久々の休日。贅沢にも今日は終日読書。
『春を背負って』を読んで以来、作者の笹本稜平氏の別の作品を早く読みたいと思っていたけれど、またビジネス書に心移りしたり、結局『春を背負って』を何回か読み返したりで、なかなかに機会を逸してました。
ようやく手に取ったのが、この『還るべき場所』。一昨日に購入したこの本も、本日読了。『春を背負って』に比べるとかなりボリュームはありますが、一気に読めてしまう内容でした。
読後の感想としては至って清々しいものでしたが、やはり『春を背負って』効果による事前の期待値が高すぎたせいか、ネット上に散見される高評価ほどの衝撃は無かったかな?
※以下、感想ですがネタバレにならない程度には物語の内容に触れます。
僕は山岳小説なるジャンルのものをあまり読んでこなかったのでそもそも他作品と比べること自体難しいのですが、ヒマラヤ山域の美しいながらも残酷な情景や、過酷な登山の描写などはとてもリアルな上に、これでもかという程に次々と襲い掛かる苦難は、読者を引き込む一種の中毒性がありました。
が、いわゆる "手に汗握る冒険譚" には僕はそれほど興味があるわけではないらしく、実は主人公の翔平にすらあまり感情移入ができませんでした。亡き恋人 聖美との関係性が僕の場合と大きく異なるため、あまり現実味がなかったのかな・・・?
その一方で、この物語内でパラレルストーリーとして展開される、企業家の神津と、とあるキッカケで秘書兼山のパートナーとなる竹原の物語にはとても惹きつけられ、僕にとっては彼らこそが主役のようにも思えました。
もちろん彼らは主人公翔平を過去の呪縛から解放し、そして成長させるための貴重なアドバイスや気付きをあたえるサポート的な存在ですが、この作品で訴えたいエッセンスは彼らの物語の中から生まれてきます。
竹原のようなサラリーマンから始まり、一念発起して神津のような企業家として再スタートを切ってはみたものの、目先の居心地の良さにしがみつき、それではダメだと思いながらも、行動を起こせずといった悶々とした日々から脱却できずにいる僕にとっては、主人公そっちのけでw彼らに強く共感したのも無理はないのでしょうね。
物語にも登場する"魂の糧"。
単に好きな事や愛するものというものではないでしょう。
僕にとってのそれは、果たして何なのかな・・・?
まだ見ぬ何かなのか、気付いていない何かなのか・・・。
評価:★★★★☆(星4つ)
全体としては3つくらいだけど、神津と竹原の物語に+1(笑)
しょいともさん
おはようございます。(^-^)/
数年前に読みましたが、
実はあまり記憶に残っておらず。
しょいともさんの解説を読んだら
とっても再読したくなりました!(笑)
全くしょーもないコメントで
ごめんなさい。。。f(^^;
という程ではなかったのかもしれませんねぇ
sionさん、おはようございます^^
(僕と違って、ホンモノのヤマの人はやっぱり朝型ですね
sionさんならきっと読破済みだろうなぁと思ってましたよ
氏の作品、次にどれを読むか迷っていて、前評判が一番良さげなこの本を手に取ったんです。
思わぬ角度からの目線でこの作品の良さを味わえましたよ
それでもまぁ、あの奥秩父の心暖まる物語には敵いませんなぁ
コメントどーもです〜
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