記録ID: 1570459
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無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖
悪沢岳&赤石岳【転付峠からの南アルプス南部周回】
2018年08月26日(日) 〜
2018年08月27日(月)
Janine
その他2人
体力度
10
2〜3泊以上が適当
- GPS
- 24:07
- 距離
- 61.3km
- 登り
- 5,927m
- 下り
- 5,912m
コースタイム
1日目
- 山行
- 9:09
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 10:43
2日目
- 山行
- 10:47
- 休憩
- 2:29
- 合計
- 13:16
16:25
ゴール地点
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
○発電所に駐車スペース10台位あり。 ○登山口手前にも路肩に3台くらいの駐車スペースはありますが、大して離れていませんので、発電所の方がいいかもしれません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○筆者の山行。南アルプス南部に突入。 ○ずっと行きたかった悪沢岳&赤石岳 ○いよいよ叡者の赤石求めて「修羅の国」へと潜りこみます。遂に長い戦いが始まります。 ○筆者はこの二山を日帰り(沼平まで車。そこからの林道をマウンテンバイク。さらに赤石岳&荒川岳の周回。)で考えていたのですが、駐車場まで車で4時間30分(往復9時間)、マウンテンバイクで約1時間(往復2時間)、周回の標準CT約20時間と気軽に挑戦するには、非常に重たい山行のため、相当躊躇していたのです。決して逃げていたわけではありません。(^_^) ○ご承知の通り、この二山に登るには、基本的には東海フォレストの登山バスに乗り、椹島から周回するのが一般的です。朝イチのバスに乗れば、健脚者ならば一泊で二山の周回が出来るはずです。 ○筆者もこのことは、それとなく知っていたのですが、普通に登るより、山梨県から峠を越えて静岡県に入る一捻りのルートを考えていたのです。 ○そうです。今回の副題は「とっても遠いね。悪沢岳」と決めたのです。(^_^) ○下記に述べますが、このルートは正に「修羅の道」でした。安易にすべきルートではありません。🙇♂️ ○山と高原地図を見ていると千枚岳や悪沢岳の登山口となる二軒小屋までは、伝(転)付峠を越えていけば行けるようです。破線のルートとなっているようですが、特に注意点なども書かれておらず、昔は旅人も通行した峠ということで一度行ってみたいと思っていたルートでした。 ○何よりも甲府から登山口まで近い。静岡まで行って東海フォレストのバスに乗らなくても良い。山行時間も適度にあり充実感もあるということで、メンバー1&2に声を掛けたところ賛成票多数で今回のドマゾ山行が実施されることと相成りました。 ○実のところ、当初、北アルプスを予定していたのですが、天気がイマイチで、山行日前日に、二日間とも快晴予報の南アルプス南部となりました。 ○そんなことで、ほぼ事前学習なく山行突入。これが修羅の道への始まりだったのです。🙇♀️ ○ルートの事前学習はしませんでしたが、山行のお楽しみタイムとして、小屋での打ち上げ用にビールや焼酎やらワインやら、行動食と称したツマミなどを準備して臨みましたが、これも修羅の道に拍車を掛けてしまった要因に間違いありません。m(_ _)m ○因みに今回は久々に15キロの重荷を背負っての山行となったのも苦しんだ要因だったと思われます。 ○いつも通り前置きが長くなりましたが、ルートの詳細です。 【1日目】 ○伝(転)付峠の登山口は田代発電所から始まります。ピンテと赤ペンキに沿って二度、川を渡ると、物凄い急登ゾーンに突入します。黄色いワイヤーやお助けロープ、さらにトロッコのレール跡などが設置されていますので、それらを駆使して登り上げていきます。 ○途中、登山道が崩落し流されている箇所があります。足場が土砂で、ズルズル下に落ちていきます。木の根っこを掴んだり、手を砂に突っ込み滑り止めにする(ハンドアックスと命名)など、ヒーヒー言いながら登っていくと長いロープが二箇所から垂れていますので、それを利用して登っていかなければなりません。このロープは恐らく発電所の関係者が付けてくれたものだと思いますが、強度や設置状況など、どこまで信用していいのか、不安に感じるところです。 ○一旦、登り上げたところで、さらに激坂を下りきると内河内川に出ます。ここで渡渉して右岸に出ます。ロープと丸太の応急的な橋があり、これを使って渡らなければならないのですが、何とも不安定な橋です。落ちれば激流で流されてしまいます。(因みにこの橋は翌日の下山時には既に流され消失していました。私達はドボン覚悟で、川幅の狭い地点を八双飛びでクリアしましたが、現状では上記方法か、流れの弱い地点から靴を脱いで渡るかしかないと思われます。) ○そこから基本的に右岸から東京電力の管理小屋である保利沢小屋を目指しますが、断崖の岩壁の下をえぐり取ってつけた道を階段や橋、ロープなどにより進んでいきます。途中、渡渉したり、中には崩壊している場所もありますので通行には十分な注意が必要です。 ○保利沢小屋からは、小屋上部に設置されている橋を見送り、右の方から川沿に進んでいき、さらに左岸に渡渉して行くと出合に出ます。ここからは正体不明植物のトゲトゲに刺されたりしながら、迷いやすい道を進んで行くこととなります。岩についた青色ペンキに沿って行くと迷わず進めますが、足元が草木で覆われ、青ペンキが確認しずらいですので、慎重に進むべき注意ポイントとなります。 ○ここを過ぎると、伝(転)付峠には緩やかな斜面を登り上げることで到着できます。途中に唯一の水場(テンツク水と命名)があります。そして峠着。登山口から約1000メートル登ることで到達できますが、標高差以上に精神的に疲労した感がありました。 ○悪沢岳への登山口となる二軒小屋まで約500メートル下り、登山道に取り付きます。まずは千枚岳を目指しますが、痩せた山腹を登りあげる急登に次ぐ急登ゾーンで、重荷を背負って、伝(転)付峠を登り上げてきている身体に、さらに衝撃を与えてくれます。千枚岳までの登山道で誰にも会いませんでしたので、メジャーなルートでないことを身をもって感じた次第です。 ○マンノー沢の頭を過ぎしばらく進むと森林限界に突入し、見たことのない展望が広がります。千枚岳からの展望も素晴らしいです。そこからは、正にvictory roadです。大展望の中、悪沢岳をはじめとした荒川三山を縦走し本日の宿泊地の荒川小屋に到着です。 【2日目】 ○赤石岳で朝陽を見るために午前3時過ぎに華麗に小屋を出発です。明るければ、展望良好と思われる緩やかな稜線の道を進み、午前5時前に山頂到着。危険箇所はありません。念願の赤石ゲットです! ○展望を楽しんだ後、メジャールートの東尾根を下ります。途中に痩せた道もありますが、総じて、緩く降りやすい登山道です。道も分かりやすく椹島まで到達できます。 ○本ルートを選択した以上、仕方ないのですが、椹島からは大井川沿の林道を二軒小屋まで、10キロ以上進むこととなります。椹島から約300メートル近い登り基調の林道で、非常に疲れるところです。 ○二軒小屋でキリンメッツや行動食を補給後、難関の伝(転)峠越えに挑みます。500メートルの高度を登りきった後、テンツク水により多少の復活を遂げた後、川沿の難関ルートを下っていきます。昨日も登ったルートでしたので、各注意Pointに注意を払い順調に降れましたが、上述した川の渡渉ポイントの橋が流されていた箇所と崩落した不安定な斜面の下降は難儀を強いられました。 ○この登山道、いつか廃道となるかもしれないと感じました。 |
写真
感想
○本ルート、異常かつ変態的なルートでした。
○1日目の標準CTは16時間05分。2日目の標準CTは18時間55分。確かに長丁場ではありますが時間をかければ、クリアするのもそう難しくないと考えていましたが、CT以上に厳しい行程で疲労困憊のまま、山行終了となりました。
○これまでのスピードハイクと違い、約15キロのザックを背負っての山行。おまけにストックを持って行かなかったため、川の渡渉、登降の補助ができず、相当筋力を酷使してしまいました。荷物が重くなる場合は足などの負担を考えるとストックがあった方が断然楽だと思います。
○特に田代発電所から伝(転)峠までの登山道は悪路でした。あとで調べて見たところ平成23年の台風により、登山道が相当の損傷を負ったということでした。分かりにくい場所もありますし、とにかく薄暗い場所が多いです。筆者的には余程のことがない限り、二度といきたくない道です。
○さらに二軒小屋から悪沢岳までは、約1800メートルの登り。伝(転)付峠まで既に1000メートル登り上げていますので、スピードが上がらず、疲労が蓄積してしまいました。
○それでも快晴の中、念願だった悪沢岳&赤石岳を縦走でき感無量でした。
○荒川小屋はとても綺麗で、ロケーションもバッチリ、料理も美味しく快適に過ごせます。
○長い戦いの後、ボロボロになった身体を温泉で癒し、初めて満足感・達成感を味わうことができました。感無量です。
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コメント
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26日に伝付峠を越えたものですが、私も8枚目の写真の崩壊斜面を登ってしまいました。が、登って振り返ってみると、新しい道が下に向かって右側についていました。当方の山行録、ご覧ください。
12枚目の写真の橋ですが、私が登るときには既にありませんでした。良い天気でしたから夕立で増水したとも考えられず、不思議です。どこを渡るか分からず、迷った末に、ストックを持っていたので、ストックを利用して何とか渡った次第です。
いずれにせよ、このルートいくつか迷い易かったり危ない所がある、要注意るーとですね。これからも、お互い安全で楽しみましょう。以上
コメント有難うございます。
Gonpapa さんのヤマコレも拝見させていただきました。
凄いルートですね。私も挑戦したくなりました。
私達のすぐ後に転付峠を抜けたのですね。多分、暫くは行かないと思いますが崩落地の巻道は参考になります。
不思議なのは川にかかっていた橋です。そんな短時間で無くなるような作りには見えませんでした。何があったのでしょう?
転付峠行くなら、二軒小屋からが楽で良いですね。
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