上河内岳-聖岳-赤石岳-荒川岳縦走(5泊6日の一人旅)


- GPS
- 120:40
- 距離
- 46.2km
- 登り
- 4,978m
- 下り
- 4,784m
コースタイム
8月5日 5:25横窪沢小屋-7:15樺段-8:20茶臼小屋-10:25竹内門-11:10上河内岳-12:00南岳-13:30聖平小屋(幕営)
8月6日 5:00聖平小屋-6:30小聖岳-8:00聖岳-9:50聖兎のコル-11:15兎岳-13:25中盛丸山-14:00百間洞下降点-15:00百間洞山の家(幕営)
8月7日 6:00百間洞山の家-7:05百間平-8:15大斜面下コル-9:50赤石岳-10:50小赤石岳-11:50大聖寺平-12:30荒川小屋(幕営)
8月8日 6:30荒川小屋-8:25荒川前岳-8:40荒川中岳-10:30荒川東岳-11:45丸山-12:25千枚岳-13:15千枚小屋(幕営)
8月9日 5:30千枚小屋-5:50駒鳥池-7:00清水平-8:40鉄塔横-9:40椹島ロッジ(バス乗車)
天候 | 8月4日:晴れのち曇りのちガス 8月5日:雨のちガスのち晴れのち雷雨 8月6日:晴れのちガスのち雷雨 8月7日:晴れのち雷雨 8月8日:晴れのちガスのち雷雨 8月9日:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
駐車場先の林道が崩落しているので、東海フォレストの無料送迎バスを利用する 際は駐車場からダムの堰堤まで約10分歩きます。(沼平へのマイカー乗入れは不可) |
コース状況/ 危険箇所等 |
東名道の清水ICから井川に向かう途中、県道189号線は工事のため時間帯通行止めをしていますので、夜間に通る以外は隣の県道27号線を通ったほうが良いでしょう。 (どちらもすごく狭い道ですが) 先の台風6号の影響か、沢沿いの登山道全般(とくに巻き道)に小さな崩落がありましたが、道は付いていますので問題ありません。 下山後は畑薙ダム近くの赤石温泉「白樺荘」で入浴と食事をしました。(おとな500円) 食事もおいしかったです。 |
写真
感想
以前から計画していた南アルプス南部の縦走、夏休みを利用して5泊6日で決行しました。
脚の速い人なら4泊5日で可能だと思いますが、小生は体力も無く、すべてテント泊としたので、余裕をもって5泊としました。
1日目(8月4日):畑薙ダム〜横窪沢小屋
この日は朝2:30に自宅を出て、9:00に畑薙第一ダム臨時駐車場に到着。
事前に分かっていたことですが、林道崩落の影響で当初予定していた沼平までの乗り入れが出来ず、1時間弱の行程が追加となりました。
畑薙大吊橋を渡り、ヤレヤレ峠、横窪峠を経由して横窪沢小屋にテントを張りました。ウソッコ沢小屋から中の段までの登りは急登で、かなり疲れました。
横窪沢小屋は静かでとても気持ちが良い場所です。
小屋のかたもすごく親切で、翌朝テント内で食事をしていると「団体さんのキャンセルが出ておかずが余っちゃったから」と言って、ポテトサラダを
差し入れしてくれました。すごくおいしかったです。ありがとうございました。
(初日の行動時間:5時間40分)
2日目(8月5日):横窪沢小屋〜聖平小屋
横窪沢小屋を5:25に出発、尾根道を辿り、約3時間で茶臼小屋に到着。天候は雨まじりのガスになり、雨具をつけるため茶臼小屋に立ち寄って休憩をお願いしたところ、
お茶と饅頭を出していただきました。なにも買っていないのにこのサービス、北アルプスなどでは考えられませんね。
やっと楽しい稜線歩きと思いきや、天候がぐずついており視界は無し。高山植物に慰められ、11:00に上河内岳の肩に到着。ここにザックをデポしてピークを往復しました。
頂上には方向指示盤がありましたが、視界がまったく無いので写真を2枚撮って早々に肩に戻ります。天気が良ければすばらしい眺めが得られる場所だけに、ちと残念でした。
肩に戻り、一服してから聖平に向け歩き始めるとだんだんガスが切れてきて、視界が得られるようになりました。やはり青空はいいですね。
ちらっと見えた聖平小屋は思いのほか遠く、南岳を過ぎ、淡々と樹林帯を下ります。体力と時間に余裕があれば、聖岳手前の水場まで行って幕営したかったのですが、
もちろんそんな体力は残っておらず、冷たいビールの誘惑にも負けて聖平小屋にテントを張り、濡れ物の乾燥に専念しました。
小屋には多くのお客さんが泊まっているようでしたが、テン場は10張りほどで快適に幕営できました。
(2日目の行動時間:8時間5分)
3日目(8月6日):聖平小屋〜百間洞山の家
聖平を5:00に出発、まず小聖岳を目指します。今日は天気も良く、遠くに富士を眺めながら淡々と樹林帯を登り、6:30に小聖岳到着。ここから見る聖岳の威容は圧巻で、
やっぱり南部の山は大きいなぁと実感できます。小聖岳から先はザレの急登になり、喘ぎながら小刻みに高度を稼ぎます。15名くらいの団体さんと抜きつ抜かれつしながらひたすら登り、
8:00に聖岳到着。すでにガスが湧いてきており、ピークからの視界は無し…。仕方がないので写真を2枚撮り、行動食を少し食べて先へ進みます。
聖兎のコルまでは高度差400mの下りになります。コルで休憩していると、とてつもなく大きなザックを背負った人が前方から現れたのでお話を聞くと、北沢峠から入山して光岳まで縦走
するとのこと。ザックの容量は120ℓで、当初の重量は45kg、中身は道々の山小屋へのお土産が入っているそうです。おみそれしました…。
鉄人さんと別れ、兎岳の頂上に着いたのが11:15。このころからガスはますます濃くなり、雨模様になってきました。だいぶ疲れを感じてきており、中盛丸山をガスの切れ間に見たときは、
ガイドブックに書いてあった「絶望的にそびえる」という文章が身に沁みました。かなり絶望的な様相です。しかし、泣き言を言っても始まらないので黙々と登り続けると、だんだん雨脚が
強まってきて状況はさらに悪化。やっとたどり着いた頂上には朽ちた標柱?とおぼしき物が1本あるだけで、山名の表示すらありません。失意のままに下りに入り、百間洞下降点に着いたとき
は完全に戦意喪失。大沢岳に登ることは諦め、山の家に向かってさらに下ります。あと10分で到着というところでついに雷鳴が轟き始め、15:00ズブ濡れで小屋に到着。その後、天候は回復
しましたが体力は回復せず、食欲も無いので小屋でジュースとフルーツゼリーを買って食べ、さっさと就寝しました。
(3日目の行動時間:10時間)
4日目(8月7日):百間洞山の家〜荒川小屋
今日は朝から晴天です。体力もすっかり回復し、6:00に幕営地出発。まずは百間平を目指しジグザグ道をのんびり歩きます。昨日まで自分が辿ってきた稜線と、中央アルプスの山々を眺め
ながら1時間ほど歩けば百間平です。ここはとても気持ちの良い場所で、聖岳、赤石岳の眺めが素晴らしいです。これも晴天のおかげですね。赤石岳のトラバース道を過ぎ、避難小屋が見えると
頂上はもうすぐ。しかし、例によってピークではガスが湧く湧くで視界はありませんでしたが、居合わせた方に写真を撮っていただき、先へ進みます。大聖寺平へのザレ道の下りは高度差が大きく、
登りの人は苦しそうでした。荒川小屋へのトラバース道は見た目にもとても美しく、歩いていても気分が良いです。12:30に荒川小屋に到着。今日の予定は中岳避難小屋までの予定でしたが、
名物のスイカ(1切れ200円)をむさぼり食っているうちに雷が鳴り始めたため、予定を切り上げて今日は荒川小屋にて幕営することにしました。雨が降り出すまでの1時間ほどの間に、濡れたものを
地面に並べてフリーマーケット状態の乾燥作業。おかげで着るものはすっかり乾きました。雨が降っている間はテントの中でゴロ寝し、止んだと同時に質素(粗末)な夕食を済ませ、あたりの景色を
堪能してから就寝しました。
(4日目の行動時間:6時間30分)
5日目(8月8日):荒川小屋〜千枚小屋
今日は千枚小屋までの予定なので、のんびり6:30に荒川小屋を出発。荒川岳南面のお花畑で花の写真を撮りつつ、ジグザグ道を通って稜線を目指します。荒川前岳の大崩壊地は迫力満点で、頂上の
標柱が半分宙に浮いているのが印象的でした。荒川中岳のピークで写真を1枚撮り、中岳避難小屋の管理人さんとしばらくお話をしましたが、たぶん標柱は今年中には落ちちゃうだろうね、
とのことでした。今日は天気も良く、お散歩モードの行程なので、ついついあちこちで道草を食ってしまいます。荒川東岳のピークには10:30に着きましたが、誰もいないので靴と靴下を脱いで、
大岩の上で1時間ほど昼寝をしました。標高3141mでの昼寝なんて、とても贅沢だなぁと満足しました。そうこうしているうちにまたガスが湧いてきたので、千枚岳に向けて歩き始めました。
しばらくはハイマツ帯の緩やかな下りですが、千枚岳直下には手を使って登る岩場があり、ちょっと緊張します。千枚岳頂上にも誰もおらず、青空を眺めて一服し、千枚小屋への下りにかかります。
15分ほどで小屋に到着したので、テントを設営したのち缶ビールを沢で冷やし、お疲れ様の一人カンパイ。近くにテントを張った方の話し言葉が、どうも自分の方言と似てるなあと思って伺うと、
やはり同じ地元の方であり、お互い苦笑い。やがて今日も雷雨がやってきたのでテント内で食事を済ませ、お休みなさい。
(5日目の行動時間:6時間45分)…昼寝込み
6日目(8月9日):千枚小屋〜椹島ロッジ
5:30に千枚小屋を出発。今日は10:30椹島発のバスに乗りたかったので、最終日ですが早めに出発しました。小屋から20分ほど下ると駒鳥池があり、ここは静かな佇まいを見せる落ち着いた場所です。
清水平の水場で顔を洗い、その後は淡々と樹林帯の道を辿り、小石下を過ぎて林道を一部歩き、鉄塔横から急坂を下れば滝見橋に出ます。滝見橋から椹島までは10分ほどの林道歩きですが、
林道=平坦のイメージでいたら、実際は少し登り坂であり変な汗をかきました。椹島はとてもキレイなところで、レストランで食事もできます。自分は汗まみれで時間も無かったので、自販機でジュース
を買って飲むにとどまりました。やがてバスの乗車が始まり、今回は2台で出発。自分が5日かけて歩いた距離も、バスに乗れば1時間で戻ってきてしまい、なんだか少し複雑な気持ちでした。
(6日目の行動時間:4時間10分)
縦走を終えて
今回のコースで5泊6日というのはかなり贅沢な日程だと思いましたが、全行程テント泊、単独行、初めてのルート、と言うことを考慮すれば、妥当な日程だったと思います。
体力的に辛かったのは3日目だけで、あとは余裕をもって行動することができました。天候は夏山らしい天候でしたが、大荒れにもならずまずまずだったと思います。色々な
人と出会え、色々な経験が出来、良い山行になりました。山中でお世話になった方々、本当にありがとうございました。
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