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Yamareco

記録ID: 21148
全員に公開
沢登り
白山

笈岳周辺・境川ボージョ谷 →加須良川

2001年07月14日(土) 〜 2001年07月15日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
14.0km
登り
1,218m
下り
1,142m

コースタイム

7月14日美濃・松原宅(4:30) →白川郷(7:30) →境川境橋車デポ(8:00) → ダムへつりおわり(9:00) →標高700ボージョ沢二股(10:40-11:00) →標高1200二股C1(15:30)
7月15日標高1200二股C1(5:30) →仙人窟岳東の標高1460mのコル(9:20-40) →加須良川標高750魚止滝下降点(15:10) →北俣入り谷二股標高620(16:30) →加須良集落跡(17:30) →車(18:10) →名鉄関駅(21:30) →名古屋(23:00)
天候 おおむね晴れ
アクセス
コース状況/
危険箇所等
初めて白山山域の沢に出かけた。美濃の松原の計画で「ピーク無し・滝・滝・滝」。久々ぶりの充実山行になった。岩質は礫混じりの凝灰岩と思われ、一般にフリクションがよく効く。低い場所から雪渓が多い。高捲きやへつりの際のブッシュ切れがけっこう多く、気が抜けない時間が長い。やり遂げ満足度はおおいに高し。

一日目
美濃・松原宅で前夜泊。早朝車を飛ばして富山、岐阜県境へ。僕はぐっすり鼻ちょうちん。境川は巨大なダム湖に沈んでいる。大畠谷(おばたきたん)出会いの所が林道終点。ここに車をデポし、大笠山への登山口を50mほど急登したところで左のダム湖へのへつりにはいる。延々藪こぎで水辺に降り、後は適当に泳ぐ。水温はぬるく、流れも無いので最初から泳いでも良かった。沢の河口でぐっと水温が冷たくなる。予感通り早くも崩壊雪渓が断続して出てきた。くぐり、乗り、越えていく。途中二人の釣り師と会う。かなり大きな魚を持っていた。地図のゴルジュマークの2キロほどは、雪崩の溜まり場の様で、雪渓が絶えない。

標高720mボージョ沢出会いを入ると水量が減るが滝が大小連続し始める。10m以上クラスの大きなものは三つ。一つ目は標高900mで右岸を捲き、イヤーな草付きと藪のトラバースでザイルを出す。案の定2mほど草付きをずり落ち、ひやりとする。二つ目は標高1100mの、左岸に溶結凝灰岩の横縞模様付きの大岩壁を持つ滝。右岸のリッジ状の尾根を左から捲き気味に木登り、切れたリッジの上をスタスタ行くと対岸の壁が壮麗だ。三つ目は標高1130m、やはりおろしがねのような礫入り凝灰岩の巨大なスラブをサラリと流れ落ちる幅広の滝、なかなかの風貌を左岸を巻いて越える。傾斜も緩くなった標高1200m二股で泊まる。薪は豊富で良い天場だ。早起きしたので早々に眠る。

二日目
今日は時間もかかりそうなので早めに出発。早速雪渓に阻まれ、乗っかって進むが滝の前で崩壊している。だましだまし滝を越えまた雪渓、また滝のところで崩壊している、濡れた泥壁をへつる、というのを繰り返すうち、どうも予定の1300の二股を越えてしまった。1時間前後をロスして同定しこれだと思って詰めた沢は結果、コルにあがる沢より一本西寄りだった。情けねえ!雪渓の対処で距離感と時間感覚を狂わされちまった。仙人窟岳東のコルには苅分道があり、間違えて突き上げた所からも容易にコルへ戻れた。しかしなんでこんな所に道が?どこからどこへ行く道だろうか。この峠からは雪渓を抱く白山大汝が臨まれた。

加須良沢源流は細い溝状の滝が現れ、10m以下の滝の懸垂下降が三回。標高1160m二股までのあいだは雪渓崩壊のあいだに10mの滝懸垂一回。この二股から一キロほどは小滝やナメなど続き、灼熱の日差しを良いことに必要以上に飛び込み下る。水温はぬるく、水飲み放題。こんな日に沢に来て良かったなーと我が身の幸せをかみしめる。

標高1100mあたりから急に沢は傾斜を増し、屋久島の沢を思わせる巨岩帯に入る。岩から岩へ飛び降り、尻でずってずり落ちという動きが増え、呼吸が乱れがち。標高920mの30m大滝の懸垂は、手持ちのロープ一本で足りず、一段降りたところで懸垂やり直し、滝壺の上2mにあるテラスにかろうじて着地。ここは右岸から合流する支流にも同じクラスの滝がかかり、眺めがゴージャス。ここから下も滝滝滝、一回懸垂した他はいくつ滝壺に飛び込んだかもう忘れるくらい。
最後に標高750m魚止滝15m。この落ち口では左岸から連瀑の支流が合流するのが絶景。魚止滝は左岸の残置ピトンで懸垂。やれやれ終わったかという感じ。
今日は捨て縄何本捨てたかな。この機会にシュリンゲ一新だ。北俣入り谷二股までは両岸100m近い壁に囲まれた川原、岩壁には朱色のツツジの花が満開だった。二股から下は殺風景な川原。加須良集落跡には倉庫が2件、試しに加須良川林道を少し進んでみたが、途中で消えていた。境川からの峠道だけを残して、この谷は封印されていたのだ。道理で川原にはゴミなど、人の痕跡がほとんどなかった。峠道を40分で越えて、境川の車に戻る。白川郷から荘川沿いにダムだらけの国道を走り、長良川水系にもどった。充実疲労。足場の決まらぬ泥壁でブッシュにぶら下がるケースが多くて腕の筋肉が一番こたえている。やはり沢は総合格闘技だ。

ファイル
(更新時刻:2018/07/04 10:10)
(更新時刻:2018/07/04 10:10)

感想

7/14 桂橋発(805)泊(1530)
/15 発(530)鞍部(940)林道(1730)桂橋着(1810)
 以前から温めていた計画を実行、たいへん良いライン採りで遡下降出来、充実度も保証付き。但し、好内容ながらやはりボージョは風格の点から支流の感は拭えない。
「ボージョ」って、何かしら不思議な響きに感ずるのだが、一体どういう意味なんだろう?
 後日とある筋の方から、ボージョ谷のとある場所(大滝側壁?)には、宗教にまつわる文字が書き込まれた(彫り込まれた?)岩壁が存在するという話を聞いた。真偽のほどは定かではないが、面白い話ではある。興味のある向きは、是非どうぞ。<遡行図有り><記録有り>

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コメント

macchan90
白山 ・境川ボージョ谷〜加須良川
パーティー;米山、松原
7/14 桂橋発(805)泊(1530)
/15 発(530)鞍部(940)林道(1730)桂橋着(1810)
 以前から温めていた計画を実行、たいへん良いライン採りで遡下降出来、充実度も保証付き。「ボージョ」って、何かしら良い響きだと思うのだが、どういう意味なんだろう?
 後日とある筋の方から、ボージョ谷のとある場所(大滝側壁?)には、宗教にまつわる文字が書き込まれた(彫り込まれた?)岩壁が存在するという話を聞いた。真偽のほどは定かではないが、面白い話ではある。興味のある向きは、是非どうぞ。
2008/9/26 21:48
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