衡の取れた動作と、正確で、軽やかで、優美な身のこなしが秩序よく連鎖したものであり、創造とインスピレーションが生み出したものなのだ。
山ではよじ登るよろこびと、勝ちとるよろこびがあるばかりでなく、天と地の間のえも言われぬ登攀を通して、山行ごとに自分がどんな人間なのか、どこまでやれるのか、自分の可能性はどんなものなのかを少しずつ学びとり、自己のテクニック、力、才能、山に対する勘の限界を知ることになる。
よじ登るだけでなく、アルピニストになること、そして一人前の山岳人になること。これは少しずつ、高嶺と一心同体になっていくのを感じることなのである。」
写真１：表紙
写真２：95番目のプトレイ山稜
写真３：35番目のツール・ロンド北壁（３名のクライマーが点になって見えている）
こんにちは！
この表紙の写真は有名？ですね。
私も、欲しかったけど、買えませんでした。
外国なんて、夢の夢でしたから…。
（もちろん、貧乏だったし…）
でも、夢は現実になり、シャモニーを徘徊？
今も持っているシャルレのピッケルは、その時買ったモノです。
奥ちゃまとスイス（観光）
これは、一時、現実味を帯びて来ましたが、結局、夢に終わりました。
人生、どこでどうなるか、分かりませんね。
この先も楽しみです。
ちょっと、見当違いの
りんごやさん、こんにちわ！
昔は色々な本を読んでの妄想登山はしょっちゅうしてましたが、結局海外の山にはどこにもいけず。。。
友人たちは色々出かけていたみたいですが、自分は結局いけなかったです。思い返すと、なんで行かなかったのかなぁ。。。
やっぱり一度は海外の山に行ってみたいですねぇ
くろすさん、おはようございます。
高校生の時にこの本を買ったなんて凄いですね。幸いにも父親が購入していたので家にありました。汚すなよ、って文句言われながら眺めていました。ちょうどフレネイの悲劇の劇場映画「さらば白き氷壁」を見た後なので、フレネイ中央岩稜が100番目だったのも納得でした。
まだ見ぬモンブラン山群の明るい岩壁、氷河に憧れたものです。
ガストン・レビュファ、彼の文章は本当に素敵に感じました。今の若い人にも是非とも読んでもらいたいです。
彼のデザインしたというレビュファシャツも憧れでした。ようやく買えたら日本製だったのにがっかりでした。ライセンス生産だったんですね。すっかりフランス製だと思ってましたから。
レビュファも比較的若くして病気で亡くなっていたのを知ったのも最近です。残念なことです。
ankotaさん、おはようございます。
あの頃は他に趣味とかも無かったので、小遣いとかはすべて山関係につぎ込んでました
この本は今では中々入手は困難になってるみたいで、残念ですね。
ヨーロッパアルプスも、温暖化の影響か氷河が年々小さくなってきているとか。。。昔写真で見た美しい景色が、今後も変わらなければ良いのですが・・・
映画「さらば白き氷壁」は知りませんでした。早速見てみたいと思います！
映画さらば白き氷壁をアマゾンで検索しても、パンフレットとポスターの出品しかありません。DVD化されていないのでしょうか。もしみつけたら教えてください。
生存者のピエール・マゾーが本人として出演していたので、てっきりフランス映画と思っていましたが、西ドイツ(！)映画だったんです。
彼等が映画の中で使っていた、ワンダーのヘッドライトが欲しくて、買ってみたところ、構造は華奢だし、電池は特殊な角型乾電池で使いにくかったのを、無理して使っていたのを思い出しました。
私も早速アマゾンで検索して、やはり見つかりませんでした！
レンタルとかで探すしかないでしょうね。。。でも、Amazonで無いんだから、DVD化されていない可能性が大ですね。。。
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