点の記から(おしまい)

　以上、今まで点の記を読んでみて、見えた事や思った事を幾つか書いてみました。恐らく、このような話は知らなかったという方が殆どではないでしょうか。でも、面白かったでしょ。測量の様子以外に明治の日本も垣間見えます。「断片を見ているだけでは判らない、全体を俯瞰して、始めて見えて来るもの」の一端ですが、調べてみようと思う位の意味はありそうに見えません？。

　他にも、ホウこの視点で見れば…的事柄もあるし、書いた事をもう少し詳しくってのもあるんですが、もはや単純な検索機能で関連記載のある点の記を抽出するのは限界。余りにメンドクサイので紹介するのは断念。構造化してSQLを叩いて複雑な検索式で検索出来るように仕立てれば、楽に関連点の記が抽出出来ると思うのですがね。色々な角度から見る事が容易になるようにDB化を試みる所以です。

　小生、少々天邪鬼でありまして、大勢がやっている事には興味がありません。人の後に付いてゾロゾロ登るなんてやりたくない。人で一杯の山頂なんてサッサと立ち去りたい。地図には小径すら書かれていない三角点を訪れる方がずっと面白そう。登山の方では未踏ルートの開拓など思いもよらず、奥多摩の踏み跡を追うのが精々ですが(それも結構楽しいですが)、こっちは頑張れば未踏峰に登れるかもしれません。他に辿っている人もいなさそうです。弛まず続ければ、聞いた事も無い、先人の地図作成の歩みの一端が見えて来るのは確かでしょう。誰も見た事のない景色が見えれば嬉しいでしょ。完成目指して頑張ります。

　長々と読んでくれた人、どうもありがとう。

追記。
　もし、この手の話に興味を覚えられたのなら、
・地図を作った男たち。山岡光治著、原書房
　をご一読されることをお勧めします。二部構成で、一部に伊能図後から陸地測量部発足前まで、二部に陸地測量部の地図作りが紹介がされています。基本的に携わった人とその事績の紹介ですが、その頃の地図作りが伺えて、興味深く読みました。測量技術に偏る物ではなく、一般向けに容易に入手出来る書物で、私が見つけられたのはこれしかありません。(尚、新田次郎氏の「剣岳(点の記)」は、あくまで小説であると理解すべきというのが、私の印象です。史実とは異なると思った方が無難です。)