記録ID: 201608
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜
[静寂に佇む二百名山]餓鬼岳(白沢登山口からのピストン)
2012年06月24日(日) [日帰り]
- GPS
- 13:45
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,718m
- 下り
- 1,708m
コースタイム
3:45 駐車場
3:54 白沢砂防堤(登山口)
4:31 紅葉ノ滝
5:17 魚止メの滝
5:59 最終水場 6:07
7:04 ガレ場入口 7:11
7:52 大凪山 8:00
9:20 百曲り入口
10:45 餓鬼岳小屋
11:02 餓鬼岳山頂 11:59
12:05 餓鬼岳小屋 12:10
13:58 大凪山 14:05
15:21 最終水場 15:34
16:12 魚止メの滝
16:52 紅葉ノ滝
17:24 白沢砂防堤(登山口)
17:30 駐車場
3:54 白沢砂防堤(登山口)
4:31 紅葉ノ滝
5:17 魚止メの滝
5:59 最終水場 6:07
7:04 ガレ場入口 7:11
7:52 大凪山 8:00
9:20 百曲り入口
10:45 餓鬼岳小屋
11:02 餓鬼岳山頂 11:59
12:05 餓鬼岳小屋 12:10
13:58 大凪山 14:05
15:21 最終水場 15:34
16:12 魚止メの滝
16:52 紅葉ノ滝
17:24 白沢砂防堤(登山口)
17:30 駐車場
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
一般道:白沢登山口まで県道306号(有明大町線) ※国営アルプスあづみの公園(大町・松川地区)を目標にし、「餓鬼岳登山口」の案内板に従って道なりに進むと登山口に到着します ※登山口までの林道は全面舗装されていますが、道幅は狭い(待避所あり)ので、スピードは控えめにしましょう |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山口について◆ ・林道を進んで二股に分かれているところが登山口です。左側の道が餓鬼岳方面、右側の道が鍬ノ峰方面です ・駐車場は登山口から約100m手前にある空き地です。両方で20台位は駐車できそうです ・登山ポスト(用紙もあります)は登山口に設置されています ・トイレ(簡易/ペーパー完備)は登山口に設置されています(夏季のみ) ◆登山道について◆ 【注意】 ☆6月24日(日)現在、台風による増水で登山道が決壊しており、白沢ルートは通行不可となっています。6月末までに開通の予定です ☆最終水場までは沢に沿って登山道が設置されています。残雪期に限らず日常的に水量は多い川ですので、特に降雨直後などは注意が必要です ☆餓鬼岳小屋の小屋開けは6月29日(金)の予定です ☆残雪、沢の水量など登山道の最新の状況については、餓鬼岳小屋にお問い合わせください http://www.city.omachi.nagano.jp/ctg/00151118/00151118.html 餓鬼岳。なんともおどろおどろしい名前です。 大日、薬師や観音など有難い名前を冠する山が多い中で、ひときわ異彩を放っているその山名に興味を感じたのが今回の山行のきっかけでした。 また、常念山系の北端に位置し北アルプスの名だたる山々の中にあるにもかかわらず訪れる人も少なく、静かな山歩きができることにも魅力を感じました。 さて、今日も長丁場なので日の出前に出発します。 しかし、張り紙にショッキングな内容が! いわく「台風の被害により橋が流出し、登山道が通行できません」とのこと。 逡巡すること約10分、やっぱり行くことにしました。 実は6月2日(土)にも訪れていたのですが、途中で雪のため撤退したこともあってどうしても行きたかったし、そのときの記憶を踏まえてエスケープルートを設定することができればと考えたのです。 どうしても行けないと判断すれば、また引き返すだけのことです。 駐車場を出発してしばらくは檜の造成林の中を通りますが、ほどなくして白沢砂防堤(登山口)に到着。 ここからは高瀬川の支流である白沢沿いに登っていきます。 高巻きであったり時には河原の中であったり、水音を聞きながら緑のトンネルの中の、アップダウンに富んだ道を進みます。 紅葉ノ滝からは渓相が一変。 台風の爪痕があちこちに生々しく残っています。 橋は流され、地滑りによって登山道が崩壊している箇所がいくつもありました。 特に酷いのはナメ滝の辺りと魚留メの滝の手前です。 一度河原に下りて周囲を見渡し、渡れそうなところを探してエスケープルートを組み立てたら、かろうじて残っている登山道を外さないように慎重に進みます。 予定より時間がかかってしまいましたが、なんとか最終水場に到着。 ここから大凪山までは急登である上に、ガレ場を通過するためかなり消耗します。 ガレ場での休憩中に、若者二人組が追い越していきました。 出発して約4時間で大凪山に到着。 ようやく標高2,000mを超えました。 ここからは稜線沿いに進んでいきます。 北側には針ノ木や蓮華、不動などが、西側にはめざす餓鬼岳と唐沢岳がチラチラと見えますが、木々に遮られてなかなかその全貌が明らかになりません。 小さなアップダウンを繰り返したのち、百曲りに取り付きます。 笹原の中のつづら折れの道を登っていくと次第に樹木の背丈が低くなり、視界が開けてきます。 ダケカンバの林に囲まれるようになると、あと一息。 ところどころ残雪に行く手を阻まれますが、キックステップで一歩一歩進みます。 最後の雪のトラバースを越えて間もなく、餓鬼岳小屋に到着。 まだ人はいません。 おそらく台風の影響で小屋開き(6月25日予定)が遅れているのでしょう。 休む間もなく、山頂に向かいます。 途中で、下山してきた先程の若者二人組としばし情報交換ののち、いよいよ山頂へ。 待っていたのは、360度の大パノラマです。 富士山や南アルプスは雲に隠れていましたが、北アルプスは南は大滝山から北は白馬方面、北信五岳までくっきり見えました。 薬師や立山、剱といったふるさとの山々も私を歓迎してくれました。 圧巻だったのが、高瀬川の源流をはさんで向かい合う鷲羽や水晶、野口五郎といった裏銀座の稜線です。 残雪と緑、空の青、そして土の茶色のコントラストが美しいです。 面白いのが、鹿島槍と爺ヶ岳がほぼ相似形に見えることです。 ここからは双耳峰であることや手前に伸びる稜線などほぼ同じで、まるで双子のようです。 そして南には、剣吊から燕を経て大天井に続く稜線が迫ります。 日曜日にもかかわらず、山頂は独り占め。 聞こえるのは流れる風の音と、時折飛び交うイワツバメの風を切る羽音のみ。 この空気の中に身を委ねていると、不思議なことに大抵のことは何とかなりそうな気がしてきます。 気持ちが大きくなるんでしょうか。 たっぷり1時間展望を楽しんだのち、下山を開始します。 登りの苦労を思い出すと、ちょっと気が重いですけどね。 魚留メの滝を過ぎ、崩壊している登山道を避けて河原に下りたところで、餓鬼岳小屋の方にお会いしました。なんと、6月2日にも大凪山の先でお会いしていた方でした。 本格復旧はまだ先ですが、現存している箇所を活用して応急処置を施し、6月いっぱいには取り急ぎ通れるようにするとのこと。 そのため、小屋開けは6月29日(金)に延期になったそうです。 丁重にお礼を申し上げてその場を辞し、先を急ぎます。 帰路では沢の渡渉箇所やエスケープルートの要所要所にペンキマークが付けられていましたので、安心して進むことができました。 数々の紆余曲折があったもののなんとか明るいうちに無事、下山することができました。 総行動時間は13時間45分。 道中お会いしたのは往路で2人、復路で1人と、今日も静かにたっぷりと山を満喫することができました。 下山後は、いつもの薬師の湯に立ち寄りました。 http://www2.plala.or.jp/yakushino-yu/ |
写真
感想
◆ひっそりと佇む孤高の山に魅了されて◆
帰省の際にR147から見える端正な山容は、記憶の片隅にいつもありました。
麓からはっきりと見えるにもかかわらずひっそりと佇む様には、どこか放っておけないと感じさせるものがありました。
それに加え、いつかのヤマケイで見た餓鬼岳小屋の手ぬぐいの意匠が印象に残っていました。
恥ずかしそうにそっと花束を差し出す餓鬼の絵柄です。
山頂からの展望ももちろんですが、控えめながら存在感のある餓鬼岳にすっかり魅了されてしまいました。
そんな魅力は、カモシカの密猟小屋に由来を持つという餓鬼岳小屋の素朴なたたずまいや、道普請に地道に精励される小屋番の方の優しいお人柄に通じるものがあるように感じました。
小屋が開いたら、改めて小屋番の方と餓鬼さんに会いに行きたいと思います。
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静かで、いい所ですね!
小屋が開いてなかったり橋が壊れてたりという
状況で、特別だとは思いますが
日曜の静かな北アルプスは貴重ですね〜
私も、いつか登ってみたいと思いました。
(σ´・ω・)σ☆お気に入りに登録
raichouさん、こんにちは。
ご訪問&お気に入りへのご登録ありがとうございます♪
先週の台風とその後の豪雨の被害は大きかったようですね。
高山は大丈夫でしたか?
餓鬼岳ですが、予想通りのいいお山です。
独立峰だけに360度見渡すことができる展望はピカ一です。
思いがけず笠ヶ岳にも出会えましたし、ね
見慣れた山並みもいつもとは違う表情を見せてくれるので、raichouさんもぜひいらして確かめてみてくださいね
lynx1218さん、初めまして。
素敵なレポートを拝見しました。(^^)
私も6/26に餓鬼岳まで登ってきました。
日曜日は見晴らしが良かったのですね!
次回は唐沢岳にも足を伸ばしたいと思います。
お疲れ様でした。(^o^)
trekker_さん、こんばんは。
コメントありがとうございます♪
雨上がりは空気が澄んでいるので展望を期待したら、大当たりでした
夏の北アでは午後はガスとの追いかけっこになるので早出したのですが、山頂に到着した正午でもギリギリでしたね。
道の整備が済んで残雪が少なくなったら、私も唐沢岳に挑戦したいと思います。
お互い好天を祈りましょう
こんばんは。
いや〜ツボに入りました。
黒戸尾根でやられた筋肉痛に響くんですが・・
僕もお気に入り追加させて頂きました。
剱岳が眼前に迫る針ノ木にも行ってみたいところです。
お茶目なプロフ写真に反して本当に剛脚ですね!
次なる偉業を楽しみにしております♪
nucchiさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
登山よりも帰りの運転の方が辛い今日この頃です。
何しろ前近代的な車なもので…
東駒(甲斐駒)のレコ、拝見しました。お疲れ様でした。
早月尾根に向けて準備が着々と進んでいるようですね
黒戸尾根の方が知名度は高いですが、早月尾根の方が距離が短いので急登度は激しいんです。
覚悟が必要ですよ
ご来訪、お待ちしてまーす
lynx1218さん こんにちは
ワイルドで素敵なレコ何時ものように
楽しく拝見させていただきました(亀コメでスイマセン)
山頂では北アルプスの山々に囲まれて
素晴らしい時間を楽しまれたようですね
特に鷲羽と剱岳がカッコいい
今年燕岳に登った際に威風堂々孤高に
そびえる餓鬼岳に思いを馳せ
今日にでも、行くつもりでした。
(仕事が…無ければ)
そろそろ夏山シーズン到来ですかね
あまり無茶せず、それでもらしさ満載のレコ
これからも楽しみにしています
naotosasさん、こんばんは。
いつもご訪問ありがとうございます♪
餓鬼岳、本当に展望が素晴らしいですね。
それに加え、登山道も普請が行き届いていて、餓鬼岳小屋の方々の細やかな気遣いを随所に感じました。
ただ、このレコでもお知らせした通り被害は甚大です。
関係者の方々の心中を察するに余りあるものがあります。
梅雨明けまではまだまだまとまった降雨が予想されますので、可能であれば天候が安定するのをお待ちになった方がいいと思います。
それにしても、最近の気候は変ですよね。
自然の猛威ばかりが現れているような気がして、何だか不安にさせられてしまいます
lynx1218さん、こんばんは。
餓鬼岳の日帰りとは、通好みですね。
健脚ぶりも素晴らしいです。
餓鬼岳は北アでは数少ない未踏の山なので、近々行きたいと思っています。
登山ブームの昨今ですが、マイナーな山は週末でも人は少ないですね。
私も昨日、木曽駒ヶ岳をマイナールートで登りましたが、ルート上出会ったのは1組だけでした。(但し山頂は千畳敷方面からの方々が多数いましたが)
それでは。
nobuharuさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
梅雨の晴れ間に、夏山第一号ということで行って来ました。
残雪期ならではの色彩豊かな展望に大満足です
確かにマイナールートは静かな山行が楽しめる半面、遭難などのリスクを覚悟しなければなりません。
餓鬼岳に関しては降雨時の沢以外は特に危険なところもなく、登山道は全盤的に整備が行き届いています。
ぜひ、晴れの日にお運びいただきたいと思います。
中沢乗越ルートにも惹かれますね〜
次の機会には歩いてみたいと思います
lynx1218さん、ご無沙汰のうえ超遅コメで恐縮です
昨年歩いた山の画像が次々と飛び込んできてコメントせざるを得なくなりました
それにしてもスーパーパノラマビューですね!
蝶ヶ岳に匹敵する展望かと
2度目の挑戦での神様のご褒美でしょうね
相変わらずのGoodChoice
マイノリティには堪らないレコですよ
昨年野口五郎ですれ違ったオジサンと餓鬼岳がどれかを地図見ながら口論になったのを思い出しました。
反対からはこんな感じなんですね
まさか水晶や薬師まで見えるとは思いませんでした…
是非自分の眼で確かめてみたいです
次なるターゲットはどこなんでしょうか?
楽しみにしています!
massy
massyさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
プロフィール写真が変わりましたね
そうそう、連日九州の豪雨が報じられていますが、massyさんのところは大丈夫ですか?
これだけ続くと異常気象と一言では片付けられないですよね。本当に心配です。
さて餓鬼岳ですが、本当にスーパーパノラマビューなんです!
(この表現言い得て妙ですね)
こんな素晴らしい展望を隠し持っているなんて、餓鬼さんなかなかの役者です。
今まで登った山からも餓鬼岳は見えていたということですよね。
何だかもったいない感じがします
また、確かめに行かなきゃ。
当面の目標としては、「唐沢のぞき」からのぞいてみることでしょうか、なんてね
いよいよ夏山シーズンですね。
今年もお互い安全山行で参りましょう
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