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2014年07月18日 12:46ブックレビューレビュー(書籍)全体に公開

『春を背負って』

ふとしたことから奥秩父に足を運び、偶然masatさんに出会ってその後のレコでこの物語の舞台のことを知り得なかったら、完全にスルーしていたであろう作品です。(ブックレビューなので、原作本についてです。)

とにかく、主人公への感情移入がすさまじかった。年齢も近いし、小さなころから父に連れられて何度も登山、しかも登山はどちらかというとイヤイヤ、その父は60歳過ぎで他界、再び山へ、そして父の残したもの。
もうこの設定だけで、あまりの境遇の近さに目頭が熱くなりました(涙腺緩くなったなぁ。。。)

山岳小説はおろか、しばらく文芸書自体読んでませんでした。この本はジャンルは山岳小説となっていましたが、僕にとってはあくまでヒューマンストーリーで、たまたま舞台が奥秩父の山麓だった、という印象でした(そもそもノンフィクションでなければ山岳小説というのはそういうものなのか??)。
だから読後の感想はノンフィクション作品のような「ハラハラドキドキ」な感じではなく、ただただ「あたたかくなった」の一言に尽きました。

それにしても、自分が歩いたことのある山が舞台だというのは、そのリアリティがものすごいですね。特に奥秩父のような山では言葉では形容し難い自然の奥深さを肌で感じます。著者はそれをかなり忠実に描写しているとは思いますが、それでも実際その場の空気を感じたものであれば、目を閉じるだけで言語表現以上の情景をイメージすることができますからね。こんな娯楽があったのか・・・と目が醒める思いでした。

また、降雪後の奥秩父の一節があり、「ワカンやスノーシューがなければ、とてもじゃないけど・・・」という下りがあったのですが、これ、まさに今年の冬に僕が雁坂峠で陥った失敗でしたが、場所が場所だけに「あるある」どころではないリアリティでした。

--

総じて、いい物語でした。恐らく映画版はかなり印象が違うような気がしますが、それを覚悟の上で今週末、観に行ってみようかな。(もちろんレイトショーでw)

ふとした気まぐれと、偶然の繋がりから得られた暖かいもの。これも山の一期一会の賜物かな。”家族”をあらためて顧みることができました。

評価:★★★★★(★5つ!)
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コメント

読まれたのですね。
Tomosatoさん こんにちは

 「山岳小説」ですが人と人の繋がりをメインとされた作品ですから評価も別れるようですがTomosatoさんにはストライクだったようで

 私も正月に読み今回また読み直した上で歩きましたが奥秩父の魅力をさらに感じました そこで更にいろいろと出会いもあったのでこの作品にはほんとに感謝しています

 私も時間取れれば映画も見に行く予定です、覚悟して(笑)、天気悪そうですしね
2014/7/18 17:29
ド・ストライクでしたw >masatさん
こんばんは
ここ数日、特に色々とお世話になっております

見事にど真ん中でしたflair
最近妙に"家族"を主題としたストーリーに敏感になっています。私生活でも色々と山に谷にとあったからかもしれませんが・・・。

本をお読みになられて、良いエネルギーを得られたのではないですか?そこに引き寄せ効果がついて色々な出会いに結び付いたのではないでしょうか?
って、ゴロさんなら言・・・わないか

今週末は天気も悪そうですからね、別の形でお互いお山を堪能しましょうか
2014/7/19 0:07
ゲスト
山岳小説
基本的にはフィクションなんだけど、設定は実在のお山だったりするので、山岳小説はフィクションとノンフィクションの間な感じで書かれてるのが嬉しい

最近は本屋さんで「黒部の山賊」が積まれてるので、ちょいと気になってますw

今まで読んだ中で、実際に行ったお山で「おおっ!」と思ったのは谷川岳かなぁ。岩場のメッカだから色々な小説で出てくるんだけど、だいたい上越線の土合駅で降りて、土合山の家を通って登山指導センターの横を過ぎる。その後は西黒尾根を登ったり一の倉沢に行ったりするんだけど、実際に読んだことのある光景の中を歩くのは、ちょっと楽しい
(もちろん急登の西黒尾根は登ってないけどw)
2014/7/18 20:06
もう一つの現実 >nahoさん
フィクションとノンフィクションの間・・・そうなんですよね〜
いわゆるパラレルワールドとでも言いましょうか、不思議な感覚に吸い込まれてしまい、あっという間の読了でした

nahoさんが挙げてくれた本も、近々読んでみようと思ってます

谷川岳かぁ・・・ただでさえ現実世界で良くも悪くも色々なことが起こる場所だから、色々な側面からストーリーが生まれてくるんだろうね。
nahoさんのホームでもある尾瀬を舞台とした物語もたくさんあるのでは?(ありそーだな。。。)通ったことがあるどころか草花の息遣いまで肌で感じているだろうから、垂涎モノになるんじゃないかなあ
2014/7/19 0:23
RE: 『春を背負って』
まだ読んでませんが、お店で積まれてるのを大分前にみて、そのうち読んでみようかなって思ってました。
最近、あたたかいものに触れてないなぁ(ノ∀`)
映画も一人でなかなか行くことないので
行かれたら是非、感想をお願いします。
2014/7/18 21:41
あたたかいもの >hoshinoさん
僕も久しぶりにあたたかいものに触れたような気がしますconfident
決して熱すぎない、温もりとしてのあたたかさを感じることができましたよ^^

映画も原作本も、同じ"家族"をテーマとして扱っていることに変わりは無いようですが、
そこは映画と小説、表現の仕方がまったく別物なんだろうと思っています。
(現に、映画の監督や原作著者も対談でそれは認識しているようでした)

映画は行くかどうかまだちょっと迷い気味ですが・・・
hoshinoさんも機会があれば原作本を読んでみてくださいね
2014/7/19 0:29
読んでみます!
Tomosato さん
おはようございます。(^-^)/

この作品、実はどちらも未見です。f(^^;
私は本も映画も両方好きですが、
原作を読むと映画とのニュアンスの違い
を感じることが多々あり。

そんな理由から、大好きな原作ほど
違和感を覚えそうなのであえて観ません。(笑)
映画のほうが感動した!という作品も
もちろんあるんですが。。。

Tomosato さんのレビューで、
イッキに読みたくなりました!
ありがとうございます。
早速、図書館行ってきます。
2014/7/19 7:23
それぞれの長所
sionさん、こんにちは☆

原作、ぜひ読んでみてください^^
図書館で借りれるといいですねbook

原作vs.映画というのはどうしても比較されがちですが、お互いそれぞれの長所があるので、そもそも比較すること自体できないものなのかもしれませんね。
原作小説の感動を映画に求めたり、映画の感動を原作に求めるには限界があるのでしょう。
原作と映画で微妙に設定が異なるのは、そんな意図の表れなのかもしれませんね。
(その場合は、別の物語と割り切りましょう

ぜひ、sionさんの読後のレビューも聞かせてくださいねhappy01
2014/7/19 12:06
映画館で会いましょう。
本を読むのは苦手なので、僕は映像で楽しみたいと思っています。
まぁ〜原作と違うってのは、昨今良くある事・・・

メイキングとか見たけど、そこそこ楽しめるかな〜♪
って思って・・・
それ以上に・・・

映画を見た人が・・・
マツケンが僕に似てかもって思ったとか
松平健ではないですよ!マツケンサンバのマツケンじゃないですよ・・・
松山ケンイチです
言われたのは2人目なので、まいあがっております。

onkenからmatsukenに変えようかと思う今日この頃・・・

週末は天気が大荒れ・・・僕もどこか行きたかったなぁ〜
2014/7/20 0:05
本屋さんで会いましょう。
僕もメイキングをちょっとだけ見ましたが、たぶん面白いと思いますよgood
涙ちょちょぎれにもなりそうな予感・・・。

たぶん、それは映画ならではの面白さや感動で、原作との比較というのはあまり意味がないんでしょうなぁ

そっかー
メッセージでのマツケン発言はコレだったんですね
ハードル上げたと言いたいところですが、証人は2人になりましたか・・・
来月の楽しみが増えましたねsmileヒヒヒ

残念ながら、matsukenという名前はすでにヤマレコユーザとして登録済みのようですね
交渉、がんばってください
2014/7/20 1:04
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