イドンナップ岳、新冠富士の山頂看板設置(新冠ポロシリ山岳会活動)
- GPS
- 36:09
- 距離
- 18.5km
- 登り
- 1,589m
- 下り
- 1,586m
コースタイム
天候 | 6/9曇りのち雨、6/10晴れ(イドンナップ山頂、標高1200m以下はガス) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口から取り付きまでは林道、渡渉が続きます。取り付いてから新冠富士までは笹藪地獄です。当日は寒かったですが、日高恒例のダニも多く、私だけで3匹つきました。斜面トラバース箇所ではこの笹で滑りやすいです。新冠富士からイドンナップ山頂はハイマツ地獄です。すねを何回切り株にぶつけたことか...青たんだらけになってます。 |
その他周辺情報 | トラブルから下山に手間取って22:00近くに下山したため、温泉は諦めました。レ・コードの湯に入りたかったなぁ。 遅い晩ご飯は帰りがけに厚真のセコマで納豆巻き!閉店間際にもかかわらず対応してくれた店員さんに感謝です。 |
写真
装備
個人装備 |
テント
グランドシート
ペグ
エアーマット
シュラフ
アウター(薄)
フリース
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
キネシオロジータープ
グローブ
予備グローブ
雨具(上下)
日よけ帽子
ストック
登山靴
ゲイター(薄)
軽アイゼン
ザック70リットル
夜ご飯1
昼ご飯2
朝ご飯1
行動食(チョコ
塩キャラメル
柿ピー)
ハイドレーションキット+飲料(5リットル)
浄水器
ガス
コンロ
コッヘル
万能ナイフ
座布団
地形図
計画書
筆記用具
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池(スマホ
携帯
ヘッドランプ用)
GPS
保険証
JRO登録証
高度計付腕時計
サングラス
カメラ
熊鈴
熊スプレー
タオル
ビニール袋数枚
ティッシュ3つ
ウェットティッシュ1つ
携帯トイレ
虫刺され薬
マスク
日焼け止め
時計
シート
アイゼン
ガスストーブ
クッカー
サンダル
ラジオ
エマージェンシーシート
キネシオロジーテープ(予備)
ファーストエイドキット
痛み止め
お風呂道具(歯ブラシ忘れない)
着替え
虫除けスプレー<br />鋸
なた
ダニよけ。
|
---|
感想
【お山紹介】
今回はイドンナップ岳と新冠富士。日高のお山です。標高は、イドンナップ岳が1752m、新冠富士が1667m。イドンナップ岳は北海道百名山の一つで、その中でも登頂が最難関とされています。北には幌尻岳、東にはカムエク、1839峰などの日高を代表する山々が連なり、壮大な景色が広がります。
人が入ることが非常に少ないため、登山道はかなりの区間で廃道に近い状態になっています。標高1500m以下では笹藪が、以上ではハイマツが生い茂り、道に迷いやすいく、またアップダウンが何回もあり、非常に困難を伴います。マダニの生息も有名で、色々な意味で単独登山は極力避けた方が無難です。
【地質】
産総研地質図Naviによれば、中生代白亜紀の付加体とあります。海底で堆積・形成された岩盤プレートが西側のプレート下へ沈み込む際に、はぎ取られて西側のプレートへ付加されたものらしいです。
↓産総研地質図Navi
https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php#14,42.62425,142.64470
【移動】
札幌からは高速を使っての移動です。道央道を南下し、苫小牧東ICから日高自動車道に入ります。あとは現在の終点の厚賀で下りて、一般道に入り、30分ほどで到着です。高速が厚賀まで延びたため、とにかく楽ちん。2時間程度で集合場所の新冠町泉生活館に到着しました。
【山行】
新冠ポロシリ山岳会の活動で山頂標識(看板)の企画があり、ふと「自分も少しでもみんなの役に立ちたいな」と思い、参加してきました。
集合は6:00に泉生活館。出発前の資材確認で部品が少ないことが判明。買い出しで出発が遅れ、8:00過ぎに出発。このタイムロスがあとで痛い目に。
荷物は資材組、テント組で分けあう。で、登山口のある新冠ダム湖畔まで砂利道を1時間車で走る。ううむ、とんでもない山奥だ。
10:00前、会長さんの挨拶でスタート。序盤はサツナイ沢を渡渉(水は少ない)しながら移動です。標高480m手前くらいで左岸の尾根に取り付く。いきなり急登かと思いきやすぐに作業道が現れ拍子抜け。ここからは標高800mまで作業道沿いにだらだらと高度を稼いでいく。
稜線に入ると登山道の顔つきが一変。アップダウンが激しくなり、笹藪の連続。道があっても土が不安定で滑りやすい。疲労が蓄積するのに加え、更に雨が降ってきて状況悪化。雨脚は徐々に強くなり、更に大きくタイムロス。会長さんの判断で1280m付近でビバーク決定となりました。こんなこと初めてだぞ。平場を見つけてテント設置しその日は終了です。
翌朝、4:00前に目が覚める。テントを出ると青空が広がり、素晴らしい山行の予感。5:00過ぎに今日の山行開始です。
「昨日の遅れを取り返さねば」と思うも濡れた靴とカッパ、夜中に凍った笹藪、正直気持ちの面で辛い。しかし看板設置の使命感から先に進む。
標高1500m地点だったであろうか、視界が開け新冠湖が見え絶景が目に飛び込んできた。癒やされるなぁ。これでやっと前向きになる。
再び歩き出すと幌尻岳が見えだし更にテンションアップ!しばし歩いて祝!新冠富士登頂!幌尻岳を始め、カムエク、1839峰と日高の山々がお出迎え。とんでもないご褒美でした。しかし時間が無いためさっさと看板設営し(写真撮るまもなく)イドンナップ岳へ向かう。会長さんはここでお留守番です。
イドンナップ岳へは高度差は低いもののアップダウンの連続で、一部残雪が残っていましたがハイマツ地獄を抜けます。一体何回ハイマツの切り株にスネをぶつけたことか。都度涙が出てきました。。。
歩いていると徐々にガスに包まれ視界ゼロに。意気消沈の中歩き続け、最後のコルを抜けて、祝!イドンナップ岳登頂!まさか自分がこの頂きに立つとは...一生ないと思っていました。景色があると良かったなあ。
視界がないことからすぐに看板設置し、帰路につく。みんな看板を見に来てくれるかな?でもこのお山、厳しすぎるよな。でも見て欲しいな。
新冠富士への帰り道、ガスが抜け、視界回復。振り返るとイドンナップ岳の荒々しい山容が目に飛び込んできた。これが人を寄せ付けない山なのか...一気に感動がこみ上げてきました。いい山だ。
新冠富士へ戻ると会長さんが満面の笑みでお出迎え。このルートを開拓した人だけあって、今回の山頂看板設置は一際嬉しかったようです。
少しの休憩の後、下山開始。雲海が広がり、日高の山々のピークが雲から顔を出すとんでもない景色にとっても名残惜しい。
下山は淡々と下りていきます。テン場に到着しテント回収。再度下山開始するも少し進んでハプニング。笹で左足を滑らせ、右足で踏ん張ったため足首をくにゃり。90kgの体重が全部右足に掛かってしまい、更に悪い状況に。「いってー(涙)」。途中まで何とかみんなのペースで歩いてましたが傾斜がきつくなると流石に辛い。最後尾を歩かさせてもらいました。皆さん、すみませんでした。。。
しかし長い。徐々に個々のペースが乱れ、下りの影響もあったが疲れもあり転倒が続出。1000m付近まで下りたところで真っ暗に。ヘッデン照らして22:00前に何とか全員無事に下山しました。いやぁヤバかった。遭難寸前といってもおかしくない。いい勉強になりました。
電波の届くところまで更に1時間移動。23時に家に連絡したところ、奥様から心配とともにがっつり怒られました。。。そりゃそうだ。携帯の届かないところでの登山は時間管理とビバーク術が必須ですな。
行くことはないと思っていたイドンナップ岳。しかも山頂標識(看板)設置もでき、非常に満足山行であった。色々と課題はあったが、今後の登山の勉強だったと考えよう。
【注意!】
ここで皆様へ。とにかく大変なお山です。単独は避け、ビバークできる準備をお願いします。それと地形図読み、GPS を使用出来るように。笹藪で登山道がはっきりせず(暗くなると踏み跡がほぼ見えなくなります)、また尾根が幾重にも分岐していることから、かなりのスキルが必要です。水も余分に、また寒さ対策も必須です。とにかく無理は禁物のお山です。
下山から2日立ちましたが右足首はぱんぱんに腫れてます(不思議に痛みは小さい)。今週末は山行ダメだね(奥様の視線が...)。ちょっとゆっくりして次のお山を考えようっと。さてさて、次は何処に〜。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
おはようございます。
山頂標識設置はフェイスブックの投稿で見ましたが
メンバーにyo-sha さんがいたとは!!
標識と写る皆さんの笑顔が素敵でした。
イドンナップは私には無理かな・・・(^_^;)
でも新しい標識を見に行ってみたいです。
捻挫、早く治るといいですね。大事にして下さい。
ikenoyaさん、こんにちは。コメントありがとうございます!
FBで見られてましたか。つば付きの帽子を被って黄色のカッパを着ていたのが私です。正体がバレましたね(笑)。
この山はとても難しい山です。登ること自体はそれほど技量はいりませんが、いかんせん踏み跡をロストする可能性が高く、地形、ルートを読み取れる技量が求められます。
しかも笹藪、ハイマツ区間が長いため、体力もかなり使います。単独日帰りは、よほどのスキルがある人だけができると思ってください。ビバーク道具、食料もあった方がいいですね。
今回はビバークで不整地に何とかテントを張りました。新冠富士でテン泊は可能ですが、そこまでテントを担いでいくのが大変です。行かれる際は一度でもイドンナップを登ったことがある人に同行してもらうことをお勧めします。新しい標識、ikenoyaさんに是非見もらいたいです(^^)v
捻挫、お気遣いありがとうございます。なかなか腫れが引かないです。年ですね。。。今週末は大人しくして、次のお山を考えてます(涙)。
yo-shaさん、皆様、ほんとお疲れ様でした!
ほんとに厳しいお山なんですね、レコから十分伝わりました。
素敵な標識、見たい気持ちはあるものの、私と妻では無理かなぁと思います。
皆さんとレベルは違いすぎますが、厳しい山行で最後の下り、足腰が言うことをきかないのはよくわかります。無事に下山できてなによりでした。そりゃ奥さまも心配しますよね!
FBも確認させていただきました やり切った感満載のyo-shaさん、カッコよかったですよー
jei-boyさん、こんばんは。コメントありがとうございます!
久しぶりに心底疲れました。初日の出発遅れと雨、それに伴う行動遅延が疲れを増加させました。転び始める人が出始めたときはちょっと焦りました。難しい山であるほど気を付けないといけないですね。勉強になりました
標識、是非見てもらいたいです。日帰りでも15時間くらいを見込む必要があるため、ビバーク準備は必要です。笹のトラバースがとにかくキツイです。ぜひチャレンジしてみてください。絶景が待っていますよ〜
本当に無事に下山できて良かったです。奥様にはそのうち何かおごってあげないといけないですね。そういう我が家も食いしん坊夫婦(笑)
FBご覧になられましたか。ちょっと恥ずかしいですね
でも達成感は半端なかったです。ありがとうございました
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する