立山遠征【暴風雨の縦走】
- GPS
- 06:49
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 763m
- 下り
- 762m
コースタイム
- 山行
- 4:27
- 休憩
- 2:22
- 合計
- 6:49
※コースタイムには,みくりが池温泉での入浴時間も含まれている。
天候 | 雨(暴風雨) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
(1) 登山前日 自宅 → JR新宿駅 → 【成田エクスプレス】 → JR東京駅 → 【北陸新幹線】 → JR富山駅 → 【徒歩】 → 電鉄富山駅 → 【富山地鉄電車】 → 立山駅 → 【立山ケーブルカー】 → 美女平 → 【立山高原バス】 → 天狗平 → 天狗平山荘(泊) (2) 登山当日 ア 登山口まで 天狗平山荘 → 【山荘の車】 → 室堂 イ 下山後 室堂 → 【立山高原バス】 → 美女平 → 【立山ケーブルカー】 → 立山駅 → 【富山地鉄電車】 → 電鉄富山駅 → 【徒歩】 → ホテル(泊) 帰り: JR富山駅 → 【北陸新幹線】 → JR東京駅 → 【中央線】 → JR新宿駅 → 自宅 ※料金等の補足 ・電鉄富山駅⇔立山駅間の運賃 @1200円 ・立山⇔天狗平,室堂間は,ケーブルカー及びバスの乗車券がセットになった立山黒部アルペンルートの往復切符の購入が望ましい。4310円(5日間有効)。美女平で購入できる。 ・上記交通機関は,いずれもトイレがない。駅で済ましておきたい。また,室堂からのJR富山駅方面への帰路は,平日であっても,バス,ケーブルカーともに大変混雑する(バスは,全員座れるように増便する。)。早めに並んでおきたい。 ・天狗平山荘 1泊2食で1万3000円。シャワー付き共同風呂,自販機あり。Wi-Fi接続可。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
1 室堂から一の越までは,大変整備された石道。緩やかな傾斜で,歩き易い。 2 一の越には,山荘(軽食,飲み物販売)がある。 3 一の越から立山縦走路は,岩石のやや急な道が続く。落石及び転倒注意。私は,下山中に派手に転倒し,軽症及びズボン一部損傷。岩場には,進路を示すマークが施されているので,迷うことは少ない。 |
その他周辺情報 | 室堂バスターミナルから徒歩約15分の所に,みくりが池温泉がある。日帰り温泉700円。コインロッカー(有料),食堂付き。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
防寒着
靴下
雨具
靴
ザック
昼ご飯
非常食
飲料
地図(地形図)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
カメラ
着替え
熊鈴
|
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備考 | ※スパッツ,手袋を持って行けばよかった。 |
感想
今回は,富山県にある立山の遠征山行をした。遠征山行は,8月の恵那・伊吹山,9月の岩手山に続き,3か月連続となる。
立山は,飛騨山脈(北アルプス)の北部に位置し,剱岳のやや南にある。日本海(富山湾)からの距離が約40キロしかなく,短距離で標高差が激しい。これにより,立山から流れる水は,急峻な渓谷や滝(称名滝など。)を生み,様々な自然産物をもたらしている。一方で,洪水も起こりやすく,特に神通川は,明治時代に大規模な治水工事が行われた。
このように立山は,独特の存在感があり,古くから信仰の山として畏敬の念が抱かれている。立山三山の一番のメインである雄山には,雄山神社がある。
さて,今回の山行であるが,前日に標高2300m地点にある天狗平山荘に宿泊した。ここは,よく整備された山荘であり,シャワーのある風呂付きでレトルトではない美味しい食事も出る。何とWi-Fiまで使えるようである。私は,接続しなかった。そして,この山荘には,以前,NHKの番組「プロジェクトX」において,剱岳の遭難救助に向かった富山県警山岳救助隊の特集があったときに,その救助隊でメインとして活躍していた方が働いている。山荘では,その時の番組をDVDで流してくれる。是非見てもらいたい。
登山前日は,ガスが多いものの夕方にはすっきりとしてきて,景観が良かった。天狗平は,剱岳の景観スポットとして知る人には人気があるようであり,この日も,奥大日岳,大日岳の山脈の後方に立派な剱岳の山容が見えた。剱岳は,実にインパクトのある山である。岩山そのものである。この天狗平山荘に宿泊し,立山を縦走し,剱岳を登り,ピストンで戻ってくる人がいるようである。タフである。
このエリアは,イノシシや熊が出没するので,要注意である。登山前日にもイノシシが車道を横切った。
登山当日は,午前5時半に起床。6時半頃朝食。その後,チェックアウトし,山荘の方が車で室堂(立山登山口)バスターミナルまで送ってくれた。天気予報通り雨である。登山者は私のみであり,ほかの宿泊者は皆観光客である。
室堂からしばらく整備された石道(岩石にコンクリートを流して固めた道)を緩やかに登っていく。本降りの雨である。途中,ライチョウの多いエリアに差し掛かり,幸運なことにライチョウの群れを見た。何ともかわいい。かわいいといっても,2万年前から生息しているのであり,人間の大先輩である。
道中,万年雪も見られた。立山の万年雪は,一部,氷河に認定されており,我が国では非常に珍しい残雪なのである。
いよいよ風雨が強まってきた時,標高2700m地点に到達。一の越山荘がある。外見は,とても営業しているように見えなかったが,この天気であっても,営業していた。頻繁にはふもとに下りないのであろう。しばらく,風雨をしのいで待機。素朴な主人とコースについて会話をする。
風雨の勢いが収まらない中,雄山に向けて本格的な登山道を登り始める。ここからは,岩石ばかりのやや急傾斜である。3000m近くなると,酸素濃度が低いため,息切れし易くなる。その上,暴風雨で休憩できない。途中,風で歩くこともできなくなり,しばらく立ち止まる。私は,登山を「自己流」でやっているし今後もその方針であるところ,その「自己流」の一つに折りたたみ傘の活用がある。私は,大概の山は,傘をさして歩く。今回も,レインウェアは着ているが,傘をさして歩いた。風除けにもちょうど良い。
ようやく立山の主稜線に出ても,20m先は全く視界がない。森林限界・3000mクラスの尾根道なのに,どこを歩いているのか,一見では分からない。天気が良ければ,間違いなく,紅葉の絶景があるはず。何とも残念無念・・・。
ようやく雄山に到着。雄山神社は,閉鎖されていた。休憩できない・・・。ちょっとした屋根の下で,濡れた地べたに座った。寒い。ドコモの電波はとぎれとぎれで届いている。しばらくして,山頂に行き,山頂の神社で手を合わせた。
次は,立山で最高峰の大汝山である。富山県最高峰の3015m。雄山から少し下り,トラバース的な岩場を歩くと,すぐに大汝山のピークである。暴風雨の中でもあっという間。小屋があるが,ここも閉鎖されていた。風で損壊しないように,入口と窓に板が釘で貼り付けられていた。休憩できない・・・。
大汝山を後にし,最後の立山三山である富士ノ折立に向かう。岩には,矢印や「×」印などで,進路を示してくれている。岩稜帯ならではの案内である。ただ,浮石が多く,歩き難い。混雑時は,落石に注意したい。
富士ノ折立は,道標及び正面に岩山があるほか,何もない。剱岳方面にもう少し歩くと大走り分岐であり,当初の計画では,この大走りから下降する予定であったが,この道は,悪路であり,一の越山荘の主人からも通行の危険性を助言された。この暴風雨であるから,今回は断念した。
その後,ピストンとして,雄山,一の越山荘方面に戻りを開始した。しかし,こうした岩石帯の道。下降は下降で大変である。十分慎重に歩いていたのであるが,途中,派手に転倒してしまい,ズボンに穴が開いたのと,軽症を負った。一方,雨は標高を下げるにつれ収まり,傘を差さなくても良くなってきた。ここで,山慣れた感じの若いハイカーとすれ違った。大汝山まで行くとのことである。
非常に長く感じた道のりを経て一の越山荘に到着。体は冷え切っており,ホットコーヒーを飲むことにした。
室堂への舗装路では,嘘のように風雨は収まり,ガスも少し切れてきた。紅葉で山並みは金色に輝いている。
室堂の遊歩道に着いてからは,みくりが池を眺めながら,みくりが池温泉に行った。日帰り温泉は700円。狭い浴槽だが,空いていたので良かった。ぬるめの白濁した温泉である。
室堂からは,後は,富山駅前まで行くのみである。ここでお土産を買うことにした。しかし,実に不快な老人(酒臭い者)がおり,ケンカになりそうになった。老人特に爺さんというのは,一般に,デリカシーがないというか,我先のことしか考えず,マナー違反,切れやすく,粗雑である。その上,経験ばかり振りかざし,プライドが高い。
余談はさておき,雨の平日であるのに混雑するバスとケーブルカーを乗り継ぎ,更に私鉄に乗り,富山駅前に到着。駅前のホテルで1泊する。夜は,なるべく客の少ない店を考え,寿司屋に行き,鉄道好きな大将と西日本・東海エリアを中心とした鉄道話で盛り上がった。
翌日は,山行とは関係ないので,写真と合わせて簡単に説明するところ,富山は海も重要であることから,観光用の水上ボートで運河を越えて富山湾に向かった。結構楽しかった。後は,美術館にも立ち寄った。
このようにして,今回の遠征山行は終了した。天気及び景色に恵まれず実に残念であったが,暴風雨の3000mクラスの尾根の縦走は中々経験できないので,まずは,充実した山行といえよう。
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