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Yamareco

記録ID: 1108583
全員に公開
ハイキング
関東

竜神峡 明山 北東尾根(バリエーションルート)

2017年04月16日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
03:43
距離
6.6km
登り
807m
下り
818m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
3:17
休憩
0:21
合計
3:38
12:42
108
14:30
14:44
38
15:22
15:29
51
16:20
竜神ダム
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2017年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
亀が淵へは、吊橋ではなくてダムを目指してください。竜神大吊橋より少し袋田寄りに竜神ダムへの登り口があります。
竜神ダム横に約10台ほど止められます。一番奥は大型車(バス)用なので空けておきましょう。
ここで満車の場合、ひとつ手前のおそばやさん「竜亭」前にもう少し止められます。
さらに登り口にも駐車場はありますが、ここからはひと歩きですね。
コース状況/
危険箇所等
明山北東尾根はバリエーションルートです。道はありません。藪こぎと崩れやすい岩場の登はんがありますので、慣れてない方にはお勧めはしません。詳細につきましては筆者の過去の山行記録をごらんいただければ幸甚です。
[リンク]
(冬季 ルート説明があります)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-566561.html

(参考 春季、ルート説明は冬季の記録へリンクしてあるだけです)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-637413.html

一般ルートの場合、明山へは亀ヶ淵から竜神川を渡り、登っていくのですが、前日に雨が降ったりして竜神川の水量が多いと、亀ヶ淵の渡渉がやや困難になります。ただし通常の水量であれば、雨のあとでもミドルカット以上の靴であれば浅瀬を選べば足を濡らさずに渡れます。激しい増水の時には登山中止が賢いでしょう。

亀ヶ淵渡渉からの最初の登りが、本来の登山道が枯葉が積もり、しかも雨水の通り道になっており、非常に滑りやすくなっております。注意を要します。
その他周辺情報 アクセス情報に記したように、ダム駐車場の少し手前におそばやさん「竜亭」があります。筆者はここのおそばの味が好きです。閉店時刻はかなり早い模様です(明るいうち?)。
竜神峡定点観測。水がたっぷりたまっていた。天気もいい。足許には草花。見上げればヤブツバキの赤い花
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竜神峡定点観測。水がたっぷりたまっていた。天気もいい。足許には草花。見上げればヤブツバキの赤い花
やがて、明山の北東尾根が全貌を現す。
やがて、明山の北東尾根が全貌を現す。
亀が淵山が見えてくると、取り付き(亀が淵)はもうすぐだ。
亀が淵山が見えてくると、取り付き(亀が淵)はもうすぐだ。
亀が淵から北東尾根末端に取り付く。まずは藪こぎの急登をこなす。ここは相当厳しかったのだが、最近は踏み跡がずいぶん付いてしまって気がする。
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亀が淵から北東尾根末端に取り付く。まずは藪こぎの急登をこなす。ここは相当厳しかったのだが、最近は踏み跡がずいぶん付いてしまって気がする。
いったん尾根まで出ればかなり快適になる。下りになっても慌てず、ひたすら尾根筋をたどる。
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いったん尾根まで出ればかなり快適になる。下りになっても慌てず、ひたすら尾根筋をたどる。
イワウチワ?に励まされる。
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イワウチワ?に励まされる。
軽い藪がちの尾根をたどると岩場が出る。今回も第二課題は登れずに巻いた。
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軽い藪がちの尾根をたどると岩場が出る。今回も第二課題は登れずに巻いた。
核心部分が迫る
謎のツールはまだ残置されている。
謎のツールはまだ残置されている。
核心部分はかなり急で、もろい岩の登はんとなる。
核心部分はかなり急で、もろい岩の登はんとなる。
ただいま登はん中。
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ただいま登はん中。
潅木もなくなって、、
潅木もなくなって、、
あれを登るととりあえず稜線だ。ちょっと気持ちの悪いギャップを過ぎる。
あれを登るととりあえず稜線だ。ちょっと気持ちの悪いギャップを過ぎる。
稜線に出ても安心はできない。
稜線に出ても安心はできない。
手前が、筆者が勝手に命名しているところの烏帽子岩、明山のジャンダルム。その奥に見える松の木が、これまた筆者が勝手に命名しているところの松の木ギャップ。
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手前が、筆者が勝手に命名しているところの烏帽子岩、明山のジャンダルム。その奥に見える松の木が、これまた筆者が勝手に命名しているところの松の木ギャップ。
亀が淵山南稜。左手奥は中武生山か。
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亀が淵山南稜。左手奥は中武生山か。
竜神川を中武生方面?
竜神川を中武生方面?
かなたに竜神大吊橋。
かなたに竜神大吊橋。
おかめ山はどちらだろう?
おかめ山はどちらだろう?
さて、山頂を目指そう。まずは2mほどの崩れやすいクライムダウン。
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さて、山頂を目指そう。まずは2mほどの崩れやすいクライムダウン。
烏帽子岩(筆者勝手に命名)へ登り返す。
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烏帽子岩(筆者勝手に命名)へ登り返す。
その烏帽子岩からたどってきた北東尾根を振り返る。
その烏帽子岩からたどってきた北東尾根を振り返る。
松の木ギャップ手前から烏帽子岩(筆者勝手に命名)を振り返る。うん、ジャンダルムよりも格好良いかもしれない。
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松の木ギャップ手前から烏帽子岩(筆者勝手に命名)を振り返る。うん、ジャンダルムよりも格好良いかもしれない。
松の木ギャップ南側のクラック。一度ギャップの下にクライムダウンして登り直してもいい。ただ今回は松の木を使ってギャップをまたぐことにした。
松の木ギャップ南側のクラック。一度ギャップの下にクライムダウンして登り直してもいい。ただ今回は松の木を使ってギャップをまたぐことにした。
股間がスースーする。
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股間がスースーする。
無事通過した。
スミレに祝福された。ありがとう。
スミレに祝福された。ありがとう。
ここからは一応安全地帯だが、両側はスパッと切れ落ちている。
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ここからは一応安全地帯だが、両側はスパッと切れ落ちている。
最後にひと藪くぐって、、
最後にひと藪くぐって、、
山頂到着。
かつてあった山名板が持ち去られていたか付け替え中か、無い。なんだかさびしい。
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かつてあった山名板が持ち去られていたか付け替え中か、無い。なんだかさびしい。
山頂から見る盟主男体山。さあ、下山しよう。
山頂から見る盟主男体山。さあ、下山しよう。
下山中に、改めて今回攀じた核心部分を振り返った。いつか、あの北壁に固定ロープをセットして登るのもありかもしれない。
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下山中に、改めて今回攀じた核心部分を振り返った。いつか、あの北壁に固定ロープをセットして登るのもありかもしれない。
ヤマザクラはほぼゼロだった。登山中にサクラの木はずいぶんと見かけたのだが、まだ芽も出ていなかった。
ヤマザクラはほぼゼロだった。登山中にサクラの木はずいぶんと見かけたのだが、まだ芽も出ていなかった。
桜はまだだったが、亀が淵へ下る谷まではさまざまな草花に励まされた。
桜はまだだったが、亀が淵へ下る谷まではさまざまな草花に励まされた。
ニリンソウを見るのは、実はこの山域では初めてだ。
ニリンソウを見るのは、実はこの山域では初めてだ。
何の花だろう?
天然のガーデニングをくぐってひと歩きで亀が淵へ。この最後の亀が淵への下りがずいぶんとぬかるんでいて難儀した。また今回は亀が淵の渡渉箇所の水量も多目であった。
天然のガーデニングをくぐってひと歩きで亀が淵へ。この最後の亀が淵への下りがずいぶんとぬかるんでいて難儀した。また今回は亀が淵の渡渉箇所の水量も多目であった。
竜神峡の林道を約4キロこつこつ歩くと、いつか登りたい竜神槍(筆者勝手に命名)が目に入った。間もなくダムである。
竜神峡の林道を約4キロこつこつ歩くと、いつか登りたい竜神槍(筆者勝手に命名)が目に入った。間もなくダムである。
竜神大吊橋といえばこいのぼり。今回の山行きでは、まだワイヤーが張られているだけであった。
竜神大吊橋といえばこいのぼり。今回の山行きでは、まだワイヤーが張られているだけであった。

装備

備考 登はん具を用意しましたが出番はありませんでした。ヘルメットはかぶりました。
やぶこぎ用に雨具上下とゴム引き軍手(筆者は商品名「タフレッド」を愛用してます)、サングラスを着用しました。サングラスの代わりにゴーグルならなおいいかもしれません。靴は狭いフットホールドに立ち込める重登山靴を使用しました。

感想

さわやか信州号の今年の初夜行で、今年も横尾尾根に挑むことにした。昨年はチャンスがありながらしつこく調査しなかったのが悔やまれていたからだ。再挑戦ということのほかに、大型連休前の上高地に入ることは静かな登山を楽しむことが出来てきっと気持ちいい。無論天候次第だが。年によってはこの時期吹雪で横尾から先入山禁止になったこともあった。

先の奥久慈パノラマラインで書いたように、トレーニング+モチベーション不足だったのだが、日が長くなって、気温も高くなってから何とかジョギングを再開し、いくらか動けるようになった。春山登山の最終調整になにかピリッとしたことをしておこう。特によじることの怖さに体を慣らそうというわけで、比較的アプローチが楽で、バリエーションの匂いのする明山北東尾根を登ることにした。出来れば那須岳まで行きたいところだったが、当日午前中は雑用があって時間が無かったのだ。

竜神峡へ入るのも約1年ぶりである。しかし前回は連休があけてから、竜神ダムー男体山往復に成功したときである。5月の中旬ともなればかなり新緑が勢いを増していたが、今回はまだ4月の半ばである。新緑も控えめだった。定点撮影している竜神峡の景色も、どちらかというと冬山の表情に近かった。

それでも、足元には様々な草花が咲いており、春は間違えなく到来していた。

暫くたつと、明山北東尾根がその姿を現してくる。さすがに3回目の登はんとなると、挑戦感や、高揚感は少なくなってくるけれども、岩稜は岩稜である。頭に血が上ってくるのもわかる。また亀が淵山も頭のてっぺんを出してきて、今回の登山が間もなく始まることを合図している。

なお亀が淵山が特に格好いいのは、かご岩山縦走路の途中にある一枚岩から見る姿だろう。始めてあの鉛筆のキャップみたいな容貌を見たときは登はん欲をかきたてられたものだ。

亀が淵までこつこつ歩くと、雨具上下を着て身支度し、廃道の橋を渡ってから藪に取り付いた。亀が淵からの藪こぎは、序盤が一番きつい。かなりの急登であるし、笹薮も深い。もっとも今回は自分が思っていた以上にこの序盤の藪こぎが楽だった。踏み跡が付いていたといってもいいくらいであった。ずいぶん本ルートもメジャーになってきたということか。そういえば同じくバリエーションルートで藪こぎがきつかった亀が淵山も最近はテープもたくさん付いているし、山名板も付いたらしくてバリエーションルートではなくなった感もある。

藪こぎの急登を登って、一段落付いたかと思うと、もう一度崩れやすい土付きの急登をこなし、初めて本当に尾根筋に出る。尾根筋に出ると序盤の藪こぎとは打って変わって明るい尾根筋になるなどとかつては書いたが、今回は尾根筋こそけものみちで鮮明であったが、ところどころやぶなところもあるし、谷底へ降りていくようなところもあって、ルートファインディングは必ずしも楽ではないなあと感じた。最近山登りしていないから藪能力が低下したのかなどとも考えた。ちなみに谷底に降りていくような道であっても、尾根筋をたどっている限り、すぐに登り返しになるのだ。藪がちな尾根が紛れを生んでいるけれど惑わされないように。

その尾根に前回2015年5月の登山では発見できなかったイワウチワを発見した。尾根筋で花を見た記憶は無かったので、これには励まされた。踏みつけないようにしながら歩かなくては。

思いがけなく草花の歓迎を受けたものの、当初期待していた山桜はまったく不発だった。ダムまで車を走らせている間は、麓の県道沿いにソメイヨシノなどが実に美しく咲いていたので、登山中もさぞやサクラで目を楽しませるだろうと期待していたのだが、取り付きの竜神挟からして、開花中のサクラの木は本当に数えられるほどしかなかった。この山域にはサクラの木は無いのかと思った。ところが北東尾根を歩いてみると、あちらにもこちらにもサクラの木があった。しかしそれらのうち何割かはすでに枯れ木となっていた。また残りの元気そうな木も、まだ花芽の気配さえなかった。暖かくなってきたとはいえ、竜神峡奥地はまだ冬の中のようである。

辛抱強く尾根を歩いていくとやがて登はんが始まった。まずは簡単に岩に乗るところから始まるのである。ここで筆者が第二課題と呼んでいる2個目の岩に挑んだ。前回は後一手が足りず、諦めて巻いたところだ。今回は何とかと考えていたのだが、やっぱりあと一手というところでうまくいかなかった。前回ここで体力をかなり消耗したことを、まだ覚えているので、今回は早々に諦めて巻くことにした。宿題の提出は持ち越しだ。

課題の岩を過ぎると緩めの登はんが始まり、ちょっとした潅木帯に出る。ここには長い竿の先に熊手のようなツールを取り付けたものが残置されているのだが、果たして今回も残置されていた。また岩場にはところどころ鳥の羽毛が産卵しており、猛禽の饗宴の場でもあることが伺われる。

そして登はんの核心部分へ到着した。木の生えていない岩壁だ。ところどころ90度に近い傾斜がある。3回目とはいえ、もろい岩肌は何度向かい合っても怖い。間違っても不用意にホールドをとりにいかないようにしながら高度を稼いだ。春山本番の前に、このような怖さと向かい合っておくことは意味のあることだろう。

恐怖心と向き合い、慎重に行動することを再確認しながら、稜線まであと一息のところまでやってきた。登はん中にはそう意識しなかったのであるが、稜線に上がる前に、ちょっといやらしいギャップをまたいだ。実はこれが北東尾根にある3箇所のギャップのうちの1番目だったのだ。

かくて稜線に出た。明山方面を見ると、竜神挟のジャンダルムと筆者が勝手に思っているところの、これも筆者が勝手に命名しているところの烏帽子岩が見える。そして烏帽子岩の向こうに、いまだに筆者が山頂側からは越えたことが無い、松の木ギャップ(これも筆者が勝手に命名)、更にその先に円錐形の均整の取れた山頂が一直線に目に入ってくる。振り返ってぐるり一望すれば、亀が淵山南稜、武生山と竜神挟奥地の渓谷を擁する山々(川自身は見えない)、そしてはるか向こうには男体山がそびえている。反対の方角には小さく竜神大吊橋がその水色の橋梁を覗かせている。手前には、きっとおかめ山が見えているのであろうが、筆者にはそれが区別できない。

さて、山頂を目指そう。まずは烏帽子岩(筆者勝手に命名)の小登はんだ。ここにくると眺望はいっそう良くなる。亀が淵山南稜を見ながら、自分が登ってきた尾根筋が目に入る。絶景だ。絶景だが、なぜかここに長居したいという気持ちにはならなかった。ここで食べるためにとわざわざおむすびまで買ってきたのに。早く安全な山頂まで行って、この暑い藪こぎ用の雨具を脱ぎ、からからになった喉を水で潤したいという気持ちが勝ってしまった。このあたりにも、最近のモチベーション不足が伺われる。

烏帽子岩(筆者勝手に命名)から稜線の終盤部分である松の木ギャップへ向かうには、気持ちの悪いクライムダウンをこなさなければならない。距離は2mほどであるが、滑ればそのさらに下の急斜面を一気に落ちるだろう。この気持ち悪いクライムダウンを過ぎると、松の木ギャップの取り付きとなる。安全圏まであと一息だ。

松の木ギャップは文字通り松の木の生えているギャップを越えて、反対側の急斜面へ取り付くのだ。ギャップはちょっと幅があるので、いきなりまたぐということは出来ない。登りの場合、この急斜面へ取り付きやすいのだが、下りの場合は不安定な姿勢から反対側へ移るので実に気持ち悪いのだ。筆者はまだ山頂側からこのギャップの通過には成功していない。

登りにおける松の木ギャップの通過方法は少なくとも二通りある。ひとつは、松の木に乗ってしまってそこから反対の岩壁に移る方法だ。もっとも単純明快な方法である。ここ何年かで松の枝も太く成長してきたので安定感も増してきた感がある。もうひとつの方法はいったんギャップのそこまでクライムダウンしてから登り返す方法だ。ギャップの南側にクラックが走っており、このクラックをうまく使いながら登り返すと、比較的安定に安全圏まで到達する。前回2015年の登はんでは登り返しを選択したので、今回は手数が少ない松の木に載る方法を選んだ。松ノ木の太い枝に乗り、反対の急斜面へ足を置くと、股間の下には断崖が広がり、最後の最後で事故を起こさないようにと慎重になった。登りのほうが楽とはいえ、ここからの登り返しの1、2手があまり安定していないのだ。安易にホールドをとらないようにしつつも、あまりぐずぐずしてホールドを崩さないようにして、安定している潅木の幹をつかんだ。始めてこのルートをつかんだとき、これで死なないで済むだろうという安堵感と、長年の憧れのコースをついにやったという達成感で、叫び声をあげたところである。もうあれから2年半もたつのかという懐かしさに浸った。スミレが祝福してくれた。

けれども山頂はまだ先である。急ごう。安全地帯と入っても、まだやせ尾根の上にいることには変わらない。潅木をよけた表紙にバランスを崩して墜落なんていうばかばかしい事故を起こさないように手がかり足がかりをしっかり確かめつつ、やせ尾根を通過した。そして最後の軽い藪こぎをこなして山頂へ達した。ちなみにこの藪は登頂者が用を足すために使うことが多いのでそっちにも気をつけなければならない、、、。

暑い、ぽかぽか陽気なのに藪こぎ用に雨具を上下着込んでいるのだから。まずこれを脱いだ。もう下に来ていたシャツ類は雨にでも降られたような状態になっている。当然喉はからからで、持参した飲み水を一気に飲んで、ようやく一息ついた。烏帽子岩で食べるはずのおにぎりがようやく喉を通った。

山頂では気になっていることがひとつある。山名板が無いことだ。かつては山楽会の方が取り付けてくださったかわいい山名板が迎えてくれたものであるが、今回は何もない。こんな公的なものを持ち帰っても他人に自慢も出来ずあまり意味が無いような気がするのだが。それとも持ち帰ったのは山楽会さん自身で、更新のために取り外したのだろうか。出来ればそうであってほしい。

明山山頂からは男体山の雄姿がよりはっきり見える気がする。またいつかあそこまでいければいいのだが、などと考えるのは、登頂して山へのモチベーションが少し回復したか。これなら来週の北アルプスもいけるかな?さて、下山しよう。

下山は固定ロープの張られたコースを慎重に、なおかつ動きがぎこちなくならないように気をつけながら下っていった。急斜面を通過して、登山道に出るのにあまり時間はかからなかった。降りてしまえば、あとはどんどん歩くだけだが、ここで振り返る北東尾根はその険しさがひときわ目立つ。あそこを攀じ、たどったことが信じられないくらいだ。その山容の峻険な様をもう一度目に焼き付けてから、下山を急いだ。

三つ葉峠を過ぎて暫く沢筋を下っていくが、ここでは幾種類かのかわいい草花に迎えられた。中には、ここで見るのは初めてとなるニリンソウまであった。春には草花、秋には紅葉とキノコに迎えられる楽しいところである。この渓谷を抜けて、崩落した箇所を交わしながら登山道を下り、天然ガーデニングの緑のトンネルをくぐれば、亀が淵へ降りる最後の下りだ。さほどの難所ではないのだが、枯葉と腐葉土が積もった上を水が流れており、足元が悪くなっていた。ぐらぐらになった手すりを使いつつ、滑りやすくなった(半天然の?)石段を降りて亀が淵に到着した。水量が多かったのでより浅瀬になる場所を求めて少し川を下ったのち対岸に渡渉し、少しもぐりやすい砂地を歩いたのち、最後にゆるい斜面を林道に上がったのだが、ここは亀が淵で速やかに渡渉してもよかっただろう。

あとは林道を竜神ダムへ向けて約4キロの道のりをブユを追い払いつつ根気よく歩くだけだ。4月の連休前だから、まだ虫も出ていないだろうと思っていたのだが。甘かった。もっとも夏に亀が淵に来ると、山パンツが真っ黒になるほどのブユの歓迎を受けるので、それから比べるといないようなものなのだが。

林道脇の草むらをメスのキジがうろついていた。間合いを取る名人で、安全圏とわかれば悠然とえさ探しをしているが、こちらが接近や写真撮影の意思を示すとさっと土手を下ってしまうのだ。

まもなく竜神ダムというところで、最後の見もの、竜神槍(これも筆者勝手に命名)が目に入ってきた。これが見えるとゴールは間近だ。いつかこの竜神槍にも登ってみたい。山頂に東屋らしきものが見えたりするから、吊橋側の駐車場から入山すればきっと道があるのだろう。

竜神槍の尖った峰を楽しむと程なくして竜神大吊橋の下を通過した。すっかり定着したバンジージャンプは本日も営業していた。もうひとつの吊橋の名物であるこいのぼりは、さすがに4月中盤では早すぎて見られなかった。まだこいのぼり用のワイヤーが谷に渡してあるだけであった。まもなく駐車場だ。喉がからからだ。

・・・

これを最終調整として、来週末は北アルプスの雪山に挑む。今年は昨年と違って残雪が多いらしい。

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