奥多摩石尾根長沢背稜縦走(はじめてのフライング登山)


- GPS
- 17:38
- 距離
- 42.3km
- 登り
- 3,303m
- 下り
- 3,027m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大ダワ林道は崩落のため通行禁止 小川谷林道が台風による崩落で通行止めのため、そこに下るルートは通行できない → 長沢背稜に入ると、エスケープルートが減ります。 |
写真
感想
日帰り登山で長く山で行動したい。
車を持っていない私は、公共機関を使った日帰り登山だと、一日の行動時間が短くなってしまう。
しかし前日の夜からテントをかついで山に入れば、行動時間は長くなるが、テントが重い。
そんなことをうだうだ考えていてふと思いついた言葉が「フライング」。
たしか、shira-gaさんが言っていたような。
終電でアプローチして、夜中から登りはじめるという作戦はどうだろう?
ナイトハイクはしたことがないですが、挑戦してみよう!!
フライング登山した時に、体力的に大丈夫か? 精神的にもつのか? そういった実験も含めて実施します。
ためしに奥多摩の終電を調べてみると、なんと0:42着。うってつけです。
そういうわけで、石尾根から念願の長沢背稜にルートを決定!
と、長い前振りはここまで、フライング日帰り登山開始です。
金曜日はほぼ定時にがんばって仕事を終わらせて、速攻で帰宅。
家で2時間程度仮眠して、いざ奥多摩へ!
深夜の奥多摩はひっそりしています。
不安がいっぱいで準備に手間取りますが、午前1時過ぎに、奥多摩駅出発。
最初は暗いのが怖いのと深夜の神社と廃墟を抜けるのが怖くて、登山口までのショートカットは使用せずに車道を行きます。
そして、懐中電灯からヘッドライトに装備をかえて、いざ登山開始。
はじめはなれないので、ドキドキしますし、変な汗をかきます。
足滑らしたらどうしようとか、クマ出てきたらどうしようとか、純粋に暗いの怖いな、とか。
2時間も歩くと暗闇にはなれましたが、やはりクマは怖い。
ヘッドライトの先に動物の目が光っているのが見えたり、走り去る足音が聞こえたりすると、びくっとして立ち止まってあたりをうかがってしまう。
風の音が動物の唸り声のようにも聞こえ、そのつど恐ろしいな〜と思う、ビビりな私。
ただ、空は満天星でとてもきれい。
鷹ノ巣山で夜があけます。
しかし、雲があつくて、荘厳な日の出は見ることができず。とても残念。
明け方の青い山々は、とても美しい。
ここからは、七ッ石山までののこぎり状のピークを行きます。まきません。気合いです。
このあたりで右ひざに違和感を感じ始めたので、気をつけながら歩きます。
七ッ石山からは石尾根の気持ちよい稜線をたどって、9時に雲取山到着。
素晴らしい時間です。普段の雲取登山のときなら、まだ登山口に到着もしていない時間。
ここから長沢背稜方面に突入します。
芋ノ木ドッケから先は、初めて足を踏み入れるゾーン。
石尾根を少々ワイルドにした感じの登山道。
右を見れば、今まで歩いてきた石尾根が青く連なっています。
長沢背稜は踏み跡しっかりありますが、ところどころ薄いので注意は必要。
長沢山で昼食をとり、空き缶ゴミがひどいので少しゴミ拾いをして、先に進みます。
そして今回の大失敗ゾーンに突入。
水松山を回りこんでから登頂した後に、やってしまいました、道迷い。
支尾根である中尾根を長沢背稜と勘違いして、下り始めてしまいました。
尾根を下り始めてすぐ、人跡がまるで感じられないので変だぞ、と思いました。
そのほか、左側に尾根が見えたり、坂が急すぎたり、あまつさえコンパスが違う方角を指しているなど、道迷いを示唆する情報はたくさんあり、その都度検証しているのに、この尾根が正しいルートだという思い込みがすべて誤った判断を導いていきます。
コンパスに至っては、「携帯電話と一緒に持っていたので、携帯の磁気でコンパスが壊れたか?」などと考える始末。
ただ、ルートは地図的にあり得ない下りなので、その時はじめて「自分のいる尾根が間違っている」ことを前提に考える頭に切り替わりました。
すると先に検証したルートミスを示す兆候がすべてしっくり解決し、ミスであることを確信、登り返します。
誤りを示す兆候にたくさん気付いていたにもかかわらず、そのすべてに間違った判断をしてしまう。
歩き始めて12時間。自分では気づかない疲労が判断を狂わせたのかもしれません。
でも、重大な事故は、こういう小さなミスの積み重ねで発生するのだろうな〜と思い、あらためて気を引き締めます。
ハインリッヒの法則、あなどるべからず。
この先は酉谷山、天目山と進みます。
が、酉谷山の登りで気づきました。先の登り返しでいよいよ右ひざを決定的に痛めてしまったことを。
ここからはだましだまし、膝をかばいながら下山します。
16時半ごろに三ツドッケに到着し、下山のためのエネルギー補給。
下山はヨコスズ尾根を下り、途中でヘッドライト装着。
行きも帰りも、ヘッドライト……。
途中でヘッドライトの光が薄くなって行動が困難になっているパーティに出会い、一緒にゆっくり下山しました。
総括:
・道迷いは要反省。
・夜間登山は自分にとっては不可能ではないが、闇や真夜中の動物の気配はおっかなすぎ。みなさん、平気なのかしら?
・意外なことに、肉体的にも精神的にも切れることなく最後まで行けました。が、長くなると、やはりひざをやられてしまう。
・もう少し習熟が必要ですが、登山スタイルのバリエーションになりそうです。
こんばんは、senzanryoさん
スゴイ記録ですね!
seizanryoさんの事だから、フライングでもテン泊装備で挑んでいるだろうなぁ〜と思ったら、
まさかの日帰り&ナイトハイク強行軍とか!
道迷い、疲れが溜まると普段の山歩きで疑問に思うポイントも見過ごしそうですね。
長沢背稜は歩きたい場所なのですよ〜。
奥多摩よりも奥秩父のイメージが付きました!
小雲取の標識はレアですよね〜、木彫りな辺りが
バリルートの山頂と同じなようで。
何はともあれお疲れ様でした!
石尾根&長沢背稜征服は自分も狙ってたので、
先にやられたっ!…て感じです(笑)
そうなんです、テン泊ではないんですよ、これが。
テントも考えたんですが、そうすると総重量が重くなって足が重くなり、せっかくのフライングのよさが活かせない。
そんなこんなで、どこまでいけるか的な挑戦でした。
そしてルートを入力して、初めて気づく事実。
水平距離で42Kmオーバー。なんか、燃えますね〜こういうの。
長沢背稜は静かで味のあるところでした。
またこんど、バリルートで行ってみたいなーと思ってます。
道迷いは、猛烈に反省です。
本当に小さな判断ミスを連鎖的にする瞬間ってあるんですよね。恐ろしすぎです。我にかえった時、ぞっとしました。
しかし、夜の恐怖にも関わらず、来週あたりもう一個フライング登山を計画しています。
先越されたところは、妄想を深めながら、いずれ到達しようと思います。
ふっふっふ。
ナイトハイク始めたんですね
最初は、風の音、草が揺れる音、動物の声でも怖いと思うし、
動物の目は光るから、慣れるまでは肝試し状態ですよね。
でも時間を有効に使えるメリットを考えると、一度達成感を感じたら
ハマりそうなカンジです。
と、いっても私は、全然その域に達してないですが
石尾根のお写真拝見していたら、また出掛けたくなりました
距離もすごいし、夜の怖さに戦ったのもすごいです。
小さいときから、暗いところがキライなので、昼間の暗めの山でも少々、嫌な汗をかいてしまうほど。
とても、ソロでナイトハイクなんて考えられません。
そして、その距離にも驚きます。
わたしのちび車なみ(笑)??
そんな時に道迷いとは、、、無事に戻れて何よりです。
このところ、山にいけずイライラ中のわたしですが、また近いうちに行くそうで、うらやましい。
がんばってください。
コメントありがとうございます。
ナイトハイク、はじめたというか、やってみたというか……。
正直なところ、やっぱり怖いですね。
谷筋を巻きあがってくる風の音って、本当に肉食系の動物の唸り声みたいに聞こえるんですよ。
クマ鈴、ふりまくりです!
今のところ、昼間にも通ったことのある山道じゃないと、怖くてだめですね。
そしてやはり、奥多摩はいいところでした。
私も石尾根大好きです。
何べん行っても、好きなものは好き。
そして、pippiさんのレコに刺激されて、紅葉ねらって明日の夜からフライングしようと思っています。
目指すは、「た」で始まるところです。
……不安でいっぱいです。
実は私も、夜の山は苦手です。
なんか夜の山は、人が入っていい世界じゃないような気がして。
闇が濃いんですよね、森の中って。
そのせいで、けっこうざわざわした気持ちになります。
道迷いには大反省ですが、ロングは大好きです。
行けるだけ行ったれー! みたいな感じが好きなのです。
おかげで念願の長沢背稜を行くことができました。
……マラソンより距離が長いってのは、自分でも驚いていますが。
日帰りにゃ長いが、泊まりにゃ短い、そういうところには、フライング登山はいいかもしれません。
kinokoさん山行けてないようで、大変ですね。
早く山に行けことを、祈ってます。
……私が近いうちにいく山は明日の夜に出発予定ですが、性懲りもなくフライング登山なので、不安いっぱいです……。
seizanryoさん、はじめまして。
私は1月に鳳凰に行く予定なので、12/22のseizanryoさんの記録をみつけ、「フライングって何?」と思っていたらこの記録を見つけました。
すごいですね〜。1時〜18時まで歩き続けるなんて。
42km
私がコメントを書きたくなったのは「コンパスに至っては、『携帯電話と一緒に持っていたので、携帯の磁気でコンパスが壊れたか?』などと考える始末。」
疲れてくると、そうなっちゃうんだろうな〜、と共感。
とても参考になります。
道を登り返せて何よりでした
コメントありがとうございます。
フライングね〜、そういうわけでした。
ちょっと無茶して、行動時間を長くします。
カモシカ登山というらしいですよ。
コンパスの件は、ほんとにねえ、いかんですよ。
自分に都合よく考えてしまってるし……。
人がミスする時って、大トラブルがいきなり、というよりは、小さなミスが連続して起こって大トラブルになるんだな〜と実感しました。
鳳凰、気をつけて行ってきてくださいね。
南御室小屋でテント泊でしょうかね〜。
鳳凰はどこから見ても美しいので、大好きなところです。
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