冬季槍ヶ岳単独登頂 〜2週間越しのリベンジ〜
- GPS
- 56:00
- 距離
- 23.6km
- 登り
- 2,062m
- 下り
- 2,064m
コースタイム
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:30
- 山行
- 10:45
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:45
天候 | 1日目 快晴 2日目 快晴 3日目 吹雪→快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高温泉から白出沢出合までの林道はすねくらいまでの積雪があるものの、槍平までは先行者のトレースがあった。そこから滝谷まではツボ足で歩けるくらいの状態。滝谷から槍平までスノーシューを着けて歩く。目印も雪の下に埋まっていたものが多い。チビ谷、ブドウ谷は多く情報がある通り、雪崩の危険がありトラバースには注意が必要である。中崎尾根の支尾根の取り付きは場所によっては手を使わないといけないほど急。前回苦しんだ支尾根はワカンからスノーシューに切り替えることで突破。途中ナイフリッジっぽいところがあるがそんなに危険はない。中崎尾根は西側に雪庇が出ているためホワイトアウトした状態では危ない。千丈乗越は右側のルンゼ状の雪面をトラバースしたが雪崩に注意が必要である。西鎌尾根も場所によっては雪崩に気をつける必要があるが、突風以外にそんなに危険はない。槍の穂先は鎖が埋まっている箇所があったが、アイゼンとピッケルを正しく使えば特に難所はなく頂上に着ける。大喰岳西尾根はホワイトアウトしていたため取り付き点がわかりずらかった。尾根は飛騨乗越側にカーブしているため、ホワイトアウト時はまっすぐに降りていかないように常に場所を確認しながら注意深く降りる必要がある。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
ツェルト
ポール
テント
テントマット
シェラフ
|
---|
感想
いつかはリベンジしたいと思った槍ヶ岳登頂に失敗した2週間前。「いつか」はたった2週間後であった。前回は中崎尾根のラッセルがきつすぎて敗退。今回は反省を生かし、ワカンからスノーシューに変更、荷物を徹底的に軽量化し、同様のコースに挑戦することにした。
〜1日目〜
今回は先行者がいたため、槍平までは非常に楽であった。前回同様、チビ谷、ブドウ谷の雪崩に注意する。昼前に槍平に到着し、支尾根を登ってしまおうかとも思ったが、朝が早かったため槍平小屋で昼から朝まで就寝。明日に備える。
〜2日目〜
中崎尾根2500m地点の幕営地を目指し朝、槍平を出る。残念ながらここからは人間のトレースが千丈乗越まではなかった。残念。天気は快晴で全て見渡せる。支尾根に取り付く。正面から取り付くと出だしがとても急である。おそらく側面から取り付いた方が良い。ワカンの時には膝上まで雪に沈んでしまっていたが、スノーシューに変えたことによって、足首までしか沈まない。重いスノーシューに感謝。
前回よりかなり早く中崎尾根上に出る。中崎尾根にはところどころ西側に雪庇が出ていた。ウサギのトレースは非常に合理的であり、このライン沿いに歩く事で非常に楽に歩ける。ウサギにも感謝する。2時過ぎに2500m地点に到着。日曜日に天気が崩れることからできるだけ上に行きた。よって、デポはせずに西鎌尾根に上がる。千丈乗越は時間の都合上直登はしない。西鎌尾根の上部で日が沈む。肩の小屋が見えていたのでヘッデンをつけ、肩の小屋に到着する。槍の穂先がうっすらと見え、頭上には天の川が見えた。満足。ただ、誰もいないので孤独。
〜3日目〜
夜中に風の音で目を覚ます。朝まで天気が気になりよく眠れない。朝に恐る恐る小屋の扉を開けるとまさかのホワイトアウト&強風。7時まで小屋で待機し、穂先に向かう。穂先の取り付きは風の影響が少なく、行けると判断。穂先は一部鎖が埋まっていたが難所はなく、アイゼンとピッケルで岩を捉えながら登る。ハシゴは記憶よりも短く、怖さは感じないままに登頂。頂上は見渡せるが景色は全く見えない。ただ感無量である。
穂先を降りたあとは大喰岳に向かい、西尾根を降りる。しかし、ホワイトアウトの中で尾根からそれてしまい、結局最後は大喰沢横の斜面を下まで降りた。
そこからまた槍平、滝谷、白出沢まで降りるがスノーシューで非常に歩きやすかった。なお、2人のパーティー?に会い喜ぶ。最後の林道では、雪と練乳を同時に食べると美味しいことに気づき、20分くらい没頭する。おすすめである。
なんやかんやで日が暮れる前に下山した。
冬季の槍ヶ岳は非常に危ない。夏山はまだ安全が保証されている感があるが、冬はどこにも安全はない。しかし、1日目と2日目の景色は絶景であり、来る価値はもちろんあった。今後とも安全に考慮しながら冬山を続けていきたいものである。
次は2月に単独でアコンカグア登頂&厳冬期奥穂高岳を狙おうと思う。
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