ふとしたきっかけから、明治・大正期の五万分の一地形図全国整備事業に興味をもち、調べ始めました。国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」で全国の三角点の点ノ記が読める事を知り、チョイと操作すれば、過去版も廃点三角点も読める(今は出来ません)事も解り、片っ端から当時の点ノ記を読み解いてテキストファイルに落とし始めてもう7年程になります。
一二等点が終り、三等点の4割強が終わった所で、「閲覧サービス」の仕様が変わり、現存点の最新版しか見れなくなってガッカリ。気を取り直して残りを進め(三等点の2割程は明治・大正の点ノ記が最新版です)、やっと現存一〜三等点全てが終了し、約47.6Mbyteのテキストファイルが出来上がりました。
「閲覧サービス」は保守の時を除き、365日24時間稼働。こっちの気合いと根性が尽きるまで、何時でも何時までも作業出来ます。根性が尽き、カラータイマーが点滅し始めると、ミスタイプ多発となりますが....。盆も正月も無し。コロナ籠もりをしていても全くヒマにならない。お山に行くヒマもない(苦笑)。が、それも一応終了。やれやれ取りあえずは一段落。この先は籠もっていては進まない。もうコロナ籠もりもオシマイ。
三等点、1万3300点程で当時の点ノ記が読めませんでしたが、国土地理院の地方測量部に行けば閲覧出来ます。追々追加して行くとしましょう。(結局、三等点は約57%程で明治・大正の点ノ記が読めました。ちなみに一二等点は98.2%。)
次は、まずはこの7年間の作業の整理。その次が五万図初版と対校して、廃点三角点の洗い出し。そして、移転履歴のある三角点(最新の点ノ記で大体解ります)と合わせ、設置当初の緯度経度標高を洗い出す予定。これで五万図完成当時の三角点網が再現出来る筈。それが終われば、やっと材料が揃います。さて、あと何年かかるやら。
諸先輩を始め、地図を片手に山中を逍遙できるのは、五万図全国整備の成果と、その継承・発展のおかげ。それを支え続けた基盤が全国に張り巡らされた三角点網。もう一世紀以上その役割を担い続けて来ました。その構築作業の実際を、全国を跋渉した測量官の書き残した点ノ記を網羅的に読み解き、全体像を探る事をした人はいない様子。ならば、やってみる事に幾ばくかの意味があるでしょう。Because it is thereです。定年後に取り組む良い課題を見つけた。こんなの色々と忙しい若い人はやっていられないでしょう。
この先、どこまで辿れるか、どこに辿り着くのか解りませんが、誰も見たことのない景色が待っていると思います。既にチラチラと垣間見えましたが、まだまだ頂上からの大展望とは行きません。頑張ります。
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