【自転車パスハン】★行くぜ戦争遺構´Д`)、そして伊豆の英ちゃんを発見!? 河津(荻ノ入林道ー諸坪峠ー白川林道)ー松崎(県道121・蛇石峠)ー下田
- GPS
- --:--
- 距離
- 73.8km
- 登り
- 1,478m
- 下り
- 1,492m
コースタイム
伊豆半島は地形が急峻で、陸路よりも海運が主体であった。
※唯一の本土連絡路・天城越えの下田街道が整備されたのが明治37年。海岸廻りの国道135・136号の原型(馬車道)が開通したのが昭和10年代。伊豆急行の開業が昭和36年という遅さである。
海岸線に点在する各集落を結ぶ陸路も、地形の急峻さから”しょぼい道”しか付けられなかった。唯一の例外として二大都市の松崎ー下田間を結ぶ街道が挙げられる。
メインの婆娑羅峠ルートが実に強力で、その裏にも蛇石(じゃいし)峠ルート、島見峠ルート、そして今回の諸坪(しょっつぼ)峠ルートなど幾つかのサブルートが渡っている。
この松崎ー下田ルート+天城越えルートこそが、伊豆半島陸路の骨格である。
※稲取・熱川・伊東・戸田などは海岸道路ができるまでは相変わらず陸の孤島であったようだが(^^;
この諸坪(しょっつぼ)峠ルートだが、事前に”戦争遺構”戦線鉱業仁科鉱山があることを知ってしまった。
その概要を紹介しよう。
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この峠に存在した廃鉱は”戦線鉱業仁科鉱山”といい、1930年代からアルミニウムの原料の明礬石(ミョウバンセキ)を採掘していた。アルミの良質原料は一般に海外輸入のボーキサイトだったが、太平洋戦争も終末に近づくと日本は占領地を失い、また占領地からの流通網も崩壊した。
そこで国は戦争末期の1945年、西伊豆の明礬石からのアルミ調達に力を入れたのだった。
鉱山現場での労働力は、占領地の中国・朝鮮から強制連行で賄ったが、死亡率は50%以上という過酷さだった。
人権平和浜松 〜西伊豆明礬石鉱山
http://www.pacohama.sakura.ne.jp/kyosei/nisiizu.html
強制連行された中国人は二〇〇人であったが、連行途中で二二人が死亡、労働現場で八二人が死亡、計一〇四人が死亡している。死体は山の中に埋められた。それらは一九五四年、村民たちによって発掘され、追悼された。「興亜建設隊」、これが中国人につけられていた名称であった。
戦線鉱業の元事務員によれば、地元労働者(白川・仁科)は一ケ月二五円ほどの賃金を得ていた。中国人は少しの食糧で働かされ、少しでも仕事をおろそかにするとムチで打たれ、苦痛なしごきをうけていた。逃亡して捕った者は天井から逆さまにつるされ、ムチで打たれていた。「ただ少しの、食料をあてがわれ、むちでたたかれながら、仕事をしていた奴隷がいたのだ」という(県立松崎高校社会科編『父母に聞く戦争体験』二一頁)。
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7:45今井浜海岸駅(河津川遡上)ー9:00河津七滝(荻ノ入林道)ー10:35諸坪峠(730m・白川林道)ー戦線鉱業仁科鉱山跡・中国人鎮魂碑(静岡県道59)ー12:10松崎港12:40(静岡県道121・119)ー蛇石峠(324.4m)経由下田へー14:40伊豆急下田駅
天候 | 5月末にしては強い東風・やや寒 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
伊豆急・今井浜海岸駅まで輪行 帰り 伊豆急・伊豆急下田駅から輪行 全線自転車を使用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■■■■ 閲覧注意‼ 戦争遺構だけに刺激的な画像や文言が掲載されています ■■■■ 荻ノ入林道・白川林道:車止めゲート付きですが、許可を受けた自動車は進入してきます。交通ルールを守り事故に注意してください |
写真
装備
個人装備 |
ロードレーサー+SPD(歩ける自転車靴)
|
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感想
前夜、翌日の山行を思い吐き気を催す。。
出されたモノは全て食べるおいらではあるが、楽しいレジャー前日に吐き気とは、もはやレジャーではない。
そして初夏に係わらず、伊豆急の車窓には鉛色の曇天と東寄りの強風、荒れた海。。
もうサイテー!!(爆)(爆)
最大の吐き気の原因は、目的の諸坪峠の松崎側にある”戦線鉱業仁科鉱山跡”での中国人強制連行と労働である。公式の死亡率は50%を超えているが、公式に記録されていない朝鮮人を加えれば更に死者数・死亡率ともに跳ね上がるのではないだろうか??
踊り子の下田街道から分岐して、諸坪(しょっつぼ)峠・730mを越える。
道中・誰にも会わない。線径も植生も爽やか。江戸時代後期の煉瓦窯跡などがある。沢に掛かる橋は昭和40年前後の橋銘板である。この時期に自動車道として拡張されたらしい。ホトトギスが鳴く佳い径だ。
※前回の大鍋越ルートの橋銘板は昭和46年主体で、諸坪ルートのほうが自動車林道としての整備が早かったようだ。
中国人鎮魂碑
海抜0mから湯ヶ野を抜けて730mの峠を越えて来たのだ。少し下れば鎮魂碑。今は石垣のみ残る最盛期には2000人程度が住んでいた寮という。
戦争は人間の仕業です(ヨハネ・パウロ二世)の言葉を噛みしめる。ひとしきり涙を流すとふっと肩が軽くなった(^^
廃鉱への道は紹介するサイトへ。
ここから先はおいらの領域ではない
鎮魂碑を越えて白川林道を西伊豆・松崎へ向かう。強制労働の廃鉱山から明礬石(アルミ原料)を運んだ道でもある。
遠雷に見上ぐる頬の堕涙かな ほの香
この村の悲しみ告げよほととぎす ほの香
あの夏の過ちの碑に苔もなく ほの香
12:10 松崎港。外食する気分にもなれず、山田エルフちゃん(爆)からのナポリタンの差し入れ。疲れた心にチョー柔らかいなw
食後にのんびり松崎の旧道(生活道)を走っていたら
”まゆ玉人形体験教室”との看板?? 松崎(南伊豆の漁業鉱業の海運町)でまゆ玉??とかふざけんな(爆)
入場した先には、、松崎製糸場とかマジ?? 明治9年とな??
■■かの官営富岡製糸場は明治5年の開業だ。
松崎製糸場には富岡で学んだ松崎工女さんの血が入っているに違いない。。
学芸員と話したところ、富岡で学んだ伊豆の工女さんたちが地元の新規・松崎製糸場に戻り指導をしたという(爆) アタリ棒(^^
※富岡日記の著者、長野・松代の”えいちゃん”(横田英)は、明治6年2月・長野県松代より富岡製糸場を目指した一人で後に地元の製糸場で”富岡仕込み”の指導にあたった。これを”富岡流”という。
・近々に松崎の図書館を訪ねてみよう。松崎の英ちゃんの名前も知りたいしね(苦笑
夏桑や辻には古き道祖神 ほの香
田の水に広く天城の田植えかな ほの香
野仏に声かけて飲む清水かな ほの香
わさび咲く伊豆松崎の絹の道 ほの香
堕涙してビールの泡に事もなし ほの香
滝落ちて道はいよいよ九十九折れ ほの香
玉繭の浦に揃うて富岡流 ほの香
参考:諸坪峠の廃鉱に関してはこのサイトが詳しい。
仁科の「戦線鉱業 仁科鉱山」跡を訪ねる〜その1
http://kodou.lolipop.jp/nishina-sensen1.htm
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