出羽三山を巡る【湯殿山→月山→羽黒山】
- GPS
- 15:30
- 距離
- 27.4km
- 登り
- 1,159m
- 下り
- 1,894m
コースタイム
- 山行
- 6:27
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 7:36
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 9:16
GPSログの記録不備のため,一部は手書きでルートを書き足した.
天候 | 14日: 湯殿山参籠所を出発した時は曇りときどき晴れ.姥ヶ岳以降はガスがかかる.姥ヶ岳〜月山山頂間ではたびたび雨が降った. 15日:月山の上ではずっとガスがかかっていた.弥陀ヶ原以降は晴れ間が見えた.麓では晴れときどき曇り.羽黒山では強いにわか雨が降った. |
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過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
・湯殿山有料道路は07:45にならないと開かない.17:20には閉鎖される ・月山2合目→羽黒山頂間はバスで移動.所要時間は30分程度 ・羽黒下山後に湯殿山参籠所までバスで移動(所要時間は約1時間).駐めていた車をピックアップして,実家に戻った. |
コース状況/ 危険箇所等 |
・全体的に踏み跡はしっかりしている. ・一部分岐点での標識が不明瞭だが,地図を見れば迷うことはない. ・ガレ場の区間は石段状に整備されている 【区間ごとの路面状況】 ・湯殿山参籠所〜湯殿山神社:舗装された1車線道路.やや見通しが悪い. ・湯殿山神社〜装束場 (月光坂):水が流れるガレ場(水月光),乾いたガレ場(岩月光),ハシゴ場(金月光)など急坂が連続する ・装束場〜金姥〜牛首:森林限界を超えた稜線の道 ・牛首〜月山山頂:鍛冶月光と呼ばれるガレ場の急坂 ・月山山頂〜弥陀ヶ原:緩やかな稜線の道.一部ガレているが,急な難所はない.路面は岩や礫が敷き詰められており,デコボコしていてやや歩きにくい.弥陀ヶ原は一部木道が整備されている. ・弥陀ヶ原〜月山二合目:舗装された1車線道路.見通しが悪い.歩行者のための休憩スペースなどはない. ・羽黒山山頂〜随神門:参道として石段・石畳が整備されている.雨で濡れた石段を歩いたが,トレッキングブーツではほとんど滑ることはなかった. |
その他周辺情報 | ・湯殿山参籠所には売店・休憩スペースあり. ・羽黒山山頂,随神門周辺には売店多数. |
写真
感想
山形県に生まれ育って,一度も月山に登ったことがなかった.
山形県に高山は数あれども,月山こそがもっとも山形県を象徴する山である.
また,芭蕉のおくのほそ道を読んで,出羽三山の巡礼にも挑戦してみたくなった.
そこで今回は,出羽三山の縦走を試みた.
【見所・ハイライト】
● 湯殿山神社・月山神社・羽黒山神社
出羽三山全体として,登山道や神社の周囲には石像や石碑が多く,宗教色が濃い山だった.本来は神仏混淆の修験道だったらしいが,明治初年の廃仏毀釈で,神社とお寺が分離されてしまったらしい.仏教色の強いオブジェ(お地蔵様とか,仏像とか)が多数ありながら,主要な建物がすべて「神社」だったのには少々違和感があった.
● 月山の高山植物
オニアザミ,アキノキリンソウ,ヤマハハコ,タテヤママツムシソウ,シロバナトウウチソウなどが咲いていた.とくにオニアザミが多かった印象.下記のガレ場が多かったのと関係しているのだろうか?一方,時期を外したためか,偽高山帯特有のニッコウキスゲには全く出会わなかった.たくさんの高山植物を見かけたが,まだ名前を特定できていないものがある.
時間の都合上,弥陀ヶ原でゆっくり高山植物を見ることができなかったのは,残念だった.
● 月山山頂部の雪食地形
金姥〜弥陀ヶ原の月山山頂部にはところどころに雪渓が残っていた.その周囲は必ずガレ場になっていた.おそらく「雪窪」とか「雪食凹地」と呼ばれる雪渓による浸食地形(雪食地形)だと思われる.一見,月山山頂部は平坦でなだらかに見えるが,実際に歩いてみて地形の凹凸やガレ場が多かったのは,この雪食作用によるものか
● 羽黒山の杉並木と爺杉
羽黒山から手向集落へは杉の巨木が林立する中を石段で下ってゆく.巨木のの存在感と生命力にただただ圧倒される.重厚な雰囲気を感じながら,石段を下っていった.とくに爺杉は必見.
【雑感】
月山六合目から羽黒山までバスに乗る予定だったが,乗り損ねてしまった.次の便までかなり時間があったので,羽黒山まで歩くことにした.しかし,舗装された道を歩くのは両足に負担がかかるもので,途中で両膝が痛くなった.月山二合目で徒歩移動をギブアップし,そこから羽黒山頂までバスを利用した.
今回の山行でとても心残りなのは,月山山頂にいるときはガスがかかり,楽しみにしていた山岳展望が全く得られなかったことだ.とくに弥陀ヶ原から鳥海山を眺めてみたかったのだが,全く見えなかったのは残念だった.
印象的だったのは,出羽三山では自然と宗教が共存していたことだ.月山山頂にはあれだけ大きな神社があり,多くの人がお参りしていた(三山講の石碑も多数建っていた).一方,神社のすぐ横には高山植物のお花畑が広がっていた.高山特有の荒涼とした風景と,神社というとても人間臭い建造物が隣り合っていたのは,不思議な光景だった.標高2000m近い山で,ここまで宗教色が強い山も珍しいのではないか? (あとは富士山,立山,御嶽山,白山くらい?) 今回の山行でも,登山道で白装束の行者と何度もすれ違った.
日本の山岳信仰とその歴史の一端を覗き見ることができた山行だった.
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