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Yamareco

記録ID: 1693791 全員に公開 積雪期ピークハント/縦走 大台ケ原・大杉谷・高見山

両仏山〜明神岳~赤グラ山〜白髭岳☆中奥川源流域大周回

情報量の目安: S
-拍手
日程 2019年01月02日(水) ~ 2019年01月03日(木)
メンバー
天候1日目~2日目;曇り時々雪
アクセス
利用交通機関
車・バイク
中奥林道の入口の駐車適地に
経路を調べる(Google Transit)

地図/標高グラフ


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歩くペース 1.1~1.2(標準)
※ヤマプラ掲載の「山と高原地図」標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率(全コースのうち42%の区間で比較) [注意事項]
表示切替:

コースタイム [注]

1日目
山行
9時間16分
休憩
54分
合計
10時間10分
Sスタート地点07:0709:39峰山10:0311:4012:18ジョウブツ山12:1912:33地蔵辻13:10麦谷林道登山口13:45二階岳14:22木ノ実矢塚14:3315:07薊岳(雄岳)15:2215:49P133417:04前山17:0717:17三ツ塚
2日目
山行
12時間26分
休憩
31分
合計
12時間57分
三ツ塚05:1405:44明神岳06:42笹ヶ峰06:4506:58瀬戸越07:0207:36千石山(奥ノ迷峰)07:3809:03赤倉山09:1310:57P123810:5811:16高塚11:1911:48戸倉山11:5113:35高尾山14:15大鯛山15:18白鬚岳15:2318:11ゴール地点G
コースタイムの見方:
歩行時間
到着時刻通過点の地名出発時刻
過去天気図(気象庁) 2019年01月の天気図 [pdf]

写真

集落上部の寺の前から林の中に入ってゆく道を辿ってみる
2019年01月02日 07:27撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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集落上部の寺の前から林の中に入ってゆく道を辿ってみる
2
中奥の集落から
白鬚岳の山頂が雲の中から姿を顕す
2019年01月02日 07:36撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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中奥の集落から
白鬚岳の山頂が雲の中から姿を顕す
1
尾根上には頻繁に
2019年01月02日 09:17撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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尾根上には頻繁に
可愛らしい梟の絵が印象的な山名標
2019年01月02日 09:50撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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可愛らしい梟の絵が印象的な山名標
2
峰山北斜面は急勾配
2019年01月02日 09:53撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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峰山北斜面は急勾配
2
峰山を振り返る
2019年01月02日 10:22撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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峰山を振り返る
1
1290m峰に辿り着くと霧氷がスケールアップ
2019年01月02日 11:36撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1290m峰に辿り着くと霧氷がスケールアップ
2
四方八方へと棘を伸ばす霧氷
2019年01月02日 11:55撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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四方八方へと棘を伸ばす霧氷
3
両佛山西峰最高点
2019年01月02日 12:00撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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両佛山西峰最高点
3
霧氷の混合林をゆく
2019年01月02日 12:07撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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霧氷の混合林をゆく
霧氷の杉林へ
2019年01月02日 12:24撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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霧氷の杉林へ
1
林道から谷間を覗く
2019年01月02日 12:46撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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林道から谷間を覗く
5
雲の中から両佛山が姿を見せた一瞬
2019年01月02日 12:59撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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雲の中から両佛山が姿を見せた一瞬
1
山頂の霧氷の光景
2019年01月02日 13:32撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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山頂の霧氷の光景
霧氷の尾根道を
2019年01月02日 13:43撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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霧氷の尾根道を
1
木の実矢塚へ
2019年01月02日 13:52撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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木の実矢塚へ
2
薊岳山頂の光景
2019年01月02日 15:15撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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薊岳山頂の光景
1
薊岳北東尾根
西側斜面は霧氷で美しく化粧されている
2019年01月02日 15:32撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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薊岳北東尾根
西側斜面は霧氷で美しく化粧されている
2
わずかに青空が覗く
2019年01月02日 16:08撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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わずかに青空が覗く
3
あたりの霧氷もブルーグレーに染まって
2019年01月02日 16:24撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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あたりの霧氷もブルーグレーに染まって
2
三ツ塚を下った幕営地の光景
2019年01月02日 17:13撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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三ツ塚を下った幕営地の光景
2
スモークタンと霜降り平茸のソテー
2019年01月02日 18:15撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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スモークタンと霜降り平茸のソテー
4
本日のメイン、チゲ味噌鍋
セセリと砂肝の味噌漬けを投入して
2019年01月02日 18:47撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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本日のメイン、チゲ味噌鍋
セセリと砂肝の味噌漬けを投入して
4
笹ヶ峰の壮麗な森
2019年01月03日 06:39撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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笹ヶ峰の壮麗な森
雲の下がピンク色に染まる
2019年01月03日 07:09撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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雲の下がピンク色に染まる
3
千石山への登り
2019年01月03日 07:14撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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千石山への登り
5
千石山山頂に
2019年01月03日 07:37撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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千石山山頂に
急峻な斜面
写真ではわかりにくいが・・・
2019年01月03日 07:52撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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急峻な斜面
写真ではわかりにくいが・・・
千石山を振り返る
2019年01月03日 08:00撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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千石山を振り返る
千石山からの下り
2019年01月03日 08:24撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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千石山からの下り
手前にこれから辿る赤グラ山からの尾根が見えてくる
奥は弥次平峰
2019年01月03日 08:59撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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手前にこれから辿る赤グラ山からの尾根が見えてくる
奥は弥次平峰
赤グラ山への登り
2019年01月03日 09:17撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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赤グラ山への登り
赤グラ山からの下り
左手に美しい草原の尾根が
2019年01月03日 09:59撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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赤グラ山からの下り
左手に美しい草原の尾根が
ヒメシャラの林を抜けて
2019年01月03日 10:25撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ヒメシャラの林を抜けて
霧氷を纏う1275m峰へ
2019年01月03日 10:48撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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霧氷を纏う1275m峰へ
1275m山頂の光景
2019年01月03日 10:53撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1275m山頂の光景
尾根に散逸する鹿よけネットの残骸
2019年01月03日 11:25撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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尾根に散逸する鹿よけネットの残骸
1275m峰を越えると見晴らしのよい稜線に
高塚(右手)から戸倉山(左)への稜線
2019年01月03日 11:28撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1275m峰を越えると見晴らしのよい稜線に
高塚(右手)から戸倉山(左)への稜線
戸倉山(左)と登尾
2019年01月03日 11:45撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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戸倉山(左)と登尾
戸倉山山頂直下
2019年01月03日 12:02撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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戸倉山山頂直下
1
いよいよ登尾へ
2019年01月03日 12:10撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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いよいよ登尾へ
辿ってきた尾根を振り返る
右手に戸倉山、左に1275m峰
2019年01月03日 12:35撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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辿ってきた尾根を振り返る
右手に戸倉山、左に1275m峰
台高主脈は相変わらず雲の中
2019年01月03日 12:54撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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台高主脈は相変わらず雲の中
1
いざ白鬚岳へ
2019年01月03日 12:55撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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いざ白鬚岳へ
1
すぐ南には北股川を挟んで弥次平峰
2019年01月03日 13:10撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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すぐ南には北股川を挟んで弥次平峰
高尾山への登りから一瞬、白鬚岳が姿を見せる
2019年01月03日 13:34撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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高尾山への登りから一瞬、白鬚岳が姿を見せる
高尾山山頂・・・三角点の石標のみがある侘しい山頂
2019年01月03日 13:38撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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高尾山山頂・・・三角点の石標のみがある侘しい山頂
1
欠けた大鯛山の山名標
2019年01月03日 14:05撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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欠けた大鯛山の山名標
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中奥林道より高尾(左)と白鬚岳(中央)を振り返る
2019年01月03日 17:29撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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中奥林道より高尾(左)と白鬚岳(中央)を振り返る

感想/記録

正月の2日〜3日、家内の実家に子供達を預けてのテン泊山行が恒例となりつつある。湖北、奥越にはテン泊山行をしたいルートが幾つもあるのだが、このあたりは明らかに天気が悪そうである。少しでも天候が良いことを期待して奈良の南部に目を向けると以前から気になっていた赤グラ山〜白鬚岳の稜線に目が行く。

昨年、4月の上旬だというのに季節外れの雪に見舞われつつ東谷出合もから神の谷川源流域を周回する形で白鬚岳に登頂した際のことである。それまで雪だったのが、山頂で突如、晴天へと変わり、薄衣のような霧氷を纏った樹々の向こうには冠雪した赤山へと続く長い縦走路が視界に入ってきたのであった。

この尾根の縦走のためには明神平か笹ヶ峰あたりでのテン泊が必要と思われる。下山予定の中奥林道の入り口に車を停めれば峰山、ジョウブツ、薊岳を経て笹ヶ峰に至るのは程よい行程と思われた。

【1日目】
中森川を渡った橋の南詰にある駐車適地に辿り着いたのは7時前である。林道の左側に車を停めるが、右側の広い広場では焚き火をしている3人の男性がいる。林業関係の方かと思ったが、前夜からキャンプをして若者三人であった。よくぞこのような場所を知っていたものだと感心してしまう。彼らは私を林業関連の人物と思い、無断のキャンプを咎められるものと思い込んだらしい。

中奥川を挟んで対岸の中奥のあたりを見上げると、急峻な山腹には鬼火のような明かりがいくつか見える。おそらく中森集落のものなのであろう。橋を渡って中森集落を目指して歩き始めるとあたりは急に明るくなり始めた。九十九折の舗装路を登ってゆくと、山の斜面が突然開け、忽然と集落が現れる。集落の中の細い道を辿り、最上部にまで辿り着くと小さなお寺がある。正月の行事の予定が記されており、集落の人達が集まるのだろう。

寺の前からは林の中へと続く小さな道があるので杣道であることを期待して入ってみる。道はすぐに崩落箇所があり、荒廃しているのだが、辿っていくと再び集落に出た。地図では中森集落は東西に二つに集落が別れているのだが、その西側の方に出たようだ。正面には小白髭岳が大きく聳える。白鬚岳の山頂部は雲の中だ。

右手の植林地の斜面に入る。作業道から尾根筋に上がろうと思っていたのだが、一本の明瞭な作業道にのる。どうやら斜面をトラバースしながら尾根を目指して高度をあげていくようだ。行けるところまで行ってみようと道を辿ることにする。尾根がすぐ左手に見えてくるようになると、杉の若木の間には馬酔木の藪が目立つようになったが、薄い踏み跡を辿り鞍部に出た。

ここからは混合林となるが急に尾根の勾配がきつくなる。斜面を右手の方にトラバースしながら登ってゆく踏み跡とテープを見つけ、テープを辿ってみるが、気がついてみると尾根から離れていく。やがてテープと踏み跡も上へと登りはじめる。ところどころに小さな瑤ある。瑤鯣鬚韻覆ら登ってゆくと、間もなく尾根筋から登ってくる踏み跡と合流した。どちらを登ったとしても勾配がかなり急であることには違いない。

尾根上には頻繁に小さな瑤出現する。驚いたことに岩場を辿る黒いチューブが目につく。一見、集落を水を引くホースのようにも思われるが、こんな高いところで、しかも谷筋ではないので、水を引いているものではないだろう。

山頂直下では再び檜の植林地となる。相変わらず傾斜は急であるが、斜面をジグザグと辿って頂上に辿り着く。最初に目に飛び込んできたのは霧氷を纏ったブナの樹々である。山頂を境に北側はブナの自然林であり、雪の量も途端に多くなるのであった。それまでの景色とのあまりのギャップに家内も「まるで別世界」との一言。峰山の山頂標は絵が達者な方が描かれたのであろう。可愛らしい梟の絵が印象的であった。

左手に視線を向けたところで、先程の黒いチューブの正体がわかった。アンテナが立っていたのである。近づいてみるとNHKと記されたボックスがアンテナの足元にある。要は深い谷あいでテレビの電波が届かないから、ここで電波を受信する必要があるようだ。それにしても標高差はゆうに700mはあるところを長いケーブルを敷設したその労苦が偲ばれる。

ここからは雪の斜面の急降となる。やせ尾根の鞍部に下りると急斜面の登り返しが待っている。ややはり尾根上には小さなクラが目立つ。岩を巻きながら尾根を登ってゆく。やがて尾根がなだらかになると西側には檜の植林が続くようになる。

やがて尾根上のピーク、1290m峰の南側では再び急斜面となる。正面には大きな瑤現れるので、これを左から巻いてピークに立つ。山名標があったのかもしれないが、ここは後で岳と呼ばれるピークであったことを知る。南斜面の大きな瑤らそのように命名されているのではなかろうかと思う。

山頂に立つと素晴らしい霧氷の世界が広がる。ここからはジョウブツにかけて、霧氷は徐々にスケール・アップしてゆく。標高が上がるにつれ気温が下がり、着氷の量が増えたのであろうが、初冬から真冬へと深まりつつある冬のグラデーションの中を彷徨っているような感覚を抱く。興味深いのは霧氷の形である。通常は風向きが一定で、霧氷は一方向のみについていることが多いように思うが、このあたりでは風が舞うのだろう。四方八方に様々な方向に成長した霧氷が風に舞う様は新種の有棘植物のようである。

足元の雪も増えてゆくが、深いところでも膝下までであり、ツボ足で何とかなる程度である。なだらかな尾根を辿るうちに次のピークに至る。山名標には両仏山西峰と記されている。ところで、地図ではジョウブツと記されているが、果たしてこの両仏をそのように読むのだろうか。

尾根を東に下り、NTTの電波塔を越えると両仏山のピークである。杉林を下り、地蔵越に達すると、ここからは麦谷林道となる。林道の両側に霧氷の樹々が立ち並ぶ様はまさに霧氷の回廊と表現したくなる光景である。緩やかに林道は下ってゆくのだが、標高がわずかに下がると霧氷が急に薄くなる。林道で距離を稼いで、まもなく二階岳の西側の登山口に至る。

はじめは植林地の登りから始まるが、二階岳の山頂に辿り着くと、再び素晴らしい霧氷の世界が始まった。ところで、この日はどうも家内の足取りがいつもに比し、かなり遅い。この分でいくと笹ヶ峰に辿り着くのを諦めて、幕営地を明神平にしなければならないだろう。

薊岳を越えてからは、厳しい風雪に見舞われようになった。時折、吹きつける風には細かい霧氷が含まれているせいだろう、肌に突き刺さる風は痛みを伴う。雪に埋もれてほとんど消えかけであるが、ところどころに僅かに残っている一人分のトレースがある。山頂直下の下りが終わると後はほとんどアップダウンの少ない尾根道が延々と続く。風の方向のせいだろう。尾根の西側斜面の樹林は霧氷で真っ白に化粧を施されているが、東側は薄化粧である。まさに冬のグラデーションの境界を歩んでゆく。

尾根は途中で北向きから東向きへと大きく方向を変えると、いつしか先程までの風雪も和らぐ。ふと空を見上げると雲の合間から青い晴れ間が覗く。周囲の雪も淡いブルーグレーに染まってゆくのであった。

本来、平坦で歩きやすい尾根道のはずなのだが、家内の足取りはさらに遅くなり、牛歩の如くである。この分でいくと笹ヶ峰どころか、明るいうちに明神平まで辿り着くのも難しいのではないかという危惧が脳裏をかすめる。結局、前山には山と高原地図のコースタイムの1.5倍ほどの時間をかけて辿り着いたのであった。

前山の少し東で尾根から明神平の方にむかったところに地図上ではなだらかな平坦地がある。果たして斜面を下ってみると、なだらかな傾斜がついてはいるが、テント一張り分ほどの平坦地がみつかった。どうやら、かつてのスキー場の跡地のようだ。鉄錆色のリフトの跡が暗くなりはじめて蒼みを帯びた雪景色の中で無言で佇んでいるのだった。

早速、テントを張る。この日、携行してきたのはMSRの3人用ドーム型テントである。本来、長男を伴って3人で雪山に行くために購入したものであったが、2人で使用すると中はかなり広く感じられる。周囲にも張り綱を十分なテンションで張る。元来、風に強いテントだと思うが、風の影に入ったらしい。ほとんど風が吹きつけることはない。

まずはビールのおつまみにはネギ塩を加えた牛タンと霜降り平茸のソテーで料理は始まる。次はいよいよ今晩の夜のメイン、チゲ味噌鍋でえのき茸、ネギ、白菜、木綿豆腐などいろいろと具材を担ぎ上げてきたのだった。肉は前日から味噌漬けにしてきた砂ズリとセセリであるが、いずれも線維質でありセセリよりモモ肉の方が良かったかもしれない。この日、運んできたのはいずれも奈良南部の酒であり、花巴(はなともえ)のうすにごりと篠峯の雄町米による山廃純米吟醸である。いずれも美酒ではあったが、花巴の華やかな香りは圧倒的であった。最後は雑炊で〆にして眠りにつく。この日は早朝まで快適に眠ることが出来たのであった。


【2日目】
テントを畳んで出発の用意が整ったのは5時過ぎであった。暗闇に濃霧の漂う霧氷の樹林を歩くのは幽界の中を彷徨うかの如くだ。勿論、そんな経験はないのだが・・・。
三ツ塚のあたりと思われるが、すぐ上の稜線からは雪の上に前日のものと思われる多数の踏み跡がある。このあたりの地理は頭に入っているつもりであったが、不注意にも右手の斜面をトラバースするトレースを辿ってしまう。踏み跡が尾根から下ってくる別のトレースと合流して左手に曲がっていくのを見て気がついた。明神岳の北斜面をトラバースして桧塚に向かうトレースを辿ってしまっていたのだ。尾根に登ると「千石岳→」と見覚えのある道標を目にする。

ここからは勿論、雪の上には踏み跡もなにもない。尾根の地形を同定して先へ進む。笹ヶ峰のI峰に差し掛かるとあたりの暗いながらも樹高の高いブナの樹が多く、壮麗な林が広がっていることがわかる。未明の暗いうちにこの美しい林を通過してしまうことが勿体なく思われてならない。なだらかな台地状の山頂は方向を失いそうになる。実際、気がついたらコースアウトして東の尾根に入るところであった。

笹ヶ峰の主峰にさしかかる頃、ようやくライトの明かりを落として歩けるほど明るくなってきた。夜明けが雪や霧氷を蒼一色に染め上げる束の間の美しい時間である。いつしか霧も晴れている。蒼い森の情景に対して、幾度かカメラのシャッターを切るのだが、哀しいことにすべての写真がブレているのだった。

笹ヶ峰を越えると、雲の下で東の空が淡い薔薇色に染まっている。雲がかかっているのが山の上だけなのであろう。雲の彼方の朝焼けの空が雲の下に見えているようだ。千石山への登りになるとこれまでのブナの広い尾根とは一転し、ヤセ尾根を登ることになる。再び雲の中へと入っていく。雲の中はかなりの強風である。

千石山からの急降を下ると雲の下に出る。途端に周囲の見晴らしがよい。すぐ隣に気持ちのよさそうな草原の尾根が見える。東峰まで辿って、この尾根を下るもの一法であった。

家内を先に歩かせて、私が後ろを歩くうちに気がついたら片方のチェーンスパイクがない。探しに戻るかどうしようかと躊躇われたが、少し先を急ぎたいので諦めることにした。しかし、家内が私に先行して歩いていたのはわずかに10分程の間だったので、探しに戻っておけばよかったかもしれないと後に後悔するのことになるのだが・・・
右手には赤グラ山からのこれから辿る長い尾根が見えてくる。尾根の左手には赤グラ山の山頂がある筈なのだが、千石山と同様、山頂部は雲の中だ。赤山への登りはいくつもの小ピークを越えていくことになる。山頂が雲で見えないせいもあるが、次こそは山頂かもしれないと期待しながらピークを登り詰めるが、山頂ではなかったという失念を繰り返し味わうことになる。

ようやく辿り着いた赤グラ山の山頂は探し方が悪かったのだろうか、山名標は見当たらず、杉の倒木の下に三角点があるばかりの殺風景なところであった。さて、いよいよここから目指す尾根に入りたいところであるが、尾根の下降点がよくわからない。
西側の急斜面を下るうちに尾根の形が見えてきた。すぐに雲の下に出て視界が晴れるのだが、気がつくと二重山稜となっており、辿っている尾根が樹林のヤセ尾根であるのに対して、すぐ隣の北側には広い草原の尾根が広がっている。この尾根を下りたいところであった。

気がつくと、今しがたまで樹々を銀白に彩っていた霧氷はたちどころに姿を消すが、稜線上に吹き荒れていた風も途端に穏やかになる。それまで地面を覆い尽くしていた雪も薄くなり、一気に初冬の景色に舞い戻る。
だが尾根を下りはじめて私が驚いたのは、家内の体調の快復である。突如、スピードが上がり、それまでは私が歩いた時間だけ家内を待つということを余儀なくされていたのが、普段の調子を取り戻したようである。

やせ尾根となる箇所ところが多いが、尾根の平坦さもあって順調に距離を稼ぐ。やがて最初のピーク1275m峰が近づいてくる。赤山への台高主脈から眺めていた時には小さな起伏に思われたが、ピークに辿り着くと、その西側には意外と急峻な下りが待っていた。鞍部に下ると、今度は山頂部に霧氷がついた次のピーク、高塚から戸倉山へと至る尾根が見えて見えてくる。

私の所有している2017年版の山と高原地図においてはこのあたりにはブッシュと書き込まれている。人によってはこの尾根の縦走を躊躇する理由になっているのではないかと思われる。果たしてどんな藪漕ぎが待っているのかと覚悟はしていたのだが、拍子抜けすることに藪らしい藪に遭遇することなく、ヒメシャラの樹林があるばかりだ。この樹林になる以前はヒメシャラがブッシュだった時があったのだろうか。高塚の山頂が近づくと、霧氷を纏ったヒメシャラの樹々の間にブナの樹が目立つ。

高塚を越えると、尾根上は伐採地となり展望がよい。戸倉山の向こうに登尾が意外と大きな山容を広げている。展望に見惚れて歩いていたせいだろう。いきなり靴紐に何かが絡まり、足元を掬われて派手に転倒する。靴紐に絡みついたのは錆びついたワイヤーである。あたりを見回すと旧い鹿よけネットの金網がところどころ破れたまま尾根上に放置されているのだった。当然、鹿よけネットとしての用をなしていない訳であるが、薄く雪が積もった状態では周囲の枯れ葉と見分けがつきにくく、まるで罠である。

戸倉山への尾根筋は伐採されており、終始、好展望が続く。すぐ南には北股川を挟んで弥次平峰を望む。

好展望の伐採地は登尾の白鬚岳に向かう分岐まで続く。戸倉山とはわずかな高度の差であるが、このピークの直下で急に樹々が霧氷を纏う。赤山から辿ってきた尾根を振り返ると、赤山は相変わらず雲の中であるが、既に遥か彼方である。登尾の山頂は樹林の中を西にわずかに進んだところであるが、少しでも下山の時間が早い方が良い。山頂を訪れることは諦めて、白髪岳への縦走路を南に下る。

ここでも山と高原地図にはブッシュと書き込みがあるが、尾根の東側は植林地という光景が続き、藪らしい藪は見当たらない。尾根を下ると尾根全体が広い植林地の中を歩くようになる。高尾山にかけてのなだらかなピークを登ると、一瞬、雲の間から白鬚岳が顔をだす。高尾山というと全国で最も登山者の多い東京の山、或いは広島近郊の山を思い出すが、こちらの高尾山は三名標もないなんとも寂しい山頂である。

東側は植林地、右側はヒメシャラの目立つ自然林という単調な林相の尾根道を辿り、次の大鯛山に辿り着く。大鯛山は樹の根本に半分割れてしまった山名標があるが、最初の峰山で目にしたのと同じ、可愛らしいフクロウが描かれた山名標であった。時折、樹間から見える白鬚岳は山頂部は再び雲に覆われてしまっている。

大鯛山を過ぎるといよいよ白鬚岳への長い登りとなる。雲の中に入ってゆくと再びチラホラと雪が降り始める。周囲の樹々が再び霧氷を纏うようになると、途端に足元の雪が増えるが、くるぶしが埋まるほどではない。残念なことに残っている片方のチェーンスパイクも、チェーンの一つが伸びてしまい使い物にならなくなってしまう。おそらく降り積もってまだ間もないのだろう。台高の新雪は乾いており、サラサラしている。チェーンスパイクのない靴では決して登りやすいとはいえない雪質であった。

白鬚岳の山頂はガスで今回は全く視界はない。ここからはいよいよ最後の下りであるが、山と高原地図では実線となるので、さぞかし歩きやすい登山路が待っていることだろうと期待したのだが、その期待はどうやら甘かったようだ。まずは雪の急斜面の下りである。緩く登り返して1286m峰に至るのだが、問題はこのピークから北西に延びる尾根からの二箇所の下りである。急峻な上に薄く雪が積もったヤセ尾根の斜面は滑りやすく、緊張が強いられる。特に2つ目の下りは今回のルートの中で最も厳しい下りであった。

尾根上の最後のピーク高尾からは一転して、杉林の中の歩きやすい作業道となる。尾根の下部に至ると踏み跡は左手の北斜面へと降りてゆく。それまでは頻繁にテープがあり、登山路の曲がり角では道標もあったのであるが、何故かここへ来て下山路を示す道標もテープもない。国土地理院の地図では尾根芯を下る破線が記されているので、尾根を少し下ってみるが、このあたりから途端に急峻になる尾根に踏み跡はなさそうだ。北側の急斜面を降りる踏み跡を辿ると、積雪してはいるもののジグザグに斜面を降りる道を見極めることはさほど難しくなく、無事、林道の終点に辿り着く。

時間は間もなく16時半になろうかというところ、しかし、ここからの林道歩きが意外と長長かった。家内の実家にいる子供達も心配するのでなるべく早く電波圏内に辿り着きたいので、二人共早足で黙々と歩く。深い谷間では暗くなるのが早い。早々にヘッデンのライトをつけることになる。

突如、道が消えたかと思うと、林道が大きく崩落しているのだった。法面に沿って靴幅分のコンクリートを辿って、崩落地点の対岸に辿り着くことが出来たが、この法面が崩落するのも時間の問題だろう。やがて水力発電所と思われる建物に出ると、広い駐車場があり、ここからは舗装路となる。暗闇の中から間断なく聞こえてくる沢の音を聞きながら、再び鬼火のような中奥集落の明かりを山中に見たのは18時を過ぎたところだった。

車に乗り込んで、吉野の山間を抜けると空はすっかり晴れて、多くの星が瞬いている。明日は北陸に至るまで関西一円、天気が良さそうだ。家内の実家に辿り着くと流石に全身の筋肉が疲れを訴えているのだった。
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この記録へのコメント

登録日: 2011/10/2
投稿数: 2078
2019/1/8 19:18
 言葉が見つかりませんでしたが・・・
yamaneko0922さん、 yamaizuさん こんばんは
自分の経験では、想像できなかった山行。
この神秘的な霧氷をまとう木々と山の姿をどう表現したらよいのかと・・・
ありました。感想の中に
「暗闇に濃霧の漂う霧氷の樹林を歩くのは幽界の中を彷徨うかの如く」
「夜明けが雪や霧氷を蒼一色に染め上げる束の間の美しい時間」
「今しがたまで樹々を銀白に彩っていた霧氷はたちどころに姿を消す」
こんな山歩き、一度でよいからしてみたい。

こちら、
「花巴(はなともえ)のうすにごりと篠峯の雄町米による山廃純米吟醸」
のどが鳴ります
登録日: 2017/10/26
投稿数: 693
2019/1/9 7:08
 Re: 言葉が見つかりませんでしたが・・・
churaさん
コメントならびに長い文章を読んで下さり、有難うございます。churaさんも素敵なところにいっぱい行っていらっしゃるではないですか。今回は期待した天候には恵まれなかったのですが、幽界の中の山歩きはおススメとはいえません。実際、頻繁に小さな道迷いをやらかしております。

奈良は酒蔵が小さいのであまり出回らないですが、美味しい酒が多いですね。滋賀も然りですが。ちなみに、元旦に開いているスーパーがなかったので、天山の山行の後で京都イオンにいったのですが、いずれもイオンで手に入れたものです。是非、またご一緒に宜しくお願いします。🍶

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