朝日連峰周回(大井沢〜天狗〜狐穴〜竜門〜日暮沢)
- GPS
- 21:14
- 距離
- 45.1km
- 登り
- 2,713m
- 下り
- 2,703m
コースタイム
- 山行
- 10:18
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 10:28
- 山行
- 4:47
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 6:53
天候 | 一日目ー吹雪、二日目ー晴れ(強風)、三日目ー晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
水洗トイレあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
・大井沢〜南俣沢出合 行程の8割(個人的主観です)ほどが除雪済み。奥の駐車場までは車では入れません。 ・南俣沢出合〜竜ヶ岳水場〜粟畑 夏道が出ているところはほぼ無し。ルート表示の赤布などはほとんどありません。 竜ヶ岳水場付近が全層雪崩の発生個所。気を付けて素早く通り抜けます。 ・粟畑〜天狗角力取山〜ウツノシマ峰〜湯沢峰〜二ツ石山 基本的に残雪の上を歩きますが、ところどころで夏道が出ています。雪面はクラック多数。薄くなったスノーブリッジがあったり雪庇が残っていたりするので気を付けて歩きます。藪はあまり出ていないので、この時は逃げるのは難しくありませんでした。 ・二つ石山〜コバラメキ、オバラメキ〜高松峰〜狐穴小屋 オバラメキコバラメキは岩稜の細尾根で深いクラックで道が寸断されると厄介ですが、この時は雪が結構残っていて雪をつないで歩くことが出来ました。稜線の両側は切れ落ちています。 高松峰付近は大きな岩をよじ登ったり巻いていくルートですが、ルートの岩場に雪が付着してどこがコースか判別が難しい状態でした。コース表示はほとんどありません。また岩の間に雪が詰まっているのでホールドが取りづらく、滑落しないように慎重に通過する必要がありました。 狐穴小屋へは小屋の屋根より高い雪壁を下っていかなければなりません。滑落注意。 ・狐穴小屋〜竜門小屋〜西朝日 稜線上は藪が出て夏道の道型が見えていました。夏道は前夜の積雪と強風で吹き溜まりが出来て、ワカンを着けても深いところで膝上ラッセル。コース外の残雪上を歩けるところも多いので状況をみて通りました。 ・竜門小屋〜清太岩山〜日暮沢小屋 ほぼ雪の上を歩きました。ゴロビツ頭の雪壁が少しだけ厄介ですが、そのほかはほとんど問題ありません。ゴロビツの頭には赤布が雪面につけられているので、それを目印に降りていきます。 ・日暮沢小屋〜渡渉〜除雪最終地点 渡渉の洗い越しは水量が多くそのまま渡ると靴が水没します。除雪最終地点はアメリカ橋のそばなのでそこまで頑張って歩きます。その先は除雪幅が狭く車のすれ違いが困難な場所も多いのでスピード注意。 |
その他周辺情報 | 大井沢温泉ゆったり館 |
写真
装備
個人装備 |
冬山装備一式
|
---|---|
備考 | 日焼け止めを忘れた |
感想
今年のゴールデンウィークも朝日連峰に登ってきました。雪が多いのか少ないのかよくわからないシーズンでしたが、4月の末にも関わらずラッセルできたり最高の天気に恵まれたり思う存分楽しめた山行でした。
今回取ったコースは天狗から狐へ抜けるルート。穏やかな林の中を歩いたり岩場を歩いたりと変化にとんだ良いコースなのですが、なぜかマイナーなルートになっていて夏場でも人にあったことがありません。初日の天気予報が雪と出ているのと若干の長丁場になるので、行けるところまで行って時間と天気を見てビバークするかという計画です。
スタートは大井沢の集落の河川敷公園キャンプ場。ここに車を置いて行きました。大井沢集落から南俣沢出合までは林道歩き。残念ながら小雨が降るあいにくの天気でしたが、出合の少し手前まで除雪されていて快適に歩くことが出来ました。
南俣沢出合から先はほぼ雪が残ってさすが豪雪の朝日連峰といった感じです。雪質は締まっていて踏み抜きはありませんが凍っているわけでもなく、天狗角力取山まではアイゼン無しで登って行けました。竜ヶ岳の水場付近の雪崩ポイントも朝のうちに通過できて一安心です。
天狗から先は木の薄い稜線歩きになるので、念のためアイゼン装着。登り初めに降っていた雨は天狗に着くころには雪に変わっていましたが、積もるほどの不利ではありません。逆に日差しが遮られて雪も締まったままなので踏み抜きも少なく、予想よりいいペースで進みます。早く先に進みたかったので天狗小屋はパスします。ちなみにこの時 天狗小屋の付近は夏道が出ているところはなく水場も出ていないようでした。
天狗から先は稜線を歩きつつ徐々に高度を上げていきます。ところどころで夏道が荒れ割れているところもありましたが、ほとんどは雪の上を歩いていくことが出来、心配していたオバラメキコバラメキのあたりも 締まった雪をつないでそれほど苦労なく進めました。天候が悪かったのが幸いしたようです。
今回のコースの中では高松峰付近が最も通過に気を使いました。大きな岩を巻くところが何か所も続き、岩にへばりついた雪でルートが隠されて、右を行くのか左を行くのか判断に迷いながら進みます。両手でよじ登って進むところもホールドが雪で埋もれて掴み辛くピッケルフル稼働です。何とかここを通過したときにはさすがにホッとしました。
高松峰から先はなだらかなガレ場になりますが、風が強く抜けるところなので顔を上げることも出来ずに必死に進みます。避難小屋への分岐の標識が見えるとまもなく小屋に到着。小屋の前は小屋の屋根を越える高さの雪壁となっているので雪質によっては滑落しないように注意しましょう。小屋の水場は氷ることもなく出て疲れたを潤してくれました。その晩は管理人さんたちと楽しく歓談して就寝。
二日目以降は人も多い主稜線歩き。今回は山の中でのんびり過ごそうと隣の竜門でも一泊して合計二泊し帰途に就きましたが、こちらでも管理人さんたちとたのしくすごすことができました。
主稜線での注意点は照り返しがすごいこと。同宿の方の中には雪目になった方もいたので日焼け止め対策とも万全にしたほうが良いかと思います。私は日焼け止めを使わなかったせいで顔がかなり悲惨なことになってしまいました。
ところでこのコースはこの時期あまりお勧めできません。なんといっても切れ落ちた岩場の通過と長い行程。人のほとんど通らないルートなので万が一の時はほぼおしまいです。行く場合は体力と時間に余裕をもっての計画をお勧めします。
水場は狐以外は出ていなかったようです。気温が上がると状況は変わっていきますので、参考まで。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
今年は雪融けが遅いし頻繁に降雪がある中、朝日のロングルート満喫素晴らしいです。
1日目に天狗を越して狐まで行く所がさすがです。
朝日が恋しくなってきてたとこなので、素晴らしい写真を見れて嬉しい限りです。
竜門の夜は楽しかったんじゃないでしょうか😁
大変お疲れ様でした❗
雪が多いのか少ないのか判断がつかない変な気候でかなり悩みますね。
今回はたまたま天気が悪いのが幸いして初日の距離を伸ばすことが出来たのでラッキーでした。
竜門はもちろん初日の狐も楽しく過ごすことが出来ました。やはり朝日の小屋番さんたちは最高です。
chicken_manさん こんにちは!
GW中に二つ石コースを歩かれるとは‥‥。
期間中に歩いた事がある人に実際に会ったのは、
これまでで二人しかいませんでしたが
chicken_manさんが三人目になりました。
素晴らしい!
このコースはmaki2015さんと、これまで歩かれたお二方の記録とをかなり参考にさせていただきました。
記録の少ない中、皆さんの詳細な記述がとてもたすかりました。先人がいなければとても先に立つことは出来ないポンコツなので色々と勉強させていただいております。
どうもありがとうございました。
残雪期はあまり人が歩かないコース、天候が悪い中、狐穴まで歩いてしまうとは…
しかしこの時期の朝日はやはり良いですね。
朝日の写真素晴らしい景色ですね、また朝日にお邪魔したくなりました
やはり雪は条件次第だなとつくづく感じます
たまたまですが天候の悪さが逆に好条件になるというのは面白いものです
やはり朝日は良いですね。もっともっと極めたくなります
おいらの技量ではいけませんがうらやましいなぁ〜〜〜
何時残雪の朝日連峰に行けるかな〜〜〜
指くわえ中・・・・
今シーズンは間に合わないんでしょうか?
でも使い古されたフレーズではありますが「山は逃げない」ということで焦らずリハビリ頑張ってください。
来年のGWはまた是非朝日で会いましょう。
同じ時期、同じ山域に入っていたことに感慨を覚えます。朝日連峰には4/28から小国から入山していましたが、5/1には大朝日小屋から天狗小屋まで歩きました。12時間近くかかってしまいました。主稜線上では何人かにお会いしました。ほとんど狐穴小屋からの方々です。三方境から天狗までのルートは季節に関わりなくあまり使われていないようですね。誰にも会いませんでした。三方境から二ツ石までの雪庇の処理が面倒くさかったです。歩いていてchiken manさんのトレースはわかりました。天狗の小屋に着くと、丁度その日上がってきたというに管理人とそのとりまきの方々が集っていて歓待されました。ビールも飲めて感激しました。夜7時くらいに障子ヶ岳経由で登ってきた若者2名が到着しました。その晩管理人さんにお聞きしたのですが、この山域を世界遺産に推す活動もあったようで、極力標識など付けていないらしいです。
コメントありがとうございます。
小国から入山ということ、かなりの長距離を歩かれたようでうらやましい限りです。
あの残雪で大朝日から天狗を一気に抜けるのはかなりきつい行程だと思うのですが、12時間で行けるとは恐れ入ります。とくに高松峰から二つ石山は下りだとコース取り難しそうで、私が通った時よりも雪解け崩壊が進んでひどそうに思うのですがやはり大変だったのですね。
朝日は大好きですが、この時期は特に静かで大好きです。静かで過剰に整備されていないのはそういう理由があったのですね。小屋に集う方々にいろいろなお話が聞けるのも朝日の良いところですね。suecoさんにお話しお伺い出来たら楽しかったと思うのですがお会いできず残念です。いつかどこかでお会い出来たらいいですね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する