最近になって山歩きを復活させた私。近年はアウトドアブーム、登山ブームということで、私の若い頃とは山の様子がずいぶん違っている。山を行く人の服装がオシャレになっているし、なんといっても女性が多い。もはやニッカを履き、キスリングを担いでいる人などいない。
かつての汗臭い男たちの世界とは文字通り隔世の感があり、華やかで大変けっこうなことだと思う。その一方、気になることがないでもない。そのひとつがタイトルにも書いた「山では登り優先」がどうやら昔ほど行き渡っていないっぽいことだ。
山道ですれ違うとき、道が狭かったら行き交う人のどちらかが道を譲らなければならないわけだが、山道では原則登る側を優先するというルールがある(鎖場やハシゴは別)。これは主として安全上の理由からそうなっているわけで、ヤマレコユーザーの方々には常識のことだと思うが、一般にはどうも案外知られていない感じがする。
狭い山道を登っているときに下ってきた人と出くわし、私の感覚では当然下りの人が待ってくれそうなシチュエーションでもお構いなしに下ってこられ、登りのこちらが道を譲ってすれ違うというケースがけっこう頻繁にある。
登る側のほうが道を譲りやすい場所ならそうなるのもわかるが、明らかに下り側がちょっとそこで待ってくれれば、というような場合でも平気で下ってくる。狭量な私は道を譲りながら、内心「なんだかなぁ」という気になってしまう。
下りでも道を譲ってくれないのは若い人に多い。ただ、すれ違うときには「こんにちは」とか「もうちょっとです、頑張って!」などと声をかけてくれるから、どうやら悪気はないらしい。つまり、山のルールを知らないだけらしいのだ。
あるいは、道を譲ってくれる場合でも、谷側に立つ人も少なくない。これもよろしくないのはご承知の通りで、やはり安全上の理由から山側に立って道を譲るべきである。やはり若い人に多い。同じようにルールを知らないのだろう。
テレビでは登山をテーマにした番組が放送されているし、最近ではユーチューブで自分の山行の様子を動画配信している人も多く、まさに登山ブーム復活を思わせるものがあってまことに喜ばしいのだが、基本的なところがおろそかになっていると事故や遭難などが心配になってくる。
山の楽しさや魅力をアピールするのはけっこうなことなのだが、一方で、山での安全を担保するための基本的なルールも普及させていく必要があるように感じる。
かといって、いちいち「登り優先ですよ」などと、そのつど注意していくのもなんだかですしねぇ・・・。やっぱりテレビなどで啓発してくれることが大事かもしれません。。。
確かの登り優先の暗黙知は崩れているみたいです。
私たちがヘロヘロになって下っていると登ってくる登山者が道を譲ってくれます。
「登り優先ですからどうぞ。」と言うと「あっそうですか、どうも。」と言って登ってこられます。
ついでに言うなら
高速道路の追い越し車線を右ウィンカーで知らせても漫然と走っている乗用車。
交通法規を知らないんでしょうね。
こんにちは、コメントありがとうございます。
やはり同じようなご経験がおありなんですねー。あんまり“山道警察”みたいなことはいいたくないんですが、まったく意に介してない様子の人と出くわすと、ちょっと気になりますよね。
低い里山でも局所的にはけっこう傾斜が急で落石が起こりそうな場所はありますから、そういうところでどんどん下り優先でこられると、やっぱり軽く危険を感じます。ぜひ何とか基本的なルールはわきまえてもらいたいものですね。
確かに基本的には登り優先ですが、自分的にはある程度臨機応変でいいのかなと思っています。
登りでかなり疲れているときに、結構上で待たれると「あまり待たせちゃマズいから早く登らなきゃ!」とつい急ぎがちになります。
(自分が下りの立場で同じシチュエーションになった場合は、「ゆっくりでいいですよ」とお声がけするようにしていますが)
なので、そういった場合は下りの人に先に行ってもらったりします。
こんにちは、コメントありがとうございます。
臨機応変、もちろん私も同意見です。あくまでも原則論としての登り優先と私も考えています。
なので、状況次第では下りの人に先に行ってもらっても全然かまわないと思います。ただ、問題はその「状況次第」が人によってけっこう判断に差があるかもしれないことですが(笑)。
自分が登りで疲れているとき、下りの人が待ってくれていても、急いで登る必要はないと私は思っています。MonsieurKudoさんがお待ちのとき「ゆっくりでいいですよ」と声かけされるのと同じように、きっと譲ってくれた人もゆっくりでいいと思っていらっしゃると思います(譲ってくれるくらいですから)。焦らず登らせてもらいましょう(#^^#)
私も山歩きをはじめた頃は登山の暗黙のルールを知りませんでした。皆さんにご迷惑をかけていたかも知れません(ハンセイ)
一般観光の方も登ってこられる観光地の山ではあるあるですね。
私は渋滞している下り階段でピッタリ後ろについてこられるのが怖いです。😅
こんにちは、コメントありがとうございます。
下りでピッタリうしろにつかれる――それはイヤですねー! 気分的にイヤなだけじゃなく、安全面でも好ましくないですね。万が一、うしろの人が転倒したり滑落したら将棋倒し的にこちらも倒されるかもしれませんから。
私が怖いと感じるのは、登り優先を守らないでどんどん下ってくるトレランの人ですね。石から石へ飛び渡るようにすごい勢いで走り下ってきて、登りの登山者を無視してすぐ横を通過していく人と稀れに出くわします。正直、怖いです。もしぶつけられたら、こっちが落っこちてしまいそうで。
いまやトレランは完全に市民権を得ていますし、ヤマレコユーザーのなかにも多くいらっしゃいますから、トレラン自体をやめてほしいとまではいいませんが、タイムよりも人間を気にしてほしいとは思いますね。互いを尊重し合うのでなければ、山でも街でも敬遠されてもしかたないと思います。
我が家は鈍足なので、原則から外れて申し訳ないですけど
下り優先で、大体登りの方に先に行っていただいております(笑)
なんというか声掛けが肝要かとは思うので
かわしますのでどうぞお先にって言ったり、休憩兼ねてますのでどうぞとか
こちらから声掛けしてる感じですが
まあ登り降りは置いといて、いかにスムースにすれ違うかですかね〜
面白い日記をありがとうございました
こんばんは、コメントありがとうございます。
> なんというか声掛けが肝要かとは思うので
> こちらから声掛けしてる感じですが
なるほど、流石ですね。ご自分のほうから積極的に声掛けされているのでしたら、十分配慮になっていますから素晴らしいですね。私はなかなか積極的に声掛けできずで・・・(#^^#)
登り優先は、落石や滑落、万が一衝突したときのダメージなどから原則登り優先になっているかと思います。加えて、一般論としては登りのほうがシンドイですから、より苦しいほうの人を余裕のある側が尊重するという一種の思いやりの精神みたいな意味合いもあると教わったことがあります。
みんながnandoさんのように相手を慮ると、きっとトラブルも生じないだろうなと思いました。ありがとうございました。
「山では登り優先」ではありません。
一般的には、足元を見ながら歩いていると登りの登山者の場合は視線を上げないと対向の登山者に気付きませんが、下りの登山者の場合は対向の登ってくる登山者に気付き易い。先に気付くから、広く避け易い所をさがしやすい、ってトコロでしょう。
基本的には安全に擦違える所にいる方が道を譲るのが正解です。
狭く急峻な岩場を下り中に、下から上方を確認もしないで「登り優先!登り優先!」と、目の前の鎖にしがみつくのに必死で登ってくる登山者がいたら、上方から岩を蹴落として「ラクっ!」って叫んでやりたい。実際にやったら殺人未遂なのでやりませんが。
実際の場合だと、下側の登山者が広い所にいる時に「すみません、そこで待ってもらえますかっ!」と声を掛けるくらいですけど。
「登り優先」って、どこから出た話しなのか?こんなルールモドキを信じている人が未だにいるのがオドロキです。
逆に、登山道で道を譲る場合は山側に、ザックは後ろ側に、って当たり前のルール(ちゃんと理由があります)が周智せれていないのもナンダカナァです。
コメント恐れ入ります。
日記をよくお読みいただくと、絶対に登り優先にせよとはいっていないことをご理解いただけるかと思います。あくまで「原則」です。登る側のほうが安全に譲りやすければそうすればいいのは当然のことです。
おっしゃるように、山では登る人より下る人のほうが相手に気づきやすかったり、対向者がいるときにラクが起こったら登る人のほうによりリスクが高いなどの事情があります。
そのため、そういう事情をひっくるめて「登り優先」と端的にいわれているわけです。なので、決して「ルールモドキ」じゃないと思いますよ。
譲る場合は山側に、ザックは後ろ側にもその通りだと思います。ザックの向きは書いていませんが、山側については私も言及しています。
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