アイゼンで新世界 赤城山(アイゼンの可能性開拓)
- GPS
- 05:02
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 550m
- 下り
- 547m
コースタイム
- 山行
- 4:25
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 4:58
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
黒檜山→駒ヶ岳の周回コースでしたが、黒檜山への急登、稜線上、駒ヶ岳から大沼への下りの途中までアイゼン(6本爪)使用。 |
その他周辺情報 | 大沼のワカサギ釣りにもたくさんの人が出ていました。氷の厚さはまだまだ厚いようです。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
アウター手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
アイゼン
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
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感想
最近はあまり聞かなくなりましたが、子供の頃にはよく耳にしましたよ、「赤城の山も今宵限りか・・・」という国定忠治の名セリフ。でも、国定忠治っていったい何者で何をした人かはよく知らず(今だに)、このセリフだけが耳に残っていて、その赤城の山を遠くから眺めるたびにコレを思い出すワケです・・・なもんで、ずっと昔から赤城山=国定忠治なんですが、今回、初めて足を踏み入れました。まあ、ほかにもいろんな(エッ?なに、それ?・・・も含め)「初めて」が盛りだくさんの楽しい、キモチのいい、(&笑える)1日でした。
今回は、師範代、先月の宝登山に続いてゆーみん、そしてこのところちょっとツイてなかったナベちゃんの4人が久々にそろった山行です。
赤城山に行くと言ったら、やっぱりお父さん(ワタシらと同年代ですかね?)から「国定忠治のあの赤城山か」と言われて、すぐにはピンとこなかったゆーみん、宝登山では結局、使いませんでしたが、今回はアイゼンの使用がほぼ確実。山に連れ込んだ?者にヘルメットだのアイゼンだのを使わせて、無意識のうちにアルプスの難所に引きずり出している師範代の執拗でコトバ巧みな?悪魔のお誘いに、出発の数日前から混乱?というかすっかり毒されてしまい、かえって期待ワクワクだったようです。あぶなーい、ゆーみん。
本日は関越道方面ということで新宿西口に6時20分集合。先月もそうでしたが、ゆーみんには「中央フリーウェイ」なのに、「ゆーみんに関越道」の組み合わせがやっぱり良くないのか、先月に続き「中(低)速フリーウェイ」の「つっ関越道」。まだ早い時間だったにもかかわらず、所沢あたりから事故渋滞。今回はかなり長くつきあわされ、予定より1時間以上も遅れて大沼湖畔の「おのこ駐車場」に10時半頃にようやく到着、準備を終えて歩きだしたのは11時近くになってしまいました。
本日のルートは黒檜山から駒ヶ岳の周回コース。まずは赤城神社の先の黒檜山登山口まで湖畔を歩きます。大沼は完全凍結。こんな広い湖が一面凍っているなんていう光景をナマで見るのは、人間を60年近くやってますが、これが初めて。湖面にはカラフルなドーム型テントがたくさん出ていて、まだまだワカサギ釣りの最盛期。写真では見たことありますが、実際に釣れてるんでしょうかねえ、寒くないんでしょうかねえ、テントの中を暖かくしすぎて「ドボン」はないんでしょうかねえ。もうすでに標高は1300メートルを超えていて、登山の行程としてはそんなに大変ではないので、余裕があれば氷に穴をあけて釣り糸を垂れるのも悪くないなとか考えながら、白い湖面に鮮やかな赤の橋が目にまぶしい赤城神社のそばを通って登山口へ20分ほどで到着。
下山してきた人に雪の状況を聞いたり、ストックの準備をして、さて、登山開始。地図で見てのとおり、最初から等高線がけっこう詰まっている急登&ほぼ直登。最初こそ雪は見えませんでしたが、15分くらい登ったところでアイゼンを装着。いろいろたくらむ?師範代は自分のワンタッチ式6本爪アイゼンを惜しげもなくゆーみんに提供。自分は予備の4本爪軽アイゼン使用で余裕を見せます。ワタシも昨夏の白馬大雪渓以来の少し錆びたアイゼンを。
ゆーみんは初めてのアイゼンの感覚を多少のオドロキをもって、「アイゼンってスゴイですね。しっかりと雪面をグリップして」というような感想を述べながら再び登りはじめたところ・・・うしろから
「ちょっと待って〜。この雪面、かなり手ごわいなぁ〜。アイゼン着けてもまったく歯が立たんがな〜。」とナベちゃんの声・・・
師範代、「ん?!あっ、ナ、ナベちゃん、あ、あの、ウラとオモテが逆・・・」
あはははは、ネタと違います(いや、しっかり本稿のネタになってますけど・・・)
ナベちゃん「あらら、どうりで足つぼマッサージみたいに心地よい刺激が足裏から脳に伝わってきて・・・あはははは」
いやいや、始まってほんの20分ほどで本日のイチバンをぶちかましてもらいましたあっはっはっはっ。
アイゼンも
裏を返せば
ツボに効く
アイゼンの新たな活用法発見。
しばらく行くと「猫岩」。といいますが、結局、どれが何で猫岩というのか、さっぱりわからないまま通過。まさか人が通るたびに「にゃ〜お」と鳴くとか、そういう超常現象をひき起こすものではないと思いますが。
さらにその先をしばらく行くと「富士山スポット」。「アンテナ山の左どなりに見える」と標識が案内していますが、かなり霞んでいて、うっすらとも見えません。やはり本格的な春が近づいているんでしょうかね。眼下には純白の湖面にカラフルな点々、わかさぎテントの大沼。すぐ下に見えるので、やはり急登をまっすぐ登ってきたのがよくわかります。駐車場の師範代のスーパーカーもカメラのズームで確認できます。
「アイゼンの正しい装着方法」にマジメに従えば、たとえ急なところでもガシガシと登っていけます。が、ときたま、やむなくむき出しの岩の上に歯を立てると、あのゾッとする「爪たて黒板、キーーーッ」のような音がします。ゆーみんもその音を聞くたびにゾクゾク?ゾワゾワ?ミゾミゾ?してたようですが、登山道はたまに狭いところや凍結したようなところもあり、ツルッといって、イッキに「振り出しに戻る」ことになって、今宵限りの赤城山の頂上を極めることなく、やむなく「ワカサギ釣り」に興じるような事態にならないよう、アイゼンの表裏を確認して?慎重に歩を進めていきました。
下から山容を見る分には、雪はほとんど見えないのですが、ある高さから上には常に雪がありました。ふと立ち止まって一息入れるとき、上を見あげると葉の落ちた枝ごしに真っ青な空。風も弱く、とても気持ちがいい行程です。
登り始めてから2時間ほどで黒檜山山頂に到着。広く開けたところでしたが、標識はさらに2分先に「絶景スポット」と表示しています。これはどうしても行ってみねばなるまい、ということでその方向に進みますと、まさにさえぎるもののない広場。少し霞んではいますが西のほうに浅間山、はっきり見えるのは北から東方面。特徴的な山容の苗場山、そのとなりに谷川岳など上越国境の純白の山々、さらに右には至仏山、燧ケ岳から会津駒ヶ岳、白根山、男体山。あそことあそこと・・・頂点に立ったことのあるいくつかの山々を懐かしい思いをもって眺めるゼイタクな時間でした。それにしても冷たく澄んだ空気とハッキリ・クッキリ見える景色とアイゼンを装着して登ってきた雪道、これはもうほとんど「冬山」でした。これも初めての経験です。
少し休憩して各自で「もぐもぐタイム」したあと、黒檜山山頂に戻り、次に駒ヶ岳を目指します。鳥居のある祠を過ぎて、一旦大きく下ります。鞍部まで来て振り返ると青い空をバックに黒檜山。さらに登り返して駒ヶ岳山頂。黒檜山より150メートルくらい下った計算ですが、こちらの頂上はすこし狭い山頂です。
ここから先はひたすら下山。稜線上は雪庇ぎみになったところもありましたが、「地面と思って踏んだら地面がなかった」というようなことのないよう、注意して進みます。少し行ったところに「絶景スポットまで60歩」標識。60歩プラスαでこんどは関東平野方向の眺望スポット・・・ですが、視力22.0?あるいは超高性能花粉センサー?を装備したゆーみんによると、霞んでいるのは浮遊している花粉によるものにまちがいないとか。花粉か黄砂かPM2.5か、はたまたアノ国が放ったナゾの物質?のせいなのか、かなり霞んでいてほとんど見えません。帰りのクルマの中から見えたのは輪郭のハッキリわかる真っ赤な夕陽。珍しいくらいクッキリ&赤かったです。
下山は木製の階段や金属製の階段がけっこう多く出てきますが、しばらく下りたところでだんだん雪もなくなってきたので、お世話になったアイゼンを外します。が、またもや段に雪が張りついていて幅の狭い手すりのついた金属製の階段が出現。ここをやり過ごせばもう雪は出てこないと思ったら、アイゼンをまたつけるのも面倒なので、この金属製の階段はワタシもゆーみんもほとんど「すべり台」状態、シリセードで通過。雪と氷のあとは逆にドロ田状態のところも見えてきました。帰りの師範代のスーパーカー車内で「空気イス」の罰ゲームも避けたいので、ココも慎重に通過。駒ヶ岳山頂からは1時間ほどで無事下山しました。
駐車場に到着して帰りの支度が整ったら、ぜひ一度、凍った湖面を体験したいということで湖畔に移動。はじめて「湖上を歩き」ました。ワカザギ釣りの穴のあとを観察すると、氷の厚さは十分に「安心」できるほど厚いようです。ためしに春場所開催中ということもあり、日馬富士のように(もう、いません)シコを踏んでみましたが、まあ、予想通り何も起きませんでした。
ということで、たくさんの「初めて」を体験することができ、これまた「おもひでに残る」山行になりました。みなさんおつかれさまでした。
「赤城山」の言葉を聞くと(一定以上の高齢者)の多くは「赤城の山も今宵限りか」の名調子が頭に浮かぶ事でしょうが、その(一定以上の高齢者)に属する私も例外ではなく、今回の赤城山日帰り山行が決まった時、「国定忠治の山に行くのか!」と頭の中を例の名調子がループしていたものです。
谷川岳、日光白根山、八海山等へ向かう関越道北上の際、東方面から華麗なシルエットで私達を見送ってくれる赤城山、いつも眺めるばかりで「まだ行けてない百名山の1つ」として小さなわだかまり?があったものですが、やっと気持ちが晴れる時がやってきました(^^♪ お天気もバッチリ、山頂からの大展望を楽しみましょう。
そしてもう1つ、この2年間 春先(1月〜3月)山行の際に思った程の積雪がなく、 アイゼン持参が空振りに終わり、単なる「重り」の運び屋となっていましたが、「今回の赤城山は確実にアイゼン装着が必要となる」(^^)vと心強い事前情報が伝わり、ワクワクとした期待を胸に、ユーミンと私の分(4本爪&6本爪)2つのアイゼンをザック最上部に忍ばせました。 ついに「重り」から「装備品」への昇格です!
思わぬ療養生活を強いられ久々の同行となったナベちゃんも加え、この4名による山行は昨年6月の北八ヶ岳(天狗岳)以来9ケ月ぶり、恒例?の川越事故渋滞に巻き込まれ予定時刻より1時間以上遅れはしたものの、湖面一面が凍結しワカサギ釣りのカラフルなテントが並ぶ大沼湖畔の駐車場に降り立ちました。
ここから見る赤城の山々、冬枯れの山肌が見えており、積雪らしき兆候が全く見えません。「アイゼン不要か?」「今回も「重り」運搬かヨ(-_-メ)」(心の叫び!)
ふと頭の中をどんよりとした不安がよぎります(-.-)。
それはともかく時刻は10時30分過ぎ、さて出発です。
(登山ルート)
大沼湖畔から赤城山 最高峰の黒檜山へ登り展望を楽しんだ後、稜線を駒ケ岳方面へ
縦走後、再び大沼湖畔へ下りてくる時計回りコースを選びました。
(黒檜山登山口〜黒檜山山頂〜展望台)
登山口近辺ですれ違う下山者の方達は手に10本〜12本前歯付の本格アイゼンを抱
えています。 すかさず情報収集
「割とすぐ、20分も登ると雪道になるヨ」
「アイゼンがないと登れるかもしれないけど、まず下りてこれないヨ」
(ヨシヨシ!なかなか心強い事を言ってくれるではないですか!(^^♪)
さて登山開始、待望?のアイゼン装着ポイントは、15分程登った積雪が深まった
所で訪れました。(後述)
このコース、直登と言ってもよい程 標高差470mの急登が続きます。
標高が上がるにつれて 大沼が眼下に 上州の山々が目の高さに 高度感の変化を
楽しめるルートです。 黒檜山山頂到達後、約2分間のトラバースで大絶景の
展望広場に到着します。
(黒檜山山頂〜大タルミ〜駒ケ岳山頂)
一旦大タルミまで200mの標高差を下った後、登り返し約60mで駒ケ岳山頂に続く 縦走ルートは、東方に広がる関東平野、西方の浅間山、奥秩父方面の景色を楽しみ
ながらの気持ちよい稜線漫歩です。 途中にある祠、鳥居は古くから赤城山が信仰
の対象として人々から崇められてきた歴史が感じられるルートでもあります。
(駒ケ岳山頂〜大沼駐車場)
ジグザグと折り返しを繰り返しながら大沼湖畔まで300m超の下山ルート、木製&
鉄製階段の力を借りながら予想以上の急斜面を下りていきます。
おまけに階段、斜面が凍結していたり、雪に覆われていたり、文字通り「滑り台」
の登場に、時として「ア〜〜!」とか「また出た〜!」とかの声が山中に響いてい
ました。 案外、今回一番の難所はここだったかもしれません。
「展望ポイントからの景色」
好天の1日、南方は若干霞んではいるものの、この時期(冬季)ならではのクリアーな眺望が満喫できます。
北方には苗場山〜谷川連峰〜上州武尊〜尾瀬・会津〜日光のパノラマが、南方には、浅間山、奥秩父方面の山々、更に奥にはうっすらと南アルプスのシルエットも望まれます。 いったいいくつの百&二百名山を見る事ができるのでしょう? 自分が踏破した山々への思い出がよみがえり、未踏破の山々への期待が膨らみます。
山々への気持ちが次々と展開されていく醍醐味は、ここまで登ってきたからこそ味わえる特権なのでしょうね。
「アイゼンの威力」
今回山行のサブテーマ「アイゼンの地位向上(重りから装備への昇格)」について、
持参したのは、4年前 7月の涸沢カールの残雪に備えみんなで同時期に購入した6本爪軽アイゼンが3つと、10数年前 アイゼンを持たずに白馬大雪渓に到着した私が、麓の猿倉荘で臨時購入した4本爪の軽アイゼン1つです。
おかげ様で? 事前情報通り 赤城山全行程の7割以上はアイゼンを装着しその恩恵を被りました(^^)/。 見事に「重りからの脱却」に成功です(*^^)v。
「備えあれば憂いなし」と自分をなだめてきた従来の格言は
⇒「アイゼンなければ生還なし!」の新しい?名言を生み出しました。
(おそらく一般的な格言集に載る事はないと思います、、、(';'))
当日のルートにおいて、6本爪アイゼンの効果は十分に発揮されましたし、急登区間の一部では、10本爪以上の前爪が役立ちそうな雪面もあり、私の付けていた4本爪アイゼンでは効きが不足ぎみに感じた場面もありました。
正に威力を実感した初?体験となりました。
アイゼンに関して、同行のナベちゃんが久々のビックヒットを飛ばしてくれました。
ナベちゃんいつもコンスタントにネタを提供してくれますが、今回は 劔岳「カニのよこばい両手離し」以来の大ネタ?かと・・
黒檜山への急登、アイゼンを装着した私達は、山頂に向け雪がますます深くなり 所々凍結した山道を慎重に進めていましたが、私の前を歩くナベちゃん どうも歩きがしっくりきません! 私の目から見てアイゼンと靴との間に隙間があるようにも見えます(*_*) フローティングアイゼンなんてあったかな?と思いつつも後を着いていくと、斜度の増した凍結ぎみの斜面でズルズルと後退し、ついにナベちゃん「アイゼンが効かない」と言い出しました!
目を近づけてよ〜く見ると「ナベちゃん、アイゼンの歯が靴底ソウル側に立っているよ(';') これじゃ効くワケない!」と判明!!
「失礼しました。付け替えま〜す」「足つぼを刺激していたようなもの」の声が、、
至急ナベちゃん上下を入れ替え再装着して事無きを得ましたが、これが「足つぼマッサージ機能付きアイゼン」が開発された瞬間のドキュメントです。
時として思わぬ失敗(勘違い)から大きな発明が生まれる事があります。 いずれ「足つぼマッサージ機能付きアイゼン」が登山ショップの店頭に並ぶ日が来るかもしれません。 その暁にはナベちゃん、長く後世に名を残す偉人となり「災い転じて福となす」格言の実証者となる事でしょう。
しかし「足つぼマッサージ機能付きアイゼン」が飛ぶように売れる事への疑問!
はたして装着し歩いている内に靴底が穴だらけ(>_<)になるアイゼンがどれ程の支持を得られるか? はなはだ疑問に感じている私でもあります。
(まとめ)
いつも眺めるばかりだった「赤城山」、ようやくその懐に入る事ができました。
コンパクトながら、コース、眺望、歴史、周辺の雰囲気どれをとっても一級の雰囲気が感じられるすばらしい山でした。
次に関越を北上する時、赤城山の容姿は より親密感を持って見送ってくれることと楽しみにしています。
お疲れさまでした。
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