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その帰りの東北道でパジェロが故障した。猪苗代で乗って、郡山を過ぎた辺りで、後付けした電圧計が点滅警告。11.9Vと表示された。電圧計の故障も考えられるので、電源を抜き差しして再起動。変わらず11.9V表示。
ライトやエアコンを消して変化があるか確かめると、12.1Vと変化がある。と言うことは充電装置のオルタネーターが故障したと思われる。ちょうど矢吹から渋滞40kmが始まったので、ヘッドライトを消しフォグランプに、ラジオやエアコンを消して室内装備品は全てOFF。それで12.1Vになった。
通常、乗用自動車のバッテリーは、2Vのセルが6個あり12V仕様。バッテリーを充電するには、それ以上の電圧を印加しないとならない。池に水を貯めるには、池の水面以上の高さでないと流れないのと同じ原理。高い所から低い所へは、自然界の摂理なのだ。
オルタネーターの仕組みは、小学校で習った直流交流電気、中学校で習った電磁誘導、フレミングの左手の法則、オームの法則、高校で習ったデルタスター結線などで説明できる。
簡単に説明すると、電磁石の回転子がコイルの中を回転すると、電磁誘導によって、交流電流が発生する。車によって異なるが、3個の電磁石とコイルがあり、120度相違の三相交流となる。磁石はS極とN極があり、コイルを横切るときに磁場が逆になるので、電流もプラスマイナス逆となり交流となる。この電流を「正弦波」という。中学で習ったな。この波が1秒間に50回なのが東日本100V電圧の50Hz。
自動車は直流電流を使用するので、三相交流をレクチファイヤで整流する。内部にツェナダイオードがデルタ結線して高圧低圧側2セットあり、アノードカソード両側からの電圧を一定に保てる。この整流された電気をリップル電圧という。
エンジンのクランクプーリーの回転が、ベルトを介してオルタネーターの回転子を回す。よって、エンジン回転が高いほど発生電圧が上昇し、低いと下がってしまう。
要求される電圧は13.5〜14Vなので、回転子の電磁石への通電量を変えて、発生電圧をECUでコントロールしている。
パルス間隔で行うデューティー制御なので、ICレギュレータにあるコネクターを「D端子」という。出力端子はバッテリー供給なので「B端子」という。
今回の故障原因としては、12.1Vしか出力しておらず、ICレギュレータの印加不足、回転子のブラシの摩耗、ダイオードのパンクが考えられる。ちなみに今回で4回目の交換。10万キロ毎に替えている計算。
オシロスコープがあれば簡単に原因を突き止められるのだが、最近ではリビルト品(内部部品を全て交換したオーバーホール済品)があるので、そっくり変えてしまえば時間も手間もかからない。しかも安い。
早速GW明けの水曜日に発注。翌日には入荷した。ちなみに新品は生産終了!さすが平成6年車。最期の部品価格が98000円だった。リビルト品は21000円。社員価格で激安に購入出来た。交換は昼休みに駐車場で片手間で20分で完了。旧車は楽でいいね。
4月下旬に車検したばかりなので、2万円程度なら直さないとね。GWは福島だけだから距離が伸びなかった。50万kmまであと少し、東北や北アルプスを行くようになれば距離が増える。
写真1:ボンネットを開けて、オルタネータを取り出した後。旧車なので中はスカスカ。昨今のハイブリット車や軽自動車などは、手の入れるすき間もないほどぎっちり詰っている。
写真2:取り外したオルタネータ、リビルト品のオルタネータを並べる。中の部品を全て替えてあるので、交換だけで整備は済む。最近は故障探求や高技術が求められる整備をしないので、今の整備士はつくづく腕が悪いと思う。平成のゴッドハンドと言われた私からしてみれば、彼らは「エンジニア」ではなく「チェンジニア」だな。
写真3:オルタネータ交換時のオドメーター「491286km」と表示。あと8700kmで500,000km。7月頃に到達予想。その時にはまたご報告いたします。
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