塔ノ岳周回☆マルガヤ尾根↑木の又新道↓
- GPS
- 07:18
- 距離
- 16.6km
- 登り
- 1,379m
- 下り
- 1,564m
コースタイム
- 山行
- 6:07
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 7:11
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
マルガヤ尾根には一般登山道なし 木の又新道は登山路とはいえかなりの難路 書策新道は崩落箇所が複数あり 本谷を渡って(下降)から丸太橋崩落地点横断は、一般登山者の単独通過は特に危険。丸太橋崩落前でも過去に死亡事故が多発していたので、表尾根から書策新道を下降しないでほしい〜〜〜とのFT氏の言 |
写真
感想
新緑が山の彩りをがらりと塗りかえていく様はあまりにも早い。わずか10日ばかり前に大山から弘法山まで縦走したばかりだが、小田急線から眺める丹沢は下のあたりはすっかり萌木に彩られている。
朝の車窓から眺める丹沢の山々は稜線には雲がかかっているが、今日の登山の主な目的は稜線からの展望がないとしても今日は気にならない。というのも、本日の目的はあくまでも魅力的なヴァリエーション・ルートを楽しむことにあるのだから。
この日はFT氏に随行させて頂くのだが、毎週のように丹沢に通う氏に同行させて頂くのも、通常の一般登山路を期待してのことではない。ご提案頂いたのはマルガヤ尾根を登り、木の又新道を下るというもの。いずれもヤマプラの地図には載っていないヴァリエーション・ルートだ。歩き慣れない山域ではいきなり難易度の高いヴァリエーション・ルートに入るのはいささか勇気がいるが、庭のように丹沢を知り尽くされている氏に随行させて頂くのは極めて大きな安心感がある。
県民の森までタクシーを使い、大倉からの林道きをショートカットさせて頂く。沢沿いでは萌木の緑が最も色鮮やかな時期ではないだろか。稜線を見上げると白いカーテンをさっと引くように雲が晴れてゆく。二股を過ぎると間もなく尾根の取り付きにたどり着く。
マルガヤ尾根に入ると最初は植林地の中の急登である。踏み跡は明瞭である。氏によるとこの数年でこのコースを辿る登山者がかなり多くなり、踏み跡が明瞭化したとのこと。植林地を過ぎるとなだらかな落葉樹林の尾根になる。青々とした葉をつけているのは専ら馬酔木だが、どの株も満開である。同じく満開のミツバツツジの赤紫色と山桜の控えめなピンク色が細尾根を彩る。
マルガヤ尾根は他のヤマレコでも書かれているように、間違えて入りこみやすい支尾根が非常に多いようで、このコースを難しくしている大きな要因のようだ。自分のみであれば、何度、地図やGPSを取りださざろうえないだろう。ルートが完全を覚えておられる氏には地図を取り出す気配はまったくない。入りこんだ場合の下山の方法など、丁寧にご解説いただきつつ進んでいかれる。新緑が芽吹いているのはモミジが目立つ。このあたりは紅葉もさぞかし美しいことであろう。桜の木々はまだ蕾である。
細尾根と呼ばれるヤセ尾根が続くあたりを越えて急登をひとしきり登ると木立の無い広場にでる。文字通り無木立広場と呼ばれるところらしい。満開の馬酔木が広場を縁取り、南側は箱根外輪山の山々の好展望に恵まれる。無木立広場を過ぎると、さすが鍋割山である。ブナが目立つ。山稜に至るまでの緩やかな登りになると、「いつもここが怠くて厭だ」とおっしゃる。緊張感のないルートは面白くない、というのは氏の美学がそう云わしめるのであろう。それにしても、70歳を過ぎた方が放つ言葉には思い難いというのは、失礼だろうか。
緩やかに尾根筋を辿って、鍋割山稜に上がると、鍋割山の向こうに富士山が美しい。前回に塔ノ岳から鍋割山に周回した際にスマホのバッテリーが、ここからの富士山を写した直後に切れるたので、ここからの富士山の光景が殊更、印象深かったことを思い出す。鍋割山からも綺麗だが、よくよく考えると鍋割山が前景に入るからこそ素敵なのかもしれない。
鍋割から塔ノ岳への尾根筋はよく知られたブナ美林である。前回の山行でも思ったのだが、私のホーム・グランドである北山や比良山系のブナ林を想い出させ、懐かしい感じを抱く。随所で立派なブナの樹が立ち顕れる度に私が立ち止まってカメラを構えるので、ペースを落としてしまう。
金冷やしのあたりから塔ノ岳への登りになると、林相がかなり異なってくる。ところで、前回は殆どが雪道だったなだが、雪がなくなった登山道では木の階段や木道が非常に多いことに今更ながらに気がつく、というより明らかに不必要と思われる木道や階段に辟易してしまう。
塔ノ岳はやはり相当な賑わいである。山頂からの光景をカメラに収めると早々に山頂を辞し木の又小屋を目指す。木の又小屋は週末のみよ営業らしく、残念ながら閉まっている。軽く昼食を済ますと、いよいよ木の又新道の下りである。
下りはじめは刺々しい枝を伸ばす野茨が多い。氏はこの野茨に対処すべく鋏を持参して下さっていたのだが、最近になって刈り込まれた気配があるようで、お陰様で難儀することなく通過することが可能であった。ホソノノ尾根と呼ばれるらしいが、こちらも好展望た。そして支尾根が多いが、要所要所にピンクテープが巻かれてある。何しろ随行させて頂いているのはテープを巻かれたご本人なので、テープのついている樹の位置まで把握されておられるようだ。
書策新道と合流すると踏み跡がより明瞭だ。とはいうものの、氏が書策新道と教えて下さったのでそれと判別出来るが、道標もなにもないので、自分一人であれば合流したことに気がつかなかったかもしれない。
書策新道に入るとまもなく沢を渡るのだが、ここで登山道が崩落している。斜面には落ちた樹が転がっているのだが、氏が2月の末にここを通過したときにはこの崩落はなかったようなので、その後の降雨で崩落したものらしい。樹の根を伝って崩落箇所を何とか通過する。あとは植林地に入り、作治小屋まではまもなくである。
作治小屋から見上げると左手に源次郎尾根、右手に政次路尾根、その間に塔ノ岳から新大日への稜線を見上げ、氏が仰るように上高地を想起させる美しい光景だ。冒頭に天気は意に介さないと書いたが、改めて好天に恵まれて良かったと思う。
作治小屋からの林道はウツギやヤマブキ、キイチゴの花々が林道を鮮やかに彩っている。氏の奥深い蘊蓄に耳を傾けているうちに大倉までの長い林道歩きもあったという間に感じられた。大倉では花壇には満開のチューリップが見事であった。週末はチューリップ祭りらしい。
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