【残雪期の悪沢岳、千枚小屋裏での滑落】
→写真1
腐れ雪の斜面チェーンスパイク、ストックのいでたちで直滑降で降りたところ滑落ししばらく止まりませんでした。
ピッケルならまだしもストックでは為す術無し。
森林限界間際だったことが幸いし樹を蹴り込んでスピードを殺し滑落は止まりました。
一概には言えませんが傾斜キツい箇所は躊躇なく12爪でしょう。
いわゆる核心部よりも注意して歩けばなんてことないような場所で滑落って起こるかもしれません。
【白峰南嶺別当代東尾根での道迷い】
→写真2
しっかりリカバリーでき明るいうちに下山できたのですが良いお灸でした。
違和感感じたらまずルートロス、GPSはもはや必須アイテムでしょう。
使いこなすにも地形図見れないとリカバリーもままならない。
地形図の等高線の微妙な突起も実際現地では立派な尾根だったりします。
水平距離で100mのリカバリーも結構大変。
今もルートロスはちょくちょくやらかしますが落ち着いて対処することが肝要かと。
【警察通報間際が3件】
2件は電波の届かない畑薙で。
無事下山したものの林道歩きがまた長い。
21時までに連絡無ければ警察に電話してと家族に話してあるんですが電波の届く井川にたどり着いたのが2件とも21時過ぎ。
もう一件は降雨の一ノ倉沢で。
登攀パート終えてからのスラブの下山がとにかく悪い。
→写真3
写真は最後の懸垂時に撮ったもの、右上に一ノ倉沢のバス停見えてるにも拘わらずあそこまでなんと5時間を要しました。
濡れてなければなんてことない下りも懸垂したり沢の増水に慄いたり。
雪渓がある時期ならまだしも秋の降雨の一ノ倉沢は近寄るべからずでしょう。
【懸垂下降】
クライミングではつづら岩でグローブせずに懸垂下降中、指がATCとザイルの間に挟まれなんとかしようとしてる間に2m程度グランドフォール。
バックアップしっかり取ればいいんでしょうがそれもそれでトラブルあったりするものでザイル脚に絡ませる簡易的な処置をしております。
雑感
・パーティーで別行動は取らない、特に実力差ある人と歩く場合、暗くなってから。
・第六感を信じる、天候に恐れおののく、ほんのちょっとの残雪、凍結でも嫌らしくて通過に躊躇するようなら技量不足、白旗上げて撤退です。
ダメなら再度挑戦すればいいだけです。
訓練重ねたせいか、熟達者の同行があってフォローしてもらってるおかげか、リーダーの天候判断が良いせいか一番リスクの高いアルパインクライミングでは幸いにしてヒヤリは未経験、顕在化してないだけで幾つもあったかもしれませんが。
恵まれた環境で登攀できたことにはただただ感謝です。
「第六感を信じる、天候に恐れおののく、ほんのちょっとの残雪、凍結でも嫌らしくて通過に躊躇するようなら技量不足、白旗上げて撤退です。」
すごくわかります。私も単独が多いので無理は禁物と思っています。
普通の人ならどうってことないだろう所でも自分で怖いと思ったら撤退します。
でも、下山中だとそうもいかないですね。
慎重に慎重を重ねて下山します。
山勘というか、第六感、大事だと思います。
これは経験で感じられるようになってくると思います。
しばらく山から遠ざかると山勘も衰えますね。
私の1年のブランクがあった時は無難な山から再開して、体力だけでなく山勘も段々と復活させていきました。
年を重ねると経験値は増えるけど、感覚の衰えも出てくるかなあと思い始めています。
以前はあまり人が入らないような山に平日に一人で行くこともあったけど、最近はちょっと怖さを感じるようになりました。
この怖いという感覚を大事にしないといけないと思うようになりました。
何より謙虚な気持ちが大切かなと思います。
突き詰めれば謙虚な気持ちが大事、これに尽きるかと。
怖いって感覚もあいまいで前は怖かったけど技量や経験が上がって怖くなくなったり、逆に技量や経験が上がったからゆえ怖くなったり。
自分の気持ちに忠実になるのが一番じゃないですかね。
その第六感を阻害するのが目標にしている山行取り組んでいる時の、わざわざ遠方から来たのに、この日程しか取れなかったからなんとしてでもとか。
経験値って言うのも曲者です。
今春経験したのが岩トレ再開して去年のイメージとはかけ離れた無様な状態でしか登攀できなかったこと。
昨シーズン初夏から本チャン繰り返し、一番場数踏んだ秋のクライマックスのイメージが頭に残ってますがそこから半年くらいのブランクが空く訳ですからもっともな話で(積雪期のアルパインやってればまた違うんでしょうが私は壊滅状態)。
それゆえシーズンに備え岩トレするんだと認識しました。
歩き主体の山歩きならまだ誤魔化し効きますが程度の差じゃないですかね、そこに加齢、怪我やライフサイクルのブランクなんかも加わってきますし。
ある程度山場数踏んだ方であれば蛮勇誇るのも厨二病みたいなもので保守的に、怖いって感覚抱くことが一番なんじゃないかと思います。
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