岡山県奈義町 那岐山 中世の山城〜A〜Cコース 神仏岩場&檜皮の森



- GPS
- 05:39
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 891m
- 下り
- 878m
コースタイム
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 5:37
歩行距離10km、歩行時間4時間30分、歩行数20,700歩、消費カロリー2,540Kcal
天候 | 晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
少し南の第1駐車場は12台、その東にある第2駐車場は8台、Aコース登山口のある菩提寺の駐車場は数台停められます。第3、第1駐車場からさらに南下した山の駅の駐車場も利用できます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道はきれいに整備されており、林道との分岐などには道標があり迷うことはありません。B&Cコース分岐から八巻(はちまき)城跡<写真15,16>へ向かう中世の山城コースの一部には、去年の豪雨の影響と思しき溝ができていますが、通行に支障はありません。また、稜線やCコースの一部にはぬかるみがありますが、よけて通れます。 雨天や大雨後は、沢沿いのBコースや比較的新しく土が完全になじんでいない中世の山城コースを避け、Aコースで上りCコースで下るか、Cコースピストンが無難です。 神仏ポイント3の岩場<写真32〜39>周辺は、踏み跡は一部しかありませんが、岩の上も笹原も自由に歩けます。神仏ポイント1<写真47〜51>の大神岩の胎内くぐりは、大人は手ぶらで黄色い〇のペンキマーク<写真50>から入り、木の根?が絡んでいる辺り<写真48>に出るのが安全ルートでしょう。小柄な子供は逆回りで中に飛び降りても大丈夫なようです。 麓ではクマが出没したそうですが、今回は足跡も糞も見かけませんでした。慈母峰(じぼほう)<写真22>ではキイロスズメバチが顔を確認しに来ましたが、すぐに飛び去りました。マムシもすぐに逃げました。どの生き物に出会っても落ち着いていれば大丈夫だと思います。 |
その他周辺情報 | 那岐山の麓に「那岐山麓・山の駅」があります。ダイニング&キッチン&ユニットバス付のコテージで宿泊が可能です。また、レストランでは11時〜13時半(土日祝14時半)受付で「とれとれバイキング(1,200円)」を楽しめます。新鮮野菜や米粉パン、地元の窯元の備前焼などのお土産も購入できます。 |
写真
那岐山<写真29〜31>の南東方向からのアングルになります。これからこの稜線に向かいます。動画も撮りました。ちなみに、八巻(はちまき)山の名は、蛇淵の滝<写真02,03>の主だった大蛇(伝説の巨人「三穂(さんぶ)太郎」の母)が、息子の代わりにとこの山にとぐろを八巻もして抱きしめたことに由来します。
アオゲラは見た⁉強い声でキョッ、キョッと鳴いたかと思えば、ケラララと続けて大声で鳴き、存在感があります。下を向いて写真をチェックしていると、連れの正面の木にやってきてこちらを見ていたそうです。顔を上げて少し動いたら逃げられました(-_-;)
慈母峰(じぼほう)頂上三角点<点名:大石ヶ平>越しに、これから歩く那岐山<写真29〜31>の稜線が見えました。動画も撮りました。山名は、蛇淵の滝<写真02,03>の主だった大蛇(伝説の巨人「三穂(さんぶ)太郎」の母)が、我が子のために最後には両目を失うという深い愛情をみせた話にちなみ、今回サンショウの実<写真26>を教えてくださった方が名付けられたようです。
「天照大御神」ズーム
「天照大御神」(あまてらすおおみかみ)は、たまに見落とすことがあります。今回もいったんは諦めて登山道に戻り、振り返ってズームしました。近くに「伊邪那岐命」(いざなぎのみこと)<写真35>も見えます。
那岐山三角点峰
今まで見つけられなかった「伊邪那美命」(いざなみのみこと)<写真39>を探して笹原を下り、岩の周辺をくまなく探しました。振り返ると、神仏ポイント3の南東端の岩場の左に小さく那岐山三角点峰<写真41>が見えました。岩場を見上げて動画も撮りました。
「伊邪那美命」
メインの岩場のすぐそばにある数十cmの小さな岩に、黄色い〇のペンキマークがありました。そのすぐ右辺りのメイン岩場の基部に彫られていました。やっと発見できました。これで神仏巡りはコンプリート\(^o^)/
登山道には、このように赤く色づいた木々がいくつか見られました。果柄は垂れ下がりますが、実は上を向きます。葉の長さが6〜7cmはあったので、ベニドウダンではなくサラサドウダンだろうと思います。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
“八巻城跡経由でAコース”
今回出発点としたのは、蛇淵の滝の入口前にある第3駐車場です。平日にもかかわらず、ほぼ満車でした。
多くの人はBコースからCコースを周回しますが、今回はまず蛇淵の滝に寄った後に、B・Cコース登山口から八巻(はちまき)城跡に向かう中世の山城コースに入りました。
八巻城は単郭の城で、北東背後の尾根を堀切(ほりきり)で遮断し、南側に曲輪(くるわ)を配しています。堀切は大きく東側に竪堀(たてぼり)として伸びていますが、曲輪部分はそれほど明確な切岸(きりぎし)がなく、曖昧な地形になっています。それぞれ数百メートル先にある菩提寺城および大別当城と一体の城と考えられ、現状のまま保存してありますが、残念ながら、石垣などの遺構は見られません。
八巻城跡からA(菩提寺)コースに合流し、今回はクマの足跡も糞もなかった慈母峰を経由し、那岐山に向かいました。
途中、お会いした方に近くにあるサンショウの実を教えていただきました。たまたま出会った場所でこの時季に何があるかまで知っておられる・・・恐らく、何百回、何千回も那岐山に登っていらっしゃるヤマレコユーザーの方だと察しました。那岐山はいつ来ても旬の自然に触れることができる魅力的な山であることを、那岐山の主のようなこの方に示唆された気分でした。
“神仏(パワー)スポットコンプリート⁉”
那岐山から大神岩にかけて「神仏ポイント」なる場所が三か所設定されていました。
最初に訪れたのは那岐山の稜線を南西に下った所にある巨石群「神仏ポイント3」でした。岩に神の名前が四ヶ所刻まれているようでしたので探しました。
踏み跡に入り、まず小さめの岩に「奈義神」、進んでメインの岩場で「伊邪那岐命(イザナギノミコト)」、「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」はなぜかたまに見落とすことがあり、今回もCコース登山道に戻ってから「伊邪那岐命(イザナギノミコト)」とともにズーム、ここまでは去年の豪雨の後など、今までに何回か見たことがあったので順調でした。
2015年06月14日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-659823.html
2016年04月18日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-848906.html
2018年07月15日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1524201.html
ところが、毎度のことながら「伊邪那美命(イザナミノミコト)」だけは発見できず、いったん諦めて、先に進みました。これではパワーが得られません(*_*;
しばらく進んで、先程の巨石群を振り返るとやはり諦めきれず、また戻って残りの一つを探すことにしました。
踏み跡のない低い笹原をどんどん下り岩場を一周して戻ってくると、連れが見つけたとのこと。結局、メインの岩場の目立たない下の方に刻まれていました。小さな岩に黄色い〇のペンキマークがあることに以前から疑念を抱いており、メイン岩場のちょうどその横の辺りを見るとあったそうです。
この後の神仏スポット二ヶ所も確認、大神岩では連れが胎内くぐりを果たしました。
黄色い〇のペンキマークから中に入りましたが、ザックなしでも狭く、脚を引き上げるのに少し手間取ったそうです。逆サイドから飛び降りた方が楽だろうと思っていましたが、岩肌にぶつかる可能性があるので大人はやめたほうがいいとのことでした。
これで神仏巡りはコンプリートです。今後、何かご利益があればいいのですが・・・(*^^*)
“檜皮(ひわだ)の供給源、那岐山国有林(ヒノキ)”
檜皮(ひわだ)とは、屋根葺き材として用いられるヒノキの樹皮のことです。一般的に、樹齢70〜80年以上の高齢のヒノキ立木から採取され、また、一度採取すると、次に同じ立木から檜皮を採取できるまでにおよそ10年ほど必要であると言われています。
この日は原皮師(もとかわし)と呼ばれる方々の採取作業を目の前で拝見しました。原皮師は全国で十数名しかいないともいわれる貴重な専門職人です。根元から幅30cm程の樹皮をめくり上げ、上に向かって少しずつ引っ張っておられました。これを何度か繰り返すと、幹は完全に樹皮をはがされ赤く見えます。
国宝や重要文化財、それらに準ずる伝統的木造建造物の中には、檜皮葺き屋根のものが多く現存しています。岡山県では他に臥牛山(高梁市)と黒木(津山)が檜皮採取対象林に設定されています。
那岐山のヒノキが全国の重要な建造物維持に役立っていることを知り、檜皮がはぎとられ真っ赤になったヒノキを見ながら感慨に浸りました。
何度も行ったことのあるコースでしたが、初めて見たものも多く、今回も充実した山行となりました。どの山もいつ行っても新鮮で楽しいものです。毎日登山なさる方のお気持ちがわかったような気がしました。
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