越後☆三国川 芋川 滝沢 ソーメン滝
- GPS
- 06:53
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 573m
- 下り
- 560m
コースタイム
- 山行
- 6:48
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 7:04
ザイルは40m×1本で足ります。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
野中集落にある野中バス停を右折(南へ向かう)あとは行き止まりまで道を行くと駐車スペースがある。 赤い鉄柱のある堰堤が目印。 |
写真
感想
■大先輩のドボン
沢の先輩であるMさんから、是非とも行ってみたい沢があるので、一緒に行こうと声をかけられた。
聞くと「越後の滝沢だよ」という。聞きなれない名前でまったくイメージが掴めないので、ちょっと調べてみた。
過去に何度か越後の沢へは入ったが、雪融け水も豊富であり、どれもこれも容易ではない沢ばかりで、初めはちょっと難色を示していた。
しかしその反面、豪雪地帯ゆえに水量も多く、大型のスラブなど特有の渓相をもつ美しい沢が多いのも確かなのだ。
きっとここも美しいに違いない。不安と期待が交錯するなか、同行させてもらうことになった。
弘田さんの事故以来、沢登りへはかなり慎重になっていたが、やはり探求心というやつに背中を押されたようだ。それに、大先輩のご指名とあれば、行くのが筋ってもんだ。すぐに自宅へ帰り、支度を始めた。
新潟県 巻機山の北北東に、大兜山(1,341m)という山がある。このすぐ西には小兜山が並び、その谷間から三国川(さぐりがわ)へと水を落としている沢が野中沢だ。野中沢は途中大きく分岐し、ジロト沢、滝沢と分かれている。
ジロト沢は、ネットで検索するといくつかの溯行記録がでてくる。
100mを越えるスラブやゴルジュと、かなり手強そうだが美しい沢に思える。
一方、今回計画の滝沢は、驚くほど記録らしい記録が無く、登山体系の文210に記載が残る程度であった。
ここに記載されていた溯行図をもとに、山仲間のダムちゃんと3人で計画を詰める。
当初、1泊2日で滝沢の一ノ沢と左沢と両方やろう、と言っていたがあいにく日曜日の天気が悪そうだったので土曜日のみで中俣一ノ沢を登り、右俣を下降してこようと決まった。(結果的には下降しようとしていた右俣に雪渓が見えたので止めた)
金曜日の22時にダムちゃんのところに集合し、Mさんの車を運転して関越道月夜野I.Cから六日町I.Cへ移動。
あとは県道233号線(落合六日町線)をたどり野中集落へ。
ここは今年のG.Wに十字峡へ向かったときにも通った道だ。
深夜0時ごろ赤い鉄柱が見える堰堤のところに到着。
適当にツエルトを張って就寝。宴会もお酒も無しで寝る。
「こんな早い時間に寝たことねぇよ」とボヤくダムちゃんを脇目に僕は10分もたたず深い眠りに落ちた......
翌朝は快晴。6時頃起きだして朝食をとる。Mさんが早朝寝起きからBIGサイズのカップヌードルをすすっているのをみて驚いた。よくもまぁ、朝からそんなもん食えるなぁ...
装備を整えて、40mザイルを僕とダムちゃんで1本づつ持って出発!
赤い鉄柱の堰堤の右側には昔の鉱山で使用していたと言われる踏み跡があり、ジロト沢と滝沢の分岐まではこの道を使った。
分岐を右に入り、すぐに入渓。赤肌色の岩盤が美しく、とても良い渓流だった。
「見てみて、この岩の色、女性のお肌みたいでいいよねぇ〜」っと冗談だか本気だか分からない表情で言うリーダーのMさんを先頭に溯行していくと、すぐに釜のある2m程度の滝がある。
右から突破すれば釜を泳がなくていいので、まずはMさんが取り付く。
写真を撮ろうとカメラを向けたその瞬間、「!!」
身体が滑って釜へドッボーーーンと落ちた!
「大丈夫ですかーーーー!!!」っと一応は建前で声をかけるが、これはシャッターチャンスとばりに撮りまくる僕とダムちゃん(笑)
「やっちゃったぁ」という表情のMさんはちょっと恥ずかしそうに冷たい釜を泳いで、左から登って行った.....
■6段の野中大滝!
滝沢右俣との二俣は3:1で、これを左へ行くと6段55mの大滝が現れる。
上部は垂直に近い滝で、6段目だけでも15m以上ありそうだ。
1段目の取り付きは腰上まで浸かって水流右を登ろうとするがなかなかうまくいかない。カムを効かせようと手を伸ばすと、誤って落としてしまい潜って探す始末。。。
Mさんが右の草付きを登って回り込み、手で引き上げてくれた。寒い!
2段目は3mほどの滝で、右側の岩へ上がるのだがこれが至難!
Mさんがカムにスリングを掛けて、簡易アブミに足をのせ登ろうとするも、もう片方の足がかかるところがなく難儀する。僕が右足の下へ行き、ショルダーの要領で持ち上げて突破。
同じ要領で僕も上がったが、最後のダムちゃんは足を持ち上げてくれる人がいないため一番大変だったかと思う。
2人で引っ張り上げて全員岩の上に乗った。
3段目へは釜の左壁を登れそうだが、最初の出だしが悪く、かなり怖い。
岩が滝壺に向かって傾斜していて、手がかりはほとんど無い。身体をすりつけてMさんが這い上がろうと岩に身体をのせたものの、「ずり....ずり....」と滝壺方向へ身体がズリ落ちる。
なんとか2段目の滝上部へわざと落ちて回避、ここは無難に大高巻きすることにした。
1段目のところまで戻って、右岸を高巻く。
80mくらいの藪岩クライミングとなる高巻きは、途中で大滝の1段目水流脇を通ることが出来、その大瀑の見事さに感嘆した。
大岩を抱いた松の木を目印に右側斜面を10mほど降ると、大滝の落ち口へ降りれた。
■スラブの大滝、ソーメン滝!!
この滝が見たくてこの沢を選んだというMさんの気持ちに応えるかのように、その滝は現れた。
その名も「ソーメン滝」
見事なスラブの1枚岩から滑ってくるように落ちる水は、まるで生き物のようにうねりを加えて流れている。
3ピッチで上部へ行けるとのことで、最初のリードは僕が取り付くも、2m登ったところで足場が悪くずり落ちる...凹
ここを僕がやるにはまだ若いと思い、Mさんがザイルを担いでフリーで行ってくれた。
20m上部のブッシュでザイルを固定してくれて、後続はプルージックで確保。
手がかりなどほとんど乏しく、Mさんにコツを聞くと手のひらを岩に張り付けて摩擦で登るという。
足はあまりあちこち探さず、ここと決めたらそこで固定しろ、と...。
う〜ん、これは一朝一夕で出来るもんじゃないな。
2ピッチ目もMさんがフリーで登る。最高傾斜70度以上あろうかという斜面。墜ちたら即死するクラスの高度感。なかなか出来るものではない。
1ピッチ目に比べるとやや登りやすいが、やはり油断は出来無い。
20mでピッチを切って、ブッシュで固定。
3ピッチ目はかなり傾斜も弛んできて、ようやく大滝の上部へとついた。
登山体系には60mと記載されているが、もう少しあるようにも思えた。
全員が無事に登り、ここでMさんの登攀を称え、この滝の素晴らしさに喜び合った。
計画の通りこのまま詰めて稜線をまたいでから右俣を下降するか迷ったが、途中で下降に使う沢を遠望したときに雪渓が見えていたので、危険だと判断して断念。
大滝を懸垂下降して降り、来た道を戻ることにした。
天気も持ちこたえてくれて、雲は多いものの綺麗な青空と山肌が、大変美しい光景だった。しばらくは大滝の上から、夏色になった山を眺めていた。
ふと足元を見ると、勢いよく流れでていく滝の粒が、日の光でキラキラと輝きながら遥か下まで落ちていく。
その時、言葉にできない達成感に全身が包まれた。
野中沢 滝沢 ここはまだまだ溯行価値の高い、隠れた名渓であると思います。
感想:bicycle
コメント
この記録に関連する登山ルート
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たいへんお疲れ様でした、沢の原点というか、そんなようなものを見せてもらった気がします!
使えるものは何でも使う、考え方は常時ポジティブにってところでしょうか
山や沢って言うよりもサバイバル系に見えてしまうんですが、当らずとも遠からずなのかな。
道具は以前コメント欄で教えてもらったように割と流用出来そうなので、あとは沢靴程度、よし、盛夏で簡単な沢に連れて行ってください(´_`)
こんにちは(^_^)
クライミングは自然物しか使っちゃいけないのにたいして、沢登りはまさしく「何でもあり」ですね!
クライミングと違い、登攀が目的ではなくあくまでも沢筋の遡行が本筋だからでしょうか。
一応は、出来る限りは何も頼らずに突破しようとするのですが、僕らの技量ではまだまだそういうわけには行きませんね〜(-_-;)
盛夏での沢デビュー、大歓迎です!
今のところ、SM100Cさんのデビューは湯檜曽川にしようかと思っています。
ただ単に僕が行きたい沢でもありますが(笑)
とっても美しいみたいですよ〜✴
※靴のサイズが26.5か27.0なら靴もお貸しできますよ♪
おー、湯檜曽川なら比較的近いし行き慣れた地域であります(´_`)
靴サイズはまさにそのサイズですが、それまでに購入はしたいと思っていますので
大丈夫です!
予定を合わせるのが一番たいへんなのかも知れませぬ(´_`;)
こんにちは(^.^)
予定ですが、当方、夏は土日祝日が休みです。
しかし、平日も有休を使えばなんとかなるので、SM100Cさんのご都合に合わせられるかもしれません。
季節的には、7月下旬〜9月中旬あたりが望ましいですが、8月の第一週の週末は既に予定が入っておりますので、それ以外で候補を教えていただければと思います(^^ゞ
天気も重要なので、候補は2〜3日あるといいですが、いきなり何日も予定を入れるのはお互い大変でしょうから、とりあえず仮日程を1日考えるとしましょう♪
靴を入手できましたら、ご一報下さいませ(´ω`)
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