素晴らしき南アルプス!鳳凰三山(夜叉神峠〜御座石鉱泉)テント泊


- GPS
- 25:25
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,838m
- 下り
- 2,121m
コースタイム
天候 | 二日間とも晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
詳細は後ほど |
写真
感想
しばらくテント泊山行をしていない。今年は昨年ほどは望めないとしても、夏山が終わる前に・・。そもそも今年の目標は奥穂高なのに・・。
どうにか確保した2日間の空白で、どこかでテント泊しようと決めた。甲斐駒&仙丈が第一候補だったけど、公共交通で朝早く北沢峠に着くにはどう行くのかを調べる中で、鳳凰三山の山行記録が目にとまる。夜叉神峠10時発でも行けそうだ。青木鉱泉に降りれば周回コースだし、地蔵のオベリスクは見たいし、こちらに決定。
あと心配は二日目の天気で、直前まで迷ったけど、背中を押されるように新宿発のあずさに飛び乗った。
はじめての南アルプスだ。
夜叉神峠登山口でバスを降りて、すぐに歩き始める。ひさしぶりのテント泊装備ですぐに息が上がる。早朝発の登山が多いので、歩き出しが10時過ぎというのもなんだか余裕がなく感じてついペースを早めてしまう。
コースタイムだと5時間半だから南御室小屋に着くのは15時半過ぎか。そこまでずっと樹林帯かあ、と思って気が重くなる。夜叉神峠に着いてもガスで白峰三山はまったく見えない。樹林帯の中をだらだらだらだら登っていく。つらいけど、大きな山を登っているという感じがする。去年の常念岳を思い出す。あの時よりはつらくない。
だけどいまひとつ調子がでないなあ、と思いながらせっせと歩き続けるとコースタイムよりはだいぶ速く進んでいるので少し安心。結局、登山口から4時間弱で南御室小屋に到着。
テントの受付とビールの購入を済ませ、あとはのんびりと過ごす。
自分が着いたのが14時過ぎだから、まだテントが増えるのかなと思ったらこの日は自分が最後で、テントはたったの4張だった。金曜日とはいえ、南アの中でも人気のありそうな鳳凰三山なのでちょっと意外だった。
いつものようにワインを飲んでそのまま就寝。夜中に目が覚める。頭が痛い。眠れない。どちらもわりとよくあることだけど、いつもよりちょっと重い。つらいなあと思いながら寝返りをうって悶え、やっと再び眠りに落ちたかなと思ったらもう3時過ぎ。起きなければ。
いつもは朝には頭痛は消えているのだけど、この日はすっきりしないまま。しかしテントから顔を出すと、予報に反して、頭上には星空が広がっているのでがんばろうと思った。
起きてから出発まで1時間半かからなかった。なかなかテキパキしている。東の空が白んできたので気がせいたのだろう。予定より早く4時半出発。なんとかご来光までに森林限界を抜けたい。たぶん20分もがつがつ登れば森林限界だろうと予測していたけど、甘かった。南アルプスの森林限界はなかなかやってこない。樹林の隙間からのぞく東の空。いまにも太陽が出てしまいそうだ。はやく樹林終われ、樹林終われ、と願いながら懸命に足を出すが心折れ、というより力尽きてペースを落とした。とぼとぼ歩いているとようやく視界がひらけて森林限界を抜けた。日の出時刻は過ぎているが、雲が幸いしてぎりぎりご来光に間に合ったのはなによりだった。
雲海、富士山、薬師岳。白峰三山も見えている。迷ったけど来てよかった、と感動する。しかしどうにも体調が悪い。けれども絶景と足下のタカネビランジに励まされて気持ちをもり立てることができた。
白砂の稜線が朝日を浴びてほれぼれする美しさで先へと続いている。いつもながら、山の神様は優しい。薬師岳を過ぎ、観音岳まで来ると地蔵のオベリスクが姿を現す。すばらしい造形。そして甲斐駒。遠くからしか見たことのなかった甲斐駒の山肌が身近に見える。こちらもかっこいい。左手にはずっと白峰三山。頂上に雲がかかったりとれたりしていたが観音岳頂上にいたときは三山とも雲がとれ、全貌を堪能できた。ひとつひとつが、大きい。白峰三山縦走は大変そうだ。あれだけアップダウンがあると稜線漫歩というわけにはいかない。でも見ていると、いつかは、という気持ちにもなる。
地蔵岳へはいったん樹林帯を抜けて、赤抜沢の頭へ登り返す。どうにも足が重い。でもオベリスクはもうすぐそこ。赤抜沢の頭からはオベリスクが眼前に屹立している。ちょっと下ると賽の河原。彼岸を感じる光景だ。
地蔵仏であるオベリスクのてっぺんになんて立ったらバチが当たるのではないだろうか、という気持ちと疲れたし危ないから怖いという気持ちが半々で、オベリスクの基部までいっておとなしく下りはじめる。まるで砂浜を歩いているかのよう。
やがて樹林に入り、鳳凰小屋に出る。ここでしっかり休憩。青木鉱泉へと下る予定だったけど、小屋の人と話をしたら御座石鉱泉に下りるほうがタイムを節約でき、早いバスにもちょうどよく乗れるとのこと。地図でみても、はっきり言って御座石コースの方が楽そう。どちらにしても標高差1000m以上を下ることには変わりないけど、正直だいぶ疲れを感じて、ドンドコ沢を下るのが億劫にしか感じなかったので計画変更。いさぎよく分岐を御座石鉱泉へ。
燕頭山まではおだやかで心和む下り、そこから傾斜が強まり旭岳を経てぐんぐん下る。時計の高度計で測ると。10分で100mのペースでどんどん高度を落としていく。
うんざりして足もがくがくになってきたところで、御座石鉱泉に到着。バスまで40分あったので鉱泉で汗を流し、ビールを1本飲んで一息ついたところでバスがやってきた。
はじめての南アルプスはこうして気持ちよく終わった。
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