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このルートは日電歩道、水平歩道共に電力会社がかかわっています。黒部川の豊富な水量で発電するためです。歩ききってみてその歴史を知らなかったので、ちょっと調べたくなって見つけたのが著者:吉村昭「高熱隧道」です。
この秘境での電力事業にあたり仙人谷ダムから欅平に抜けるトンネル工事を扱った小説。黒部ダム建設時のトンネル工事は破砕帯に阻まれ難工事(映画:黒部の太陽は印象に残りますね〜)でしたが、こちらは温泉湧出地帯を通ることになり岩盤最高温度165度という想像を絶する環境、しかも各ポイントまでは峡谷に穿たれた水平歩道を歩く難工事だったようです。
今では関電が年間数千万を費やし整備している為、かなり安全度は高くなっていますが当時はそれこそ命がけのルート。人間の限界を超えたような環境で大自然の猛威にさらされながら300名以上の犠牲の元に完成されたのが欅平と仙人谷を結ぶトンネルだと知り愕然としました。
特に印象に残ったのは志合谷で発生した泡雪崩の直撃で鉄筋コンクリートの宿舎が奥鐘山の岩壁まで約600mも吹き飛ばされ多くの方が亡くなった事故。残念ながら歩いた当時は知らなかったため、奥鐘山の岩壁が大きいなーと思って通り過ぎてしまいました。
また歩く機会があったら、この小説の内容を思い出しながら歩いてみたいものです。黒部下ノ廊下を歩きたい人は是非「高熱隧道」を読んでみてもらいたいですね。
2014年10月 黒部下ノ廊下を歩く
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-538337.html
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