拷問のような剱沢での山スキー #60, 61
- GPS
- 12:04
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 1,913m
- 下り
- 1,912m
コースタイム
- 山行
- 4:48
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 5:24
- 山行
- 5:17
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 6:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
剱沢キャンプ場から剱御前小舎のGPS軌跡が変ですが実際には登山道上を歩いています。 剱沢はアイゼンの携行を求められます。 |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
久しぶりに立山でのテント泊です。お盆の時期は特に混むのですが、ここが山スキーできる一番近いところとあれば混雑を気にしているわけにはいかないでしょう。
天気は快晴。日焼け止めを塗っただけでは不十分で、フェイスマスクとサングラスも使用します。それでも重いザックではだけた肩のところが露出して日焼けしてしまいヒリヒリすることに。
テント場は雷鳥沢も剱沢もかなり賑わっています。雪渓は去年より小さく、剱沢キャンプ場あたりで遊べる雪渓はほとんどありません。そのまま剱沢に向かいます。
剱沢の雪渓取り付き点からは当然のごとくスキーで滑ります。正直なところ歩くのとスピードは大差ありません。硬い凹凸、ドロドロの汚れ。先週の内蔵助氷河の快適な感じはどこにもありません。これを滑るとスキー技術の未熟さを感じさせられます。一応雪渓は安全な範囲で末端から末端まで約1300mほど滑りました。この拷問のような滑り、それでも凹凸に合わせて力まないで細かくスキー操作すると少しは楽になるような気がします。
雪渓が終われば歩きにくい夏道を歩き2回ほど雪渓歩きを経て真砂沢キャンプ場に到着します。ここは秘境のテント場ですがかなりの賑わい。ほとんどの方がクライマーです。クライマーの方は早朝から夕方まで登攀に熱心です。私は剱沢雪渓を滑ってもう凸凹にお腹いっぱいになり三ノ窓雪渓を滑りに行くことも止めてしまう軟弱さ。
さて翌朝は3時か4時には起きようと思って、3時半過ぎに眼が覚めてもう一眠り〜と思ったら4時半になってしまいました。もはや大半のクライマーの方々は出発されています。朝も軟弱な変態山スキーヤーです。
テントも撤収して出発は6:17。ここから標高差1000mの登り返しにどれくらい時間がかかるかです。雪渓歩きに入るとスキーでカニ歩きではなくアイゼンを装着します。昨日アイゼンありで歩いている人とそうでない人のスピードを見比べてみるとアイゼンありの人の方がかなり速かったので、体力温存のためにもアイゼン装着しました。
途中長次郎谷や平蔵谷出合ではクライマーの方が取り付いておられます。あの岩峰を登ろうという強い意志を感じます。私はただピストンで雪渓を歩くだけです。
剱沢キャンプ場で水を補充し、なんとかようやく剱御前小舎まで登り返してきました。剱山荘までのトラバースルートに雪渓が接しているので、せっかくなので一本滑ることにしました。雪渓があっても登山道から離れているとなかなか踏み荒らしてまでスキーをするという訳にもいかず、指を咥えて眺めるしかないのですが、ここは安心して雪渓に入ることができます。
ここも凹凸はありますが剱沢とは違ってまだ随分マシで、かなり快適に滑ることができました。「かなり」というのは剱沢との比較であって、通常のザラメ斜面から比べると「かなり厄介な」滑りではあるのですが・・・。
これで思い残すことはない、雷鳥沢キャンプ場までただひたすら下ります。途中小学生低学年くらいの女の子から「スキー?スキー?夏なのにスキー?」と何度も指を指して言われました(笑)。これが世間一般の率直な気持ちなんでしょうか。指を指して「この人おかしい!」と言いたいのを我慢するのが大人、それを代弁したのがかの女の子ということでしょう。
そしてそこからはまた厳しい登り返しを繰り返して室堂に戻ったのでした。
ケーブルカーは整理券での運転となっていましたが、待ち時間は20分くらいでトイレに寄ったりコーラを飲んだりとよい休憩になりました。駐車場までは暑い地獄のような歩行ではありましたが・・・。
momochannさま
いつも楽しく山行記録、拝読しています。
>こんなところまで重いテント泊装備で岩を登りに来る方々の情熱は素晴らしいと思います。
私もスキーが好きですが、なかなかフリーで滑る時間が持てません。時間はつくらないといけないのでしょうが・・・ この時期でもSNSを見ると、ピスラボだ、グラススキーだ、と練習されている方々を見ていると、いかに自分がスキーに対する情熱に欠けているかを思い知らされます。月山も20年前までは出張がてら行ってたのですが、天気の当たり外れがイヤで行かなくなってしまいました。ただ、momochannさまの山行記録を拝読していると、どこかマイナーな雪渓に行って滑ってみたいな、という気持ちが心の奥底にあるようです。そういえば、2016シーズン、少雪だった時、GWに今は営業していない妙高燕温泉で上の方まで担いで登って滑ったことがあります。
そころで、今日は無粋な質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?
1)今回の山行記録に限らず、滑走中の写真がありますが、同行者の方の撮影によるものなのでしょう? それとも自撮り? ワイヤレス? 動画からの切り取り??
2)>うっかりこのまま雪渓を下りすぎると沢に落ちますので絶対に見逃してはいけないポイントです。とありますが、危険ポイントは地図で読み取るのですか? 雪渓の下に流れがある、とか、踏み抜く危険、というのは、どうやったらわかるのでしょうか?
3)タイトルの#60,61は、滑走日数ですか?
4)トップシーズンのゲレンデスキーとは板やブーツは別ものですか?
ハイキング程度しかしていないので、興味があります。
ご教示いただければ、うれしく存じます。
skiboyさんコメントありがとうございます!
「どこかマイナーな雪渓に行って滑ってみたい〜」というのはなかなかいい選択だと思います。大雪渓と呼ばれるところは一通り?夏か秋に滑ってみましたが、大雪渓だけあってスプーンカットもその硬さも汚れ方も「大」です。雪渓は雪がなくなりかけの頃になるとスプーンカットも小さくなり汚れも雨で流され結構滑りやすくなります。
なのでマイナーな小さな雪渓が狙い目だと思います。昨日の剱御前小舎の雪渓では真っ白なザラメが一部だけですがあったくらいです。
さて前置きが長くなりましたがご質問にお答えします。
1) 基本的にはデジカメを小さな三脚で立てて動画で撮り流して、帰宅後になるべくカッコいいシーンをコマ送りして探して出して(笑)切り取ってます。
2) 剱沢の末端の南無の滝の手前のところでは、剱沢キャンプ場の山岳情報あるいは真砂沢ロッヂの小屋情報でも明記されていますが、毎年誰か落ちるらしいです。雪渓が踏み抜けるかどうかは、雪渓の下の沢の水流を感じ、沢の芯(=雪渓を水平に切った時に一番低いことが多い)に当たるところにはできるだけ入らないようにしています。あとは雪渓を滑るときは下から雪渓を登って滑った方が事前に雪渓の確認をじっくりできるので安全です。
3) はい、その通りです。新雪を滑った初滑りからの日数です。
4) この時期のスキー道具は長時間担ぎますので軽量なのが好ましいです。それでもあのスプーンカットの振動は半端なく、ビンディングの開放値10くらいだと外れることがあります。実際に外れたシーンがここにあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1556585.html
ビンディングの誤開放は命に関わることもあるので、必ず登行モードにして外れないようにしています。で、肝心の道具はDynafitのBALTORO Women's 149cm, G3 Onyx, Dynafit DyNA Evoの組み合わせで、シールとクトーは持って行ってません。(シールで歩くとドロドロに汚れますし、あの凹凸斜面はシールでは登れないので・・・)
ご参考になれば幸いです。
ていねいな解説ありがとうございます。
山用のスキーに山用のビンディングということなんですね。
ゲレンデ用のスキーでは無理ですか??
リンク先を読んで新たな質問が発生しました・・・
野営の時の雷って怖くない? というか、危険でないのですか???
こうやって山行記録読んでいると、行きたくなるな〜〜。
でも、毎週、京都から通ってはるの???
そうですね、普通の山スキーなら山スキー用のビンディングとブーツは必要になりますが、アイゼンつけて登ってスキーは滑るだけというのならゲレンデスキーでも可能です。実際最初は私もそこから始まりました、ただ重いですが…
できれば普通の山スキーからスタートされるのをお勧めしておきます。
野営の雷は怖いですよ。場所によっては直撃もあり得るので、設営場所に気をつけないといけないこともあります。
はい、毎週…なので毎年35000km走ってます(笑)
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