上越国境稜線縦走(白毛門〜巻機山)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 2,606m
- 下り
- 2,686m
コースタイム
- 山行
- 6:25
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 6:45
天候 | 5月3日:晴れのちガス 5月4日:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
核心部的な箇所はありませんが、いたるところにクラックが走りクレバスもどきになっている場所もあり、誤って落ち込まないように注意が必要です。最初の白毛門の取り付き以外ほとんど雪上を歩けましたが、ごく短い藪漕ぎが何箇所かあります。 |
写真
感想
上越は全国の中でも最も好きな山域の一つです。国境稜線については、学生時代に白砂山〜谷川岳、巻機山〜大水上山の区間を縦走していますが(いずれも藪漕ぎ)、白毛門〜巻機山、大水上山〜平ヶ岳〜尾瀬が未踏破区間となっていました。今回は、クラシックルート?である前者を2泊3日で縦走する計画です。(結果的に1泊で行けてしまいましたが・・・)
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5月3日(金)
土合橋でバスを降りると、新緑と桜に迎えられる。
雪国もすっかり春の装いに変わっている。
東黒沢を渡りいつもの白毛門の尾根に取り付く。最初は雪は全くなく、冬靴が単なる重い荷物に感じてしまう。
これまで夏季にしか白毛門に登ったことがなかったが、この時期には視界を遮るものが少なく、一ノ倉沢の偉容や雪解けで増水したハナゲノ滝・タラタラのセンなどがちょくちょく見えるのが嬉しい。
標高1000mを過ぎると雪が出てくるようになり、標高1300mあたりからはほぼ雪上を歩くようになる。夏道よりも快適かもしれない。
白毛門直下の急登は、アイゼンが無いと厳しい印象。一部高度感のあるトラバースもあった。
ごく短い距離の藪漕ぎも交えながら登るとほどなく山頂に到着。標識はキレイに出ているが、周囲は雪のブロックで覆われている。
白毛門周辺〜笠ヶ岳では何人かとすれ違ったほか、同じく巻機を目指される単独の方2名とスライド。話はしていないが、4名ほどのパーティともスライドした。結構人が入っている印象で、巻機を目指している方もそれなりにいるようだ。
白毛門からは一気に快適さが増し、広々とした雪の尾根をどんどん進んで行く。
雪の斜面をひと登りすると笠ヶ岳。笠ヶ岳周辺は夏道がでており、アイゼンの着脱判断に迷うところだ。
ここまでは暑かったが、笠ヶ岳を過ぎたころから雲行きが怪しくなり、風も出はじめて一気に気温が低下してくる。朝日岳に着くころにはすっかりガスっており、寒いので山頂はスルーし先に進む。
ジャンクションピークからはガンガン下る。一瞬ガスが晴れ、これから向かう稜線上、大烏帽子の2つ手前のコルにオレンジのテントが2つ並んでいるのが見えた。自分はもう少し進んで大烏帽子直前のコルまで行き、そこで幕営することにする。
テン場はナルミズ沢の源頭にあたり、あと3ヶ月後には天国的な草原となるのだろう。
夕日のシャッターチャンスを狙っていたが、今日は最後までスッキリしなかった。残念。カレーとゴボウの煮しめを食べて就寝。(一人だとレトルトばっか・・・)
5月4日(土)
2日目はいい感じで快晴。大烏帽子山頂で日の出を迎えるため、4時半に出発。
締まった雪面にアイゼンの刃を効かせながら、順調に登るとベストなタイミングで大烏帽子着。撮影タイム。
大烏帽子先はかなり快適な尾根が続く。一部クラックが入ったり段差があったりするが、注意していけば特段問題になるような箇所は無い。
先行されていた方のテントのあった1614コルから登り返し、檜倉山に到着。檜倉山の山頂はテーブル状で草原&池塘もあり絵になる風景だ。この辺で幕営するのも気持ちよさそうだ。
檜倉山から時折細い箇所も交えながら1550mまで下る。なかなかアップダウンの激しいコースだ。1550m付近は細い雪面に大きなクラックが走り、若干嫌な感じになっている。西側を慎重に通過。
ここから比高350mの登りを経てようやく柄沢山。直前の1860mの斜面が結構急だった。ちょっと足が疲れてくる。
柄沢山からしばらくは散歩気分で歩ける緩やかな尾根が続く。全行程の中で一番アップダウンが少なく楽な部分かもしれない。
米子頭山に近づくと再び尾根は細くなり、一部藪に逃げる部分もある。
徐々に巻機が近づいてくるのが分かる。
米子頭を過ぎ、1646mコルから最後の登りにかかる。この頃になると雪が緩んできて、アイゼンが重くなる。というか暑い!
だらだらとしつこく続く斜面を休み休み登り、最後の50mほどの斜面を越すと、遂に念願の巻機山に到着!人が一気に増え、さながら観光地の様相だ。
巻機到着は午後になると思っていたが、かなり早く着いてしまい、今下り始めればお昼のバスに間に合いそうなので、予定を変更し今日中に下山することにする。
というわけで山頂標識のところで、記念に歩いてきた稜線をバックに写真を撮ってもらい、下山開始。
ニセ巻を除くと面倒な登り返しも危険個所も無いので、ガンガン下っていく。8合目周辺など一部地面が出ていたので、アイゼンは外した。ただ、そのあとは再び雪面となり、登山口近くになるまでほぼ雪道だったため、基本アイゼンはしておいた方が良さそうだ(特に井戸の壁は無いと厳しそう)。
そんなこんなで、2回ほどアイゼン着脱を行いながら下り、無事に桜坂駐車場に到着。少々装備を乾かしたりする。
あとはダラダラと車道を清水バス停まで。途中、スキーで2泊3日で同ルートを踏破されたというご夫婦と話しながら下る。あのコースをスキーで歩かれたとは凄い!
その後、バスと電車で越後湯沢まで行き、駅前の公衆浴場(入浴料400円、安い!)で汗を流して帰路についた。
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令和最初の山行でしたが、幸先の良いスタートを切ることが出来ました。
上越国境の残る区間もいつか行ってみたい、、、でも厳しそうだなあ。。。
コメント
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巻機山山頂付近でカメラマンを務めましたyamatake01です。
流石若者でワンゲルで鍛えられていますね。朝日からの大きな荷物を担いでの縦走、アップダウンが続き神経の使う雪の稜線、その甲斐あっての素敵な日の出と眺望、素晴らしいです。
これからも楽しくかつハードな山行を続けてください。
我々老人2人は山頂で大展望をゆっくり楽しんで下山しました。
yamatake01さん、昨日はありがとうございました!おかげさまで、縦走の良い締め括り&記念になりました。
縦走路は結構ヒヤヒヤする箇所もあり、また特に2日目は巻機までほとんど人に会わなかったので、山頂に着いた時は正直ほっとしました^^; と言いつつ、上越国境は本当に素晴らしい山域なので、今後も季節を問わず足を運びたいと思っています。
(yamatake01さんのレコ、拝見しました。山頂からの眺望は本当に素晴らしかったですね!)
追い抜かれたとき早い方だなと思いましたが、時間を拝見して、あらためて早いなと感心しているところです。
今回の山行は特に二日目の天気がよく、気持ちよかったですね。
でも、私には少々怖かったため、この景色にもかかわらずもう雪山はいいやと、思っていましたが、10日たってまた行きたくなってきたところです。
私も以前よりorochiさんの目標と同じく大水上〜尾瀬に行ってみたいと思ってますが、きっと、今回のコースよりこわいのでは、と恐れてます。orochiさんが、そちらに行かれたら、ぜひぜひ報告を楽しみにしています。
fire0819さん、コメントありがとうございます^^
fire0819さんのレコにも同様のことが書かれていますが、今回のコースは「おそらく大丈夫だけれど、もしかしたら崩れるかもしれない」というところを通らざるを得ない場面がたくさんあって、なかなか精神的にしんどかったですよね。。
その時はしんどくてもう来るか!と思っても、時間が経つとまた行きたくなる感覚も良く分かります(笑) 大水上〜尾瀬は深いですし、おそらく上越国境で一番厳しい区間な気もしますが、奥利根の自然を存分に味わえる素晴らしいコースだと思うので、是非いつか挑戦しましょう!!
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