ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 185619
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

篠井山ー青笹山ー十枚山ー大光山ー八紘嶺縦走

2012年04月28日(土) 〜 2012年04月29日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
42.0km
登り
4,098m
下り
3,379m

コースタイム

1日目:井出駅(8:40)-御堂登山口(10:00)-沢分岐手前(11:30-11:45)-沢(12:15)-篠井山(13:15-13:25)-奥山登山口(14:10)-奥山温泉(14:25-14:40)-登山口(15:30)-田代峠(16:10)-青笹山(17:30)

2日目:青笹山(4:05)-地蔵峠(5:05)-岩岳(5:40)-下十枚山(6:10)-十枚山(6:40-6:50)-刈安峠(7:50)-大光山(8:30-8:55)-大笹ノ頭(9:40-9:55)-バラの段(10:55-11:05)-安倍峠(11:20-11:30)-分岐(11:55)-八紘嶺(12:45-13:00)-分岐(13:35)-梅ヶ島温泉(14:30)
天候 1日目:晴れ後曇り
2日目:快晴
過去天気図(気象庁) 2012年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
行き:JR井出駅
帰り:梅ヶ島温泉〜JR静岡駅(しずてつジャストライン)
   
コース状況/
危険箇所等
※篠井山の御堂登山道は、廃道に近い状態ですので注意してください。

感想

GWはテントを担いで、安倍奥の山に登る計画を立てていた。安倍奥は、去年のGWにも歩いていて、とても良い印象がある山域だ。

取り付き方法を色々と検討した結果、井出駅から歩いて篠井山に登ってから、青笹山に向かい、そこから縦走して八紘嶺を目指すことにした。

篠井山は、1年も前から登ろうと思っていた山だが、満足できる計画が立てられずに、後回しにしていた山だ。
一般的な登山口である奥山温泉方向に向かうバスがないようだ。バスがないとなると、歩きで行くしかない。しかし、駅から奥山温泉まで15kmも車道を歩いた末に、ピストンで登るのは、どうも気が進まない。
だが調べてみると、篠井山には登山口が4つあり、奥山の他には、成山、馬込、御堂があるらしい。ただ、どの道も、ほとんど使われておらず、一筋縄ではいかないようだ。
情報を見る限りでは、御堂、馬込、成山の順で危険度が増していくような気がする。結局、最も安全そうな御堂から登ることにした。

■ 1日目(井出駅〜篠井山〜青笹山)
井出駅を降りると、とてもいい天気だ。歩き始めからTシャツ1枚になる。
駅から御堂登山口までは、7.5km程ある。久々のテント装備が重く感じる。炎天下の中、登山口に到着。樹林帯は日差しが遮られ、助かる。

登山口には、立派な道標があった。少し朽ちた階段を登ると、意外と道はしっかりしている。少し登り始めた辺りで、篠井山はヒルが多いという情報を思い出し、裾をまくってみると、なんと既にヒルが張り付いている。慌てて払いのけ、スパッツを付けた。この気持ち悪い生き物は、何度見ても慣れない。

この登山道は、山頂までの残り距離を示した標識が細かく立っている。最初が「3.2km」で100m間隔で現れる。若い植林帯を保護しているらしい柵があり、その柵沿いに進んで行くと、km表示が次々出てきた。

杉林が続き、道の上には、杉の落ち葉が深く積もっている。
暑くて調子が出ない。久しぶりに聞くツツ鳥の声や、時折吹く涼しい風に励まされて、少しずつ高度を上げて行く。「1.8km」の標識の先、しばらく標識が出てこなくなってしまった。でも、道は間違っていないはずだ。

この道は、尾根を登り続けると、最後には登れないような崖に行き着いてしまうらしい。確かに、地形図を見ても、最後の辺りが崖マークになっている。
事前に調べた情報では、一度、右側の沢に降りて、右の斜面に取り付くようで、地形図もそうなっている。地形図を見ると、1000m付近で沢に降りるようだ。

右側に降りる道がないか、注意しながら登って行く。道は、少しずつ悪くなってきて、崩落気味の所がでてきた。急な坂を無理矢理のぼると、なだらかになるところに出た。

そこで右側にピンクテープを発見した。よく見ると巻き道があり、笹薮の中に細い踏み跡がある。
ここは、おそらく970m付近だろう。地形図に書かれた道は、もう少し先から沢に降りているので、その場所を確認するため、ザックを置いて、尾根を進んでみる。こちらの方が、遥かに道がしっかりしていて、まだピンクテープや赤ペンキもある。
1000m付近と思われる所からは、沢に降りる道はなかった。右下の沢を覗き込んでみるが、ここから降りたら滑落しそうだ。

ザックの所まで戻って、先ほど確認した巻き道を進んでみる。右下50m程に沢が見える。巻き道は細く崩壊気味で、落ちそうで怖い。ピンクテープを頼りに進んで行くと、沢が次第に高度を上げてきて、最後は5m下まで沢が接近してきた。滑り落ちるように沢に降りて、辺りを見渡すと、金属製の立派な道標があった。

ここは、2つの沢の出合となっている。道標の「篠井山→」は右側の沢を指していて、そちらにテープもある。地形図では、ここからすぐ先で右の斜面に取り付くようになっていて、実際その通りだった。
取り付いた所に「1.0km」の標識を発見した。後は、踏み跡に従って、斜面を登るだけだと安心したのも束の間、道が悪い。空は急に曇ってきて、ガスも立ちこめてきた。

以前は、幹や枝に巻かれていたはずのピンクテープも、地面に落ちて散乱していて、踏み跡も消えてしまっているところがある。しばらくは顕著な尾根ではない斜面を登ることもあり、道が分かりづらい。それでも、時折、km標識が出てくるので、間違ってはいないようだ。斜面が崩落しているところは、足下が崩れて進まない。枝に掴まったりしながら、強引に登った。

濃いガスに覆われた中を、悪戦苦闘して登っていくと、ようやく御堂と馬込登山道の分岐に辿り着いた。道標の「御堂」の文字を隠すようにテープで×印が付けられている。私の調べた情報では、「御堂(上級)」となっていたはずだが、いつの間にか廃道扱いになってしまっていたようだ。

結局、最後の1.0kmに1時間かかって、山頂に到着した。人の顔をみて、ようやく安心できた。山頂からは、雲とガスで眺めはなし。

奥山温泉に向かって降りる道は、さっきまでの悪路とは打って変わって、すこぶる快適だ。道があるというのは、ありがたい。
途中、渡り場の頭で、明日のための水を調達した。4ℓの水を汲み、ザックの中の飲料と合わせると6ℓ強だ。

奥山温泉の前のベンチで休みながら、この先の計画を考える。予想以上に体力と時間を消費してしまい、今日の目的地の青笹山まで行けるか心配になってきた。
しかし、この時期は日も長いことだし、無理そうなら途中で泊まれば良いということで、先に進むことにする。

奥山温泉からは未舗装の道路で、田代峠の登山口まで進む。登山口から田代峠までの道も東海自然歩道ということで良く整備されている。緩やかな登りということもあって、疲れた体でもなんとか登ることができた。

田代峠から青笹山までは、550mほどの急な登りだ。笹が刈り払われた道を登って行くが、疲れが酷く、何度も休憩してしまう。アキレス腱がどうにかなってしまいそうな角度の直登が続く。ガスがどんどん濃くなって、10mほどしか視界が利かない。

17時30分、ようやく山頂に着いた。疲れすぎて、しばらく動けなかった。
ガスは、ますます濃くなり、辺りは全く見えないが、ウグイスが沢山鳴いていて、賑やかだった。この時間でも、まだ明るい。
本来、山頂は笹で覆われていたと思われるが、広く笹が刈られていて、平らな部分も多く、テントを張るのにはとても良い場所だ。

疲れた体に鞭打って、テントを張り、夕食を済ませて、シュラフに潜り込む。今日は、とても暖かく、3シーズン用のシュラフでも暑い程だ。
一日の疲れで、すぐに眠りに落ちた。

■2日目(青笹山〜十枚山〜大光山〜八紘嶺〜梅ヶ島温泉)

朝、2:30に目が覚めた。外を見てみると、あれほど立ちこめていたガスが無くなり、星がよく見える。

ヘッドランプを点けて、4時に歩き始める。昨日の疲れは、まだ残っている。なるべく暑くなる前に歩いておきたい。
笹が刈られた道を地蔵峠に向かって緩やかに下って行く。幅2m程も刈り払われていて、とても快適な道だ。

次第に明るくなってきた。東側には雲海が広がり、西側には朝焼けの美しい富士がある。笹の道が続く。笹は、私の身長以上もあり、高密度に生えている。もし全く笹が刈られていなければ、とても歩くことはできないだろう。
この辺りの木々には、まだ新緑は見られない。

地蔵峠を過ぎ、下十枚山に到着。天津山の山名標もある。今日も暑い。日差しが強く、もう夏になってしまったかのような暑さだ。
すぐ先の十枚山に着くと、1年前と同じで今日も誰もいない。去年登った山伏や昨日登った篠井山がよく見えた。

ここから北に縦走していく。途中、南アルプスの眺めがとても良いところを進んで行く。南アルプスは、まだ深い雪に覆われている。
途中の崩落が進んでいる黒崩は、西側の巻き道を進み、安全に通過した。

しかし、この稜線は延々と日を遮るものがないため、急激に体力が奪われていく。
大光山で大休憩を取る。靴を脱いで、足を冷やした。

この先も笹の道が進む。アップダウンが少ないのが助かるが、照りつける日差しで、なんだか熱中症気味になってきた。風がないのも辛い。

ワサビ沢ノ頭とバラの段では、なんとか木陰を見つけて休むも、水の消費が激しい。
今日は、既に1.8ℓほど飲んでしまった。残りは1.2ℓ程しかない。ここから見える富士山はとても涼しそう。

急坂を下って安倍峠に降りた。この途中で、ようやく登山者に出会う。
安倍峠では、テント装備のさわやかな若者に出会って、しばらく山の話をした。静岡の方で、この辺りを良く歩いているらしい。今日は奥大光までいくとのこと。

あとは、八紘嶺まで行くだけだが、体力と水が持ちそうにない。富士見台下の分岐でザックを置いて、八紘嶺まで空身で行くことにした。片手にペットボトルだけ持って、坂を上って行く。ザックが無いだけで相当楽になったが、やはり日差しがキツく、どんどん水を飲んでしまう。途中、何度も偽ピークが出てきて、まだかまだかと登って行くと、懐かしい八紘嶺に到着した。山頂には、5名程の登山者がいた。

山頂脇の木陰で、素足になって休息する。ここに来てようやく風が出てきて、涼しい。このまま昼寝したい気分だが、水が足りない。

空身での下りは、テント装備のザックを背負っての下りとは、比べ物にならない程楽だ。すぐにザックの所まで降りられた。

梅ヶ島温泉までは、延々と下りが続く。膝が怪しくなってきたところで、ようやく下山できた。結局、水はほとんど飲んでしまい、残りは100mℓ程。昨日、多めに水を汲んでいなければ、八紘嶺までは行けなかっただろう。

梅ヶ島温泉で温泉に浸かって疲れを取った。38度のぬるい源泉に長く浸かっていたが、その間誰も来ず、貸切状態だった。

今回は、久々のテント山行で、1日目、2日目ともに、バテバテになってしまった。それでも、念願の篠井山にも登れたことだし、安倍奥の山にも再訪できて、満足のいく山行だった。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:2078人

コメント

ゲスト
こんばんは
安倍峠でお話させていただいた者です。

ヤマレコやってらっしゃったんですね。

29日は本当に暑かったですね。僕は4L水を担ぎましたが、初日で半分以上を消費してしまいました。なるべく飲まないように我慢しましたが、手が痺れたので軽い脱水症状だったと思います。

またどこかでお会いできると良いですね。
2012/4/30 23:53
お疲れさまです
コメントありがとうございます。

ヤマレコやってる方でしたか。初めてです、ヤマレコユーザと山で話したのは。すれ違ったことは何度かあるんですが。

sw1051さんと話した時は、本当にバテバテ状態で、ゆとりが無かったです。
2日で4ℓでよく足りましたね。私は、調理水も入れると、7ℓ以上使ったと思います。

安倍東山稜、私も繋げられるように計画中です。近々、また行こうと思っています。

七面山〜八紘嶺の間、秋は涼しくて良いでしょうね。
また、どこかでお会いするかもしれません。
2012/5/1 21:48
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら