先日、少し厳しい期限でやらなければならない仕事があったのですが、終わりかけの段階でやり直しになりました。
ちなみにこっちの過失はゼロです。
まあ、職種を問わず仕事をしていればよくある話だと思います。
終業時間のかなり前だったのですが、すっかりやる気を無くした僕は皆に「ジタバタしてもしょうがないし今日はもう帰ろーぜwww」と声を掛けてサッサと帰りました。
帰り道に危うくやめていたお酒に手を出すところでした。危ない危ない。
翌日から色々検討しながら皆の頑張りでリカバーしていき、最終的に被害を最小限に食い止めることが出来たので大事には至らなかったのですが、久しぶりに心が折れそうになる出来事でした。
今回は仕事でしたが、もしも山の中で心が折れたり諦めたりするとしたらどのような場面なのか?僕にもいつかその時が来るのではないか?最近は仕事中も頭の中はお山の事ばかりなので、ついそんな事を考えてしまいました。
登山を始めてから、ほぼ一般ルートの日帰りハイキングしか経験していませんし、楽しかった思い出しかないので想像するしかないのですが、やはり遭難して水や食料が尽きて気力や体力も無くなり身体が動かなくなった時なのでしょうか。
もしそうなったら、いやそうなる前に僕の心は簡単にポキッと折れると思います。
山岳遭難に関する執筆の多いフリーライターの羽根田治氏が言ってましたが、沢山取材をした中で分かったのが、遭難者の生死を分けるのは絶対に生きて帰ると言う気持ちの強さ、生への執着が大きいとの事です。
言われてみればこれは当たり前の事ですよね。
死ぬかもしれないと感じた時にすぐ諦めるのと、死ぬかもしれないけどそれまでは出来ることは何でもやってやる、と足掻くのでは、結果は同じかも知れませんしほんの僅かの差かも知れませんが、後者の方が生存率は高くなるはずです。
しかし、強い気持ちを持てと言われても僕のような自分に甘い軟弱者には簡単な事ではありません。
では、どうすれば良いのでしょうか。
心の芯が細いのなら何かしらで補強するしかありません。
やはり、計画と装備と心構えの事前準備でカバーするしかないと思います。
まずは遭難しない為にどうするか、次に遭難しそうになった時にどうするか、そして遭難した時にどうするか。
この流れを事前に想定し、しっかりと準備が出来るならば、イザそうなった時にパニックにならず落ち着いて対処出来ると思います。
心に余裕がある→心が折れるまでの猶予がある、となりそうなのでこの差は大きいと思いますし、有事の際に冷静でいられることによるアドバンテージも大きいと思います。
とは言え、初心者にはその事前準備がとても難しいのです。
装備は揃えられたとしても、心構えと有事を想定する能力はある程度の経験がないと無理な気がします。使える選択肢の数も全然違うと思います。
て言うか、それが出来るからこその上級者であり熟練者なのだと思います。
これは僕の偏見もありますし、こうであって欲しいと言う願望もありますが、長年登山をされている上級者・熟練者と呼ばれる方々は、その豊富な経験に基づく心構え・想定力により補強された芯の太い心を持っていて、きっとどんな場面でも心が折れる事は無いのではないでしょうか。
個々の山行スタイルによって大小の違いは有ると思いますが、楽しい時間よりも辛く苦しい時間の方が圧倒的に多いのが登山だと思います。
それを何百回・何十年と続ける事が出来るのも強い心を持つその証拠の一つだと思います。
いや、続けることにより少しずつ強い心を身に着けたと言うべきでしょうか。
登山に限らず一つのことをやり続ける事はとても難しいと思います。それが生きることに必要で無い事ならば尚更です。
山の中では勿論ですが私生活でも沢山の障害がある中で、それを乗り越えながら長年山に行き続ける事は「好きだから」の一言で片付けられない何かを皆それぞれが持っているからではないでしょうか。
それが海外の八千メートル級の山であろうと近所の千メートルに満たない低山であろうと僕にとっては皆上級者・熟練者であり、そんな方達が山の中で心が折れる場面はとても想像出来ません。
登山を初めてまだ間も無いのに知ったような口を聞くな、と叱られてしまいそうですが、願わくばこの先も登山を続けていき、一つずつ障害を乗り越えながらどんな状況になっても折れない心を育てていきたいと思います。
想像するにあまりあります
その後、腐る事無く(少なくとも表面上)リカバリーを成し終えて、本当に偉いと思います
上司たる者、仕事は完成させて当たり前と周りは思いますが、どんなに苦労して完成させても褒めてもらえないのは、少し、いやかなり堪えます
なので、しろちゃんさんの頑張りを褒めたいと思います
本当にお疲れ様でした
閑話休題
「気持ちの問題」
私も羽根田治氏の本はほとんど読んでいます
(5月17日発売の本も買うつもりです)
氏は「遭難するか助かるかは最後は運」とも述べています
ただ、運を引き寄せるのは必ず生きて帰るという強い意志だと思います
仰る通り事前順番は必要です
それでも何故か遭難してしまう事がある、その時生死を分けるのが「気持ち」なのだと思っています
幸い私はこれまで遭難するかも、と感じた事はありません
これから先もそうならない様に、山行予定は家族に告げてから山へ行きます
折れない心をどう育てるか?の答えにはなっていませんが「山では死なない」とだけはいつも誓っています
おはようございます。
お褒めに預かり光栄です。
褒められたいが為に仕事をしている訳ではありませんが、苦労を共感して頂けたり頑張りを褒めて貰えるとやはり嬉しいものですね😊
どうも有難うございます。
そして、持つべきものは優秀な部下達です。上司が駄目でも何とかなるものです😁
心の強さは持って生まれたものが大きかったり、育った環境によって各々違うものだと思いますし、その強弱は実際に極限状態にならないと分からないものだと思います。
まだ心に余裕のある時の強さは本当の強さとは言えないと思いますが、余裕があることで強くなれるのならば、余裕を作る為に努力する事で弱い心をカバーする事が出来るのではないでしょうか。
そして、それが強い心を育てることにも繋がっていくような気がします。
「山では死なない」
簡潔明瞭であり、全てが詰まっている言葉だと思います。
今の自分がこの言葉の意味や重さをどこまで理解出来ているのかはっきり分かりませんが、心に刻みつけながらこれからも山を歩いて行きたいと思います。
コメント有難うございました。
お仕事お疲れ様です。責任ある立場での仕事は本当に大変だろうと思います。
山で窮地に立たされた人の心は意外と折れないものです。私自身の経験ですが。
5年ほど前のGWに白毛門から巻機山へと縦走した時の事です。2日目に柄沢山を越えて米子頭山付近で、自分の不注意で雪を踏み抜き転倒。その時に膝をひねり、内側の靭帯を痛めました。
実は15年ほど前にも左足の膝の靭帯を痛めた経験があるのですぐに分かりました。今度は右足です。膝の内側でプチッと何かが切れた感覚がありました。
これはまずい事になった。しかもこんな山奥で。楽しい縦走が一気に暗転しました。
この時は痛みはさほどでもなく、じっとしている訳にもいかないのでとにかく前進。
まだ午後も早い時間でしたが、巻機山手前の鞍部にテン泊しました。
予想通り夕方になると痛みが強くなり、これはSOSした方が良いのではないかと真剣に考えました。
でも自分の場合はとにかく自力で下山したい。
救助隊の世話にはなりたくないし、自分をネタにされて記事を書かれるのもゴメンだという気持ちがひじょうに強かったです。
とにかく明日の事は明日だと開き直り寝ました。
翌朝試しに歩いてみると何とかなりそうなので自力での下山を決意。
牛歩のようにゆっくり歩いて巻機山頂上に登り、出発から6時間後に清水に下山した時は心底安心しました。
そして白毛門登山口に置いたクルマを回収し、自宅に着いた時には膝が猛烈に痛み出してまともに歩けませんでした。
後日医師にその話をすると「登山中はアドレナリンの影響で痛みは感じなかったのでは」と言われました。
この時の無理が祟ったのか、膝が完治するまでに半年間を要しました。
山岳救助隊が書いた本を何冊か持ってます。
その本に「山は嬉しい事もあれば辛い事もある。それらの経験を実生活に生かして頑張れる人こそ真の山男であると我々は信じている」という文章があります。
私はその文章を読んだ時、恥ずかしくなりました。
単なる趣味の登山に命をかけて登り、たしかに嬉しい事や辛い事をたくさん経験しました。
しかし実生活では辛い事から逃げてばかり。転職も何回繰り返した事か。もっと頑張るべきだったなと。後悔先に立たずですが。
私は社会人としても山男としても失格だと、つくづく思いました。
すみません、長くなりました。駄文をお許し下さい。
お互いご安全に!
こんばんは。
飾らない言葉、飾らない文章で当時の不安や葛藤や決断や事後の後悔まで赤裸々に書かれたコメントを読み進めるうちに、胸が締め付けられるような何とも言えない気持ちになりました。
これが心の琴線に触れるという事なのでしょうか。
どんな著名な作家が書く文章よりも感銘を受けました。僕には勿体ないお話しです。有難うございます。
話したい事は沢山あるのですが、残念ながら頂いた言葉に相等する返信をするには僕の語彙力や文章力では到底足りません。
ただ、感謝するしかないのですが、一言だけ言わせて頂きます。
山が常に優先順位の上位にあり、人生の殆どを山と共に過ごす。決して楽しい事ばかりではないのは承知してますが、そんな人生に憧れ、そんな人生を心の底から羨ましいと思う男がここにいる事を是非知って欲しいと思います😊
コメント有難うございました。
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