富士山に救助機能はアリマセン。
- GPS
- 11:05
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,746m
- 下り
- 1,757m
コースタイム
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 2:55
- 合計
- 11:02
天候 | 雨、晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険なし |
写真
感想
久々ヤマレコ登場しました。
毎週山には行ってましたか、毎週のように景色は同じ”ガス・ガス”・・。
天気に恵まれず、投稿する気になれずでした。( ̄▽ ̄;)
一週間前の富士登山記録です。・・
会社関係のKさんより「一生一度くらいは富士山に登りたい」を受け
Kさんとその息子(高校生)、K さん会社のお仲間3名をお連れして、
富士登山へ行ってきました。
メンバーは5名中、2名は元ボクサーと登山部員につき問題なし。
残りのkさん、Nさんは普段から運動もしてないし、登山経験もなしで
約一カ月前の練習登山(高尾〜陣馬)でもヘロヘロだった。(;''∀'')
登頂のカギを握るのはこの二人でした。(想定)
もう一人はKさんの息子(高校生)。高校生じゃ一番元気であろう?
高尾の実績から登頂の確率30%くらいと試算。
難しいプロジェクトです。
無理は禁物、高山病の症状が出たら即下山を念頭に・・。
私の持ってる経験から最大限の配慮をして登ってみる事とする。
そして記念撮影をして出発。
登山開始から約一時間経過した6号目、、。
山頂への九十九折りが見える。
ここからが富士登山ですよ!と言った矢先・・。
K さんと息子(高校生)に早くも異変・・。(;''∀'')
親子ともにまったく同じ部位の左足フクラハギが痛い。
間違いなく血の繋がった親子であることはわかったのだが、登山ははじまったばかり、、。早すぎる!!
Kさん、息子は大丈夫って言ってましたよねぇと思いつつ・・。
一番元気と思っていた高校生の不調は、想定外。
随分大事に育てられたのだね。
ここで、秘策を思い出す。
接骨院で覚えたフクラハギのツボ、マッサージを二人におみまいする。
二人とも飛び上がって・・だったが、かなり効果あり。
伊達に接骨院通ってなかったなと。この作戦でしばらく登ることに。
しかし、この作戦は登山中ずーっと続きかなりの苦行となった。(;´д`)
登頂は難しいと思っていた中、高山病は全員大丈夫。
心拍が上がると休み、小屋の都度休み・・。マッサージを繰り返し・。
一歩ずつ歩を進めた結果、9号目を越えたあたりから登頂を確信。
辛い表情は、笑顔へと、感極まる表情にそれぞれかわる。
そして、歓喜の瞬間を迎えた。
登頂30%の確率で挑んだ富士登山は全員登頂を果たす。
お鉢巡りをする体力はなかったけど
よく登れたなとホッと一息・・マッサージしまくった手首の痛みもうれしい痛みに・・。まだ下山があるから気は抜けない。
しかしこの下山で全く想定外のことが。
下山中、前方に酔っぱらい???
フラフラ歩く登山者を発見する。
それも尋常ではない・・。フラフラ・・バタ!!!
数歩進むと受け身なしで、後頭部から・・顔面から・・。
ぶっ倒れるを繰り返している。
一体どういうことなのか、荷物も持っていない。
・・すると更に前方から女性がその登山者に近づいてくる・・。
これは、緊急事態と思い、女性(奥様)に話を聞くと・・。
男性(旦那)は、剣が峰辺りから高山病の症状が出てこのような状態に・・。
子供二人と先に小屋にいき救助要請をしたが、
高山病は降りるしかないと相手にもされなかったとのこと。
不安な表情の子供二人、孤軍奮闘する奥さん。
高山病は確かに降りるしかないが、とても自力歩行できる状態ではない。
このペースで下山していたら下山前に山の中で暗闇に支配されるであろう。
聞けば、初の富士登山で、登山初心者・・。
家族4人どうなってしまうか?容易に想像が出来る。
奥様は必死にバスの時間もあると思うので大丈夫です!と言ってきたが、お子さん二人連れて旦那さんこの状態でこの先どうなるか?こういう時は、頼れる者に頼ることと説得し、受け入れて頂いた。
まずはなるべく高度を下げるべく旦那を両サイドから抱えて下山開始・。
旦那もヘロヘロなのに「大丈夫です・・」と言っていたが・。
奥様から「こういう時は頼ろう!!」と強い口調で言いなだめる。
この合間に自分は小屋へ向かう。。
以前、ブルで搬送される登山者を見たことがあり、まずは小屋の方にブルでの搬送等、救助の手立てがないか確認をしに行く・・。
すると・・バイトの兄ちゃんは親身に話を聞いてくれて、小屋の主人に聞いてみるとの事・・。ブルは3万円で乗車出来るとか、でもよほどのことでないと乗車は難しいとの話は聞いた・・。
採算とれないし、面倒な感じが垣間見れる・・。
そして出てきた主人と居合わせた富士登山ガイドの態度に愕然とする。
きっとこういう問い合わせも多いのでしょう。
呆れ顔で、私を無計画に富士にきて簡単な事で相談しに来ている登山者扱い。
・高山病は降りるしかない・。
・富士山山小屋に救助機能はない・。
など教科書通りの回答を繰り返すのみ。
ちょっと頭に来て、そんなことは百も承知!!と直球を返す。
困っている他人様を助ける為に何か協力できないか?聞いている。
当事者ではなく、他登山者の救助に奔走している事を知らしめると・・
二人とも呆れた表情から緊張した表情に変わる・・。
確かにあの家族の登山計画は、無謀だったかも知れないが・。
富士山云々のウンチクはどうでも良く、人助けとして何か出来ないかを聞いている!・・と言うと主人、ガイドから何も出てこなくなる・・。
確かに富士山小屋に救助機能はない・。
そして彼らにはレスキュー能力、スキルもないのは知っている。
富士山のガイド?、怪しい人がいるのもの知っている。
他の山では・・
遭難者が発生したら山小屋から現場にいち早く駆けつけて救助に奔走する小屋番の勇ましい姿を何度も見てきたが・・。
富士山小屋は彼らとは全くの別の人種であることも知っている。
それでも人として、人助けとして・・。
誠意ある態度くらい見せられないの?と感じ。
商売っ気の多い富士山にあぐらかいてないか??と不信感さえ覚える・・。
結果、何も出来ないことも理解しているので・・。
一言「わかりました」と、搬送中の現場に再び戻ることに・・。
すると他の登山者からも「何か協力は出来ないか?」と暖かい言葉をもらいながらエッサ、ホイサと下りていく。
そして、ふらふら歩行だった旦那は何とか転倒せずに歩けるまでに・。
意識もしっかりしてきて、改めて話を聞くと・・。
実は高山病は剣が峰の前から出ていたけど、我慢して登っていた事を聞く。
初の富士登山で、お子さんを連れて登頂したい気持ちはわかる。
でも頼れるのはお父さんだけの状況で、無理したらダメじゃないですか!
とちょっと色々申し伝えて、大丈夫な家族の姿を見送り別れる・。
あのあとしっかり、下山で来た事を祈るばかり。
子供たち・・どんな思い出になっただろうか。
もし、富士山に登りたい家族、初心者の方がこのヤマレコを見ていたら
富士登山では、こんな事がある事を知って頂きたいと思います。
そんな、久々のヤマレコでした。
以上
お疲れさまでした。
世間の人にとっては富士山はそこまでして登りたい山なんですね。
そしてそれにかこつけた小屋の態度は同じ山屋とは思いたくないですね。
kuutarouさんがいなかったら危ないところでしたね。さすがです
sugar jirouさん こんにちわ。
富士山の山小屋にいる人達ってあらためて山屋じゃない、山屋が居ないんだなと感じてしまいました。
繁盛しすぎの観光地の土産屋、旅館の主人か?
ガイドも富士山の事だけカジッタなんちゃって山屋か?
そんな場所に登山経験のない富士山だけ登りたい観光客のような人達が沢山登るのですから富士山って、ある意味コワイ場所ですよね。
他の富士山小屋の人達がこのレコを見たら仕方ないことと見るか?うちは違うと見るかわかりませんが、ちゃんとした小屋番さんもいるよね!と思いたいです。
大変な登山でしたが、とても素晴らしい対応をされたのですね。
高山病で命を落とすこともあるくらいなのでkuutarouさんは命の恩人ですよ。
先週末の穂高縦走の際に大キレットで長野県警の遺体収容活動を目前で見て改めて山の怖さを再認識してきただけに、この件で山で何よりも最優先すべきことは命を大切にすることなのにそれが分からない人が結構いることが気になりました。
at kazuさん こんにちわ。
コメント有り難うございます。
大キレットの現場、考えさせられますね。
以前私も大キレットを通過した時に心肺停止の場面に遭遇したことがありました。
身の丈にあってない登山ルートを選択された方の事故が多いように感じますね。
人間は地球上の生物のなかでは圧倒的ですが、自然の中では小さな存在である自覚を忘れてしまうのでしょうか。
どこかで歯止めがきかないものかと事故現場遭遇するとかんじますね。
お疲れ様でした
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