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両隣りを背の高いビルに挟まれた小さな一部3階建てレンガ造りの建物の2階にある、煙草の匂いが染みついたような古びた店だが、コーヒーが200円と安く、これといった愛想もない雰囲気が気楽な感じで、息抜き、ひと休みにちょうど良い店だった。
先日、久し振りに立ち寄ったところ、「(昨年の)9月末で閉店」の貼り紙があり、それで少なくとも半年近く『のあ』に行ってなかったことを確認することになった。
多忙だった現役勤め人の頃は、下戸ながら残業帰りに立ち寄って気分転換したり、気の置けない仲間と二次会に行くなどした、いわゆる行きつけの店がススキノに数軒あった。
しかしそれらの店も、もうみんな閉店してしまい、馴染みだったママさんたちも、一人とは年賀状交換しているが、他のママさんたちの消息は分からない。
子供達が小さかった頃、毎年のように夏休みキャンプに行っていた海辺の小さな町に、いつか馴染みになった食品雑貨店があったが、この店も、2年ほど前に10数年ぶりに行ったところ、廃業していた。
馴染みの店がなくなるのは、自分の過去の人生に付随していた景色の一部が消えたような感じがあって、なにかしら寂しいものだが、ススキノの『のあ』も、消えた懐かしい景色の一つになった。
そのうち、「喫茶店」という言葉も使われなくなるのかもしれない。
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