上高地から蝶が岳往復(往路:横尾、復路:徳沢 経由)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 23.5km
- 登り
- 1,270m
- 下り
- 1,256m
コースタイム
天候 | 1日目・3日目:快晴 2日目:くもりのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
上高地 → 平湯温泉 : 特急路線バス(濃飛バス) \1160 平湯温泉 → 松本 : 特急路線バス(濃飛バス) \2370 松本 → 八王子 : 特急列車(JR) \5510(自由席) |
コース状況/ 危険箇所等 |
横尾→稜線、蝶→徳澤共に2000メートル前後より上は残雪あり、特に横尾からは樹林の日陰が多く人通りの少なさから残雪多めです。 |
その他周辺情報 | 平湯温泉「ひらゆの森」 日帰り入浴 ¥500 露天風呂もあり綺麗なお風呂でした。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
上高地、それは日本が誇る山岳リゾートであり、一年を通して多くのクライマーが集う北アルプスの玄関口であります。自分も登山を再開してから早5年ほど経ち、いつかとは思いながらなかなか来ることが出来ませんでしたが、この度A先輩およびご家族(ラ○ドネ隊長、ちー主任)のお供としてその機を得、早朝の上高地バスターミナルへ降り立ったのでした。
高原特有のひんやりとした空気のなか、周囲を見回すと針葉樹林の向こうに頂きに雪を纏った山々が連なり佇む様は、以前”観光旅行”で訪れたヨーロッパ・アルプスのシャモニーに居るような錯覚を覚えましたが、ここは確かに日本なのです。かつてウェストンがこの山々を”日本のアルプス”であると紹介したこともうなづけます。
軽く朝食を済ませたあと、まずは徳澤に向かって歩き始めます。先輩方は当然、上高地など何度も来たことがあるためにサクサク行ってしまいますが、自分は何しろイメージ画像でしか知らなかった風景が想像以上のリアリティーで周囲に広がっているためすっかりハイになってカメラ係であることも手伝い遅れがちに着いていきます。
明神館を過ぎ、良いペースで徳澤園に到着しました。ここは井上靖の山岳小説にも登場したお宿と言うことで、歴史ある風格を漂わせる建物でしたが、隣接の食堂ではソフトクリームが人気という時代の流れを感じさせます。呆オサレ山雑誌の愛読者であるラ○ドネ隊長はスイーツを所望しますがさすがに朝からそれはないだろうと断念いただきました。
本来、蝶ヶ岳へはこの徳澤から登るのがスタンダードのようですが、我々は次の横尾から上る予定にしておりました。この時期はまだ2000メートルくらいから斜面には残雪があるので、登り時間が短い横尾の方が楽だろうという安易な思い付きでしたが、今思うと失策だったのかもしれません。
横尾に着き小休止の後、いよいよ本格的な登りが始まりました。30分ほど歩くとベンチがあり、振り向くと木々の切れ間から槍ヶ岳を望む槍見台に到着です。ただ、ここまでの登りでA先輩は既に遅れぎみになっています。どうやらグループで最高齢なのに一番荷物を背負い、なおかつ前日までの連続勤務のお疲れが如実に出ている様です。荷物を分けて負担軽減を図りますが、山道の傾斜はさらにキツくなり、先の見通しのない樹林帯で、2000メートル前後からはバッチリ残雪があり、踏み抜き等が地味に着実に体力を奪います。更に最後の方は道らしきものも見えずリボンやマーキングを頼りに、先の見えない樹林の中、とにかく雪の斜面をジグザグに登るという状況でした。が、お元気な先行者の方の姿に引っ張られて稜線にたどり着いたのは自分と、元バレー部出身のちー主任だけでした。
そう、登ることに気を取られ、遅れ気味だったA先輩とラ○ドネ隊長がさらに遅れて見えなくなっている事をすっかり失念していた我々なのでした。パーティ登山として”遅い人に合わせる”大原則が抜け落ちるというあるまじき状況ですが、起こってしまったことは仕方ありません。振り向けば、噂に違わず穂高、大キレット、槍などの白い峰々が大パノラマで広がっていました。
まずは落ち着いて、私とちー主任はお互い大パノラマをバックに定番の絵になる写真を一通り撮った後、自分は分岐に荷物を置いてA先輩方の元へ戻る事にしたのですが、意外に近くまで来ていたようで、ほどなく合流することができたのでした。
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翌朝、蝶が岳ヒュッテのテント場では、予報の通りに3時くらいから強風となり目が覚めました。となると寝てもいられませんので、4時半頃に起き出して、テントのペグを確認して近くの蝶が岳山頂へ向かう事にしました。なかなか歩くのも辛い強風の中、山頂でしばし待っていると朝日が見え始めました・・・のと眼下のテント場で
A先輩のテントが強風にあおられて半壊するのがほぼ同時でした。あわててテント場へ戻りますが前室にあったブルーシート等は風に奪われ戻ってきませんでした。
結局、風も止まずに雲行きも怪しいので、テントを撤収し、山荘の土間をお借りして
朝食をいただき、本日は早々に上高地へ下山することにしたのでした。
蝶が岳からの下りに使ったルートは、距離が長めなので登りには回避した長堀尾根でしたが、歩いた感じでは、確かに残雪は横尾からの道と同様にありましたが、やはりこちらは歩く人が多いようで踏み後も分かりやすく、最後の高度差300メートルほどは傾斜も緩くなるために、残雪のある時期ではむしろこちらの方が良かったのでは・・・という反省が残る結果となりました。
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徳沢に到着する間近となって、下界でも雨が降り出し、本降りとなりました。
徳沢園ではラ○ドネ隊長念願のソフトクリームと暖かい食事を頂いたものの、今晩の雨中のテント泊を思うと、誰もが言葉少なげに小梨平へ向けて歩を進めておりました。が、途中休憩した明神館で、テント信奉者のA先輩がまさかのバンガロー泊を提案し、幸いに空室もあったため、その日は前日とは打って変わって屋根の下で布団で寝ることが出来たのでした。
小梨平キャンプ場のバンガローは小さいながら綺麗な部屋で、簡易キッチン(食器、調理用具もあり)もついており、大浴場も別にあるために非常に快適に過ごすことができました。
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最終日は、前日とは打って変わって朝から快晴が広がっておりました。
観光客に混じって気持ちの良い早朝の空気の中、山々を眺めながら梓川のほとりを散策していると、山に登らずとも、ここではこのような過ごし方も良いな、とおのずと思えてくるのでした。
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