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田淵行男氏は、安曇野に田淵行男記念館があるほどの登山家であり、山岳写真家であり、高山蝶の研究家であり、数々の著書や写真集を表している方である。しかし、これまで断片的にしか知らなかったが、この本で田淵氏の生い立ちから東京高等師範学校で博物学に出会い、富山県や東京で教職に就き、多くの若者に登山や写真撮影等の楽しさを教え、有名な教育者になったが、32歳で教職を去らざるを得なくなったこと、その後、高山蝶の魅力に惹かれ、昭和20年に安曇野に移り、高山蝶の生態の研究に取り組まれ、高山蝶の生育現場の観察や飼育、高山蝶の細密画を通じて、高山蝶の第1人者になったこと、また、安曇野に居を構えて北アルプスの山々を歩き回り、自然の雄大さを写真を通じて表現し続け、山岳写真や高山蝶や雪形等に関する多数の著作を著したことを知った。
この本について、著者の近藤氏は、あとがきで次のように記している。この本は、もともと雑誌「山と渓谷」の1990年1月号からの1991年8月号まで連載された同名の旧作をまとめたものであるが、単行本にするにあたって、章立てを整理し新たに構成を組み替えて発刊する予定だったが、当初の文中に差別的な表現があるとクレームがついたことと、田淵氏の奥様から不満が出てきて相互の関係修復にそれなりの時間と手続きがかかったためであると記している。ただし、今回の出版にあたっては、ご子息の田淵穂高氏が快く刊行を承諾してくれ、校閲にも協力してくださったと記している。
この本を読んで、田淵氏の著書に対する興味がわき、更に安曇野の田淵記念館(以前訪問した時は、偶々休館日であった)を訪れてみたいと思った。読んでいない方には、一読を薦めたい。
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