彩り酔いしれる白山中宮道【フェーン現象が襲う晴天確率40%の賭け】
- GPS
- 13:03
- 距離
- 26.3km
- 登り
- 2,637m
- 下り
- 2,057m
コースタイム
- 山行
- 12:28
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 14:04
天候 | フェーン現象による壮絶な嵐 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
尚こちらには登山ポストもございます。 下山口は別当出合にいたしましてハニーちゃんのマシーンのお出迎えといたしました。 別当出合から中宮温泉まで車の回収で試合終了よ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
まず初めに 白山中宮道は白山自慢の大自然が満喫できる壮大なロングコースとなっています。 室堂までの距離は18kmと長く、挑まれるお方は余裕のあるプランを練って楽しんで下さいませ。 尚、中宮道はアップダウンの多いロングコースに加え難易度も白山屈指と言えますのでとてもファミリー向けとは言えません。 またくれぐれも初心者の単独または初心者同士での山行も慎む事。 初心者のお方は中宮道を熟知されたベテランハイカー様と共に挑まれる事をオススメいたします。 中宮道の起点から暗闇の中での登山口探しは中々難しいです。 初めて中宮道をTRYされる場合は事前に現地で確認されるか、もしくは明るくなってから挑まれる事をオススメいたします。 中宮道登山口〜シナノキ平避難小屋 序盤の九十九折れでは道幅が片歩幅分しかないトラバース道となっており朝露に濡れる草が大変滑りやすくなっているので要注意よん。 またこの時期によく繁殖するヌスビトハギの節果が衣類に付着してくるのとアザミの葉のチクチク攻撃防止のために尾根に乗りあがるまではカッパズボン装着が望ましい。 尾根道上からはほぼ水平道となっておりとても快適に歩きやすいがトラバース道や沢筋なのでは道幅も狭く切れ落ちた箇所もありますので慎重に進め滑落には充分に注意すること。 シナノキ平〜ゴマ平避難小屋 アップダウンは多いが白山自慢の壮大な美しい森が展開しているのでそれを励みに歩けばそれほど辛さは感じられない。 尚、ゴマまでの登りに入ってくる辺りからは下草が腰あたりまで延びたものが多くなってきますので朝露&雨露対策にカッパズボンを装着するべし。 ゴマ平避難小屋〜大汝峰コル 晴れていれば白山随一の夢の稜線散歩が楽しめられる超ゴージャスなコース。 雲海が広がる北アルプスの峰々を眺めながらの浪漫遊戯はたまらない。 日本庭園風の北弥陀ヶ原や白山屈指のお花畑が広がるお花松原は正にこのコースのボーナスステージとも言える。 だが…。 だが、悪天候時ではまともに風雨にさらされるので辛くて長い地獄の道に豹変する。 この区間もとても長大であり、室堂まで避難小屋がないので稜線の天気次第で挑むか撤退するかの判断をゴマ平避難小屋で決める事。 室堂〜別当出合 白山屈指の整備が行き届いた難易度の優しい短ルート。 このコースで唯一危険度の高い場所が高度感満載の十二曲がりの区間である。 濡れた石畳の階段はとても滑りやすい上に、この日は暴雨風が吹き荒れてていたので別当谷への滑落に恐怖を覚えました。 |
写真
感想
皆さまこんにちは。
ご機嫌いかがかしら?
秋もジョジョに深まり出してきて皆様方の山行も紅葉をメインとした計画となっておれるようでありますわね。
したがいますて紅葉のメジャーどころのお山はどこもかしこも人、ひと、ヒトでごった返していますわね。
う〜ん、美しいもの見たさの感情としましては分からない気はいたしませぬが、どうせならやっぱり風情豊かに静かに佇みたいものでありますわね。
私も今回はやっぱり紅葉狙いでやっちゃおうかと思っているんだけど人でウジャウジャしちゃうところはスパッと除外しちゃうわ。
先週の連休には静かな秋の朝日岳を狙っていたんだけど台風接近で計画はオジャン。
く〜、ザンネンでありますた。
で、今回は地元の白山へお邪魔させていただこうかと考えているの。
白山も紅葉時期となると全国からこれでもかと人が押し寄せてくるんですけども、場所を厳選すれば静かな秋の森がいくつかあるのよ。
そんな中でもやっぱり北部白山は別格よ。
白山の森と言えば昨年歩いた釈迦の森や別山チブリの森なども素敵な原生林が広がり毎年是非見ておきたいスポットと言えるのですけども、今年は自然災害等で通行不可を余儀なくされているもんね。
(釈迦新道の開通は未定)
でもねそんな二大スポットに引けを取らない森を抱えているのが北部白山には存在するわ。
それは白山中宮道の長大な森よ。
樹々のダイナミック度で言えば二大スポットには敵わないけどもビューティーネイチャー度で言えばほぼ互角と言ってもいいんじゃないかしら。
それにこの中宮道は上部には白山屈指の癒し稜線ZONEも備えているので見どころに尽きることは全くないわよ。
今回はそんな魅力満載の白山中宮道を歩いてみるわね。
さてさて行き場所は決定したのですが気になるお天気はどうなんでSHOWか?
今日の北陸痴呆の予報では温かく湿った風が山にぶつかり水分を失った乾いた暑い風が麓の街を襲う。
ほほう、フェーン現象が起こるのね。
予想最高気温も金沢市が32度ですって!
10月としては異例中の異例よね。
こりゃ稜線に出ても夏山同然の厳しい暑さを食らうんじゃね。
(この判断が後の山行に大いに厳しい局面を強いられることとなる)
前夜にとっとと就寝につき深夜0時に目を覚ませ白山中宮温泉へ向かう。
ふと中宮展示場の前を差し掛かった時に不審な黒い車両が目に留まったが…。
「まさか赤いジェイソンが…」。
深夜2:30チョイ、中宮温泉駐車場に到着。
人は全くいないし停まっている中古車も軽トラの一台のみ。
ふっふっふ。
今が紅葉真っ盛りの全国区白山においてこの静けさはPREMIUM級だわね。
流石は北部白山だわ。
今回は長大なコースに挑む訳だから出発前には念入りに身体をほぐしていくわよ。
足は肩幅分くらい開き、両手は真横に広げ脱力感MAXになるくらい力を抜きその場でピョンピョンと垂直ジャンプを繰り返す。
題して「ゾンビジャンプ」。
これがめっちゃキモチイイねん。
だいたい500回くらいジャンプしたら身体は十分にほぐれるわよ。
あとはいろんなストレッチを盛り込めばパーペキね。
さぁ身体がほてってきたところでいよいよ出発に掛かるわよ。
非売品の花王レアヘルをかぶりヘッデン煌々と灯していざ出陣じゃ。
はっきり言ってゾンビジャンプをする私と今の姿は究極の怪しい人と理解している。
いいんだいいんだ、これが私のいいところなんだから。
さて真っ暗な登山口までやってきたが直前に人が通った形跡は感じられなかったわ。
「やっぱりいるハズないよね…」。
秋の深夜だっつうのに早くも南風が吹き込んでいるのか全く寒さを覚えない。
だが足元の草は露で既に濡れており広い尾根道に登り上げるまではカッパズボン装備で挑む事とした。
私はガンガン突き進むロングエキサイティングハイカーではなくのらり歩行を主体とする森オタクであるますので紅葉メインの森は絶対に外すわけにはいきませぬ。
森に朝陽が射し込むであろう時間に標準を定めゆっくりゆっくりと突き進んでいくとする。
狙いはバッチリと当たった。
シナノキ平を過ぎた辺りから明るくなり出し、紅葉もシナノキ平を過ぎた辺りから色付くようになっていた。
ふふん、めっちゃビンゴじゃん。
朝陽が森に降り注ぎ爽やかな森の演出が存分になされていたわ。
森の紅葉はゴマ平辺りが最高潮となっていたが何故か雨が降り出してきた。
そすて向かいたい稜線では風もゴーゴーと鳴り響く。
「ん?、今日の金沢は降水確率が40%となってが暑い晴天をもたらすフェーン現象になるんぢゃなかったですけ?」。
「きっと雨は今のうちだけで私が稜線上に出たら止むに違いないわ」と楽観視していた。
取り敢えずは今現在雨が降っているので上下カッパを身にまといゴマ平の小屋をあとにした。
雨は止まない。
そすて稜線に出た途端に身体ごと吹き飛ばされるかのごとく暴風雨が吹き荒れていた。
本来ならここからがこのコースのボーナスステージである。
雄大な北アルプスPANORAMAを眺めながら心躍る稜線遊戯が楽しめられる白山屈指の癒しラインなのだ。
それが今はどうだ。
風を遮るものが殆ど無いめっちゃ危険なラインと豹変しているではないか。
根拠のない「きっと歩いているうちに風雨は収まってくれる」を励みに私はひたすら黙々と進んだ。
北弥陀ヶ原にたどり着いたころには「こりゃヤバいかも…」と恐怖すら覚えた。
当初の計画では楽々新道を降りる予定でいたが稜線歩きがひたすら続くその計画ではきっとどこかでヤラレてしまう。
「これは何としてでも室堂まで辿り着かねば」と生命を最優先とし計画を変更することに決めた。
中宮道自慢の稜線上のナナカマドも最高潮を迎えていたが森オタクと言えども今回ばかりは呑気に散策を出来る余裕なんぞこれっぽっちもなかった。
大汝峰コルまで登り上げた時に路面に真新しくストックで突いた跡が見られた。
「ん?、やっぱり直前に誰かここを歩いたみたいだ」。
「私以外にこんなおバカな事をする人なんて…。はは〜ん、やっぱりヤツだな」。
「でも彼はこんな嵐の中をいったいどこへ向かったのだろうか?」。
私は大汝峰コルから室堂に辿り着くまでも命懸けだった。
なんせ南へ向かうように進むこととなるので地獄の向かい風を食らうかたちとなったからだ。
視界もほとんどなく目もほとんどといっていいほど開けていられないから、どこをどう進めばよいのやらといった時間が永遠と続いた。
こんな状況下で人は全く歩いていない。
って言うか今日白山に人がいるのかしら?と思ったほどであった。
時間はどれだけ経ったであろうか?なんとか無事に室堂まで辿り着くことができた。
ここに来れば水はあるし、暖もあるし、食料もある。
これで生きていられると確信した。
濡れた衣服をストーブで乾かしメシを食って英気を養った。
暴風雨の稜線上では休憩できるシチュエーションではないので只々長く辛い地獄の道のりであった。
ここからハニーちゃんに別当出合まで迎えに来てとお願いし閑散とした室堂をあとにした。
中半場を過ぎた辺りから今日はそんな大荒れでしたっけと思えるくらいに穏やかとなり陽射しも降り注ぐようになった。
何とか別当出合まで辿り着くと傘を差して待つ女性が立っていた。
それは笑顔で迎えてくれたハニーちゃんであった。
何とか無事に生きて帰ることが出来ますた。
ハニーちゃん、君の御蔭でございます。
ありがとうございますた。
ガッパ白山中宮道。
今回はいろんな要素が凝縮されためっちゃ中身の濃い山行を経験させていただきますた。
だけどやっぱ中宮道は白山で一番大好きだなぁ。
おしまい。
あなた「も」というのはこういうことでしたか。
まさかこの日に北部白山を歩く人が他にいたとは・・・まあミラーさんなら納得です。
そうなんですよ、朝一は晴れていたしそこそこ風はあってもここまで地獄になるとは思っていませんでしたね。
僕は加賀禅でご褒美もらえましたがミラーさんも前半戦で森を楽しめたようなのでせめてもの慰めとなったのでは?
2013年のあのパーフェクトな紅葉、いつかまた見られればいいですね。
ヒルバオ雪渓に雪が残っているところを見ると、やっぱり前年に雪が多くて雪融けも遅いって感じの方がいいんですかねぇ・・・
次回は四塚の地獄1丁目も是非
Sanchanさん、こんばんは。
ありがとうございます。
いやぁ狙いどころの違いはあれども、まさか、まさかだったわよね〜。
ここだけの話だけどね、実は言うと私、用心の為に吉光の剣やジャギのショットガンなんども持っていたから、もしもアナタと森で遭遇していたら「貴様はすでに死んでいる」状態とされていたわよ 。
狙い目としてはこの日はこの日で正解だったと思うのよ。
台風が直撃&通り過ぎていった場合ともなればフィールドの環境は更に悪化する懸念すらもあった。
翌日まわしにしていたら登山道を塞ぐ倒木は更に増えていたであろうし、期待していた肝心の紅葉は寒々しい結果ともなっていましたでしょう。
ちゃんと見るものを見て秋の終演させないと森オタクはフラストレーションがたまっちゃうわ。
ん?次回は四塚山の地獄?
も、もしやアレをやっちゃう…って〜のかい?
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