丹沢主稜(塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳・檜洞丸)日帰り縦走


- GPS
- 11:50
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 2,278m
- 下り
- 2,008m
コースタイム
天候 | 晴のち曇(霧) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
不動の峰下の水場までは一部道崩壊。 |
写真
感想
一か月前に表尾根を登ったが、入梅前にぜひ主稜を歩き通してみたかった。
本当は山荘泊2日で余裕をもって臨みたかったが、前日は雨を心配したため(降らなかったらしいが)この日日帰りで決行。
大倉から登行開始。先日大倉尾根を下った時は、上るとかなりきついのではないかと思っていたが、実際に上ってみると無茶苦茶な急登はなく、道の整備も行き届いていて歩きやすかった。さすがに表尾根と並んで丹沢の代表的ルートというだけある。先日は登りで大腿に筋肉痛が発生したので、ペースを控え目に登ってみた。
新緑が鮮やかなこの季節、非常に気持ちの良い登りだった。平日だがそれなりに人は登っており、そうした人たちと時々会話しながら歩く。単独行のある男性は79歳とのことだったがとても若々しく、そのように伝えると、他人からそうして認めてもらえるのはうれしいことだと笑った。また別の男性は、自分は週1回丹沢に登っているが、ここに年間330日(!)来ている知り合いがいると話していた。やはり丹沢は多士済々である。
雲が多く、大倉尾根からは下界も遠くの山々もあまり望めなかったが、塔ノ岳山頂からは雲間に一瞬、富士山が見えた。目指す主稜ルートの山々はくっきりと見渡せたが、海側から霧が上ってくるのも見えて、そのうち主稜まで上ってくるだろうと感じた。山頂に人はちらほら、人にあふれた一か月前の様子が嘘のようである。
丹沢山までの道沿いはヤマツツジが真っ盛りで、その他の花々も美しい。このルートから見える丹沢の谷と周りの山々は本当に素晴らしい。その山々と谷の先に富士山が見える構図が好きだが、この日は見えず。ウグイスやホトトギスが始終さえずり、セミの音も聞こえた(短い鳴き声が続く独特の鳴き声だった。どういう種類のセミだろう?)。
丹沢山辺りから見る蛭ヶ岳はすぐ近くに感じる。不動の峰休憩所の逆側には、水場へ下りる道があり、案内板には「水3分」とあるが、赤い字で「13分」とも。補給が必要だったので下ったが、途中から道が崩壊していた。それでも迂回路を探して何とかたどり着いたが、登り返すと結構急だった。
水場往復の間に、下からの霧に追いつかれていた。この後は霧の中を進むが、幻想的な風景に感じられてそれはそれで楽しかった。棚沢ノ頭で出会った男性に聞けば、熊木沢出合からの尾根を登ってきたという。しかし踏み跡がはっきりせず、迷いそうな場所もあった、登り切ってこうして人に会えて良かったと、しみじみ話していたのが印象的だった。この方も何度も丹沢に来ているが、全てのルートを歩き尽くそうとしているとのことだった。
霧に巻かれた鬼が岩のクサリ場は誰もいなかったこともあり、荒涼感があった。蛭ヶ岳山頂の手前で、若い女性がほとんど気配もなく近づいてきて、道を譲るとあっという間に抜き去って行った。健脚である。
蛭ヶ岳山頂は、完全に霧の中。眺望がなく、丹沢最高峰に来た感慨に浸れなかったのが残念である。山頂には5人ほど、西丹沢から逆コースを来た男性の話では、晴れていればここからの富士山は、塔ノ岳から見るものと比べてはるかに近く感じることができる絶景のポイントだが、晴れ渡る日も少ないとのこと。
蛭ヶ岳からはいきなり急な下りが続き、逆から来ると大変そうである。ここのクサリ場から先、ルート上では下山まで誰とも会わず、完全な貸切状態だった(シカには会ったが)。
蛭ヶ岳から檜洞丸ルートはアップダウンの連続でしんどいが、ツツジの花や新緑の林の様子が美しく、また西側から丹沢の山塊や谷が見渡せる場所がいろいろあり、とても魅力的なルートだった。鉄板・階段の続く金山谷乗越を過ぎて正面に見える檜洞丸までは、かなり登り返さないといけない。道はあまり良くなかったが、想像したいたより楽に感じたのが救いだ。霧が晴れて、蛭ヶ岳から丹沢山・塔ノ岳、姫次がきれいに見渡せた。
檜洞丸直下の美しい疎林の中に現れた青ヶ岳山荘は、塔ノ岳から延々歩いてきたからか、深山にひっそりと佇む山小屋に思えた。営業していたので立ち寄ったが、おかみさん他2人だけでひっそりとしていた。インスタントコーヒーがとても美味かったのは、疲れがたまっていたからだろうか。おかみさんの話では、この辺りのツツジは5分咲きほど。満月だった前夜、ツツジと満月を納めた写真を見せてくれた。山小屋という言葉にぴったりで、いつか泊まってみたい。
檜洞丸山頂は眺望はなかったものの、中央の大きな木の周囲に祠や道標、園地を取り囲むブナの木々など、雰囲気が何ともいえず良かった。山荘のおかみさんのいうとおりツツジが咲いていたが、夕方の日の中で何とも言えない良い色となっていた。写真を撮っているうちに17:25になってしまい、下山を急ぐ。
しばらくはブナ林の中の美しい木道を進み、石棚山稜分岐まではすぐだったが、そこから急な下りが始まる。疲れがたまり、左膝内側、右膝外側に痛みが出てきた。下りのスピードを上げることができない。
おもむろに目の前に鳥が現れた。こちらが近づくと道の先へと進む。その繰り返しが続き、こちらが遊ばれているようにも思われたが、同道してくれたのかとも感じる(考え方次第ですね)。次第に右から、次に左から沢音が聞こえてきたが、なかなかゴーラ沢出合まで辿りつけなかった。ゴーラ沢出合の風景を堪能する暇もなく先を急ぐが、ここから西丹沢までが予想以上に時間がかかった。最後の500mほどはライト点灯。見通しの甘さを少し反省。
最終バスが出てしまったので箒沢集落まで歩き(携帯電話は通じず)、ガラス工房・流限で電話を借りてタクシーを呼ぶ。お礼に足つきグラスを一つ買う、なかなか良い。
疲れたが、丹沢主稜を1日で縦走しきったことは一つの自信となった。
それぞれの山頂で出会った人からいろいろ話を聞き、山頂では結構時間を費やしてしまったが、そういう時間も予定の中に確保しておく余裕が必要だった。
主稜縦走したのですね、羨ましいです(^^)
写真は綺麗だし文章を書くのも上手ですね
私も丹沢の全てを歩いてみたいと思っています
お久しぶりです。お元気ですか
コメントありがとうございます。
行程2日であれば、もっとゆっくり山を楽しむことが
できたところですが…
popieさんもそうですが、
丹沢に何度も来る人たちのお話を聞いていると、
それだけ魅力のあるところなのだなと感じます。
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