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Yamareco

記録ID: 2299474
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
道東・知床

羅臼岳(過去レコです)。

2010年07月08日(木) 〜 2010年07月09日(金)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
13.1km
登り
1,457m
下り
1,445m
天候 晴れ。
過去天気図(気象庁) 2010年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車 飛行機
 中部国際空港から女満別空港へ。バスで岩尾別温泉へ。
コース状況/
危険箇所等
 左程危険個所はありませんが、ヒグマには注意。
まだまだ遠い。
2010年07月09日 05:40撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/9 5:40
まだまだ遠い。
大沢です。
2010年07月09日 08:19撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
7/9 8:19
大沢です。
山頂で記念に撮って頂きました。
2010年07月09日 10:48撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
7/9 10:48
山頂で記念に撮って頂きました。

感想

 2010年7月8日(木)、9日(金)の二日間休暇を取って、土日と合わせて4日間、アミューズトラベルを利用して羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳の三山に登る事にした。中部国際空港13:35分発、ANA327便は、順調なフライトで予定通り女満別空港に着陸。16時半に空港到着ロビーに集合したのは、大阪の6人、名古屋の5人、仙台の9人で、女性は11名、男性が9名と、いつもに比して男が多い。それに合わせてガイドが札幌の尾崎さん、サブリーダーが名古屋の杉浦さん、添乗員が大阪の山田さんが加わり、総勢23名がバスに乗り込む。今夜の宿泊地である岩尾別温泉への山道ではエゾジカがウロウロ、そしてその名も「ホテル地の涯(はて)」に着いたのは7時。すぐに夕食、その後温泉につかり、和室に5名が詰め込まれる。
うとうとして、眠ったのかどうなのか、3時に起床。3時45分から朝飯の弁当を無理矢理押し込み、4時半に玄関に集合。準備体操をして、4時45分にホテルからすぐ先の木下小屋のある登山口にゾロゾロと入る。最初から急登。霧のたちこめるトドマツやミズナラの林の中をジグザグに登ると、じきに汗が出て来て、上着を脱いでTシャツ一枚になる。「注意!! ヒグマ出没多発区間」と大きく書かれた看板があり、「この先、650m岩峰までの区間は、登山道上にアリの巣が集中し、頻繁にクマが食べに来ています」とある。ここは知床半島、クマさんの住み家。ガイドさん曰く、「クマ除けに鈴を鳴らしたりする人がいるが、知床のヒグマは鈴の音が聞こえると、餌を狙って付いて来る」。一時間弱登って、「オホーツク展望台」でひと休み。オホーツクも知床五湖も白一色に沈んで展望は無いが、代わりに、一輪のタカネナデシコとエゾノキリンソウが慰めて呉れる。ここら辺りから色んな花が現れ、カメラに収めながら登る。ゴゼンタチバナ、ジンヨウイチヤクソウ、クルマユリ、ハイオトギリ。後に、写真と図鑑を照り合わせて調べるも、名前が不明な花々。展望台から30分程登り、「ここが650m岩峰です」と書かれた看板のある地点に着く。そしてその看板には、「この先もヒグマはどこにでもいます。充分注意しながら歩行して下さい。ゴミ捨て厳禁 ゴミが危険なヒグマにしてしまうことをお忘れなく」と、またしても記されている。運が良ければヒグマさんに会えるかも、とちょっと期待。この先、曲がりくねったダケカンバの林の中、急登が続くが、ヒメマイズルソウやエゾノヨツバムグラなどのお出迎え。登山口からおよそ2時間で、「弥三吉水」に到着しひと休み。水場ではあるが北海道にはキタキツネ、すなわちエヒノコッカスがいるので飲むのは止めたようが良い。そのため水は2リットル担いでいる。このイワウベツからの登山道は、木下弥三吉と云う人が作った道という事で、登山口には木下小屋があり、この水場にもその名を残している。弥三吉水からすぐに「極楽平」、道は平坦となり、目指す羅臼岳も見え始め、ひと息つく事が出来る。極楽平を横切れば、すぐに再び「仙人坂」の急登が始まる。極楽平から30分以上登って、「銀鈴水」でひと休み。名前は立派だが、この水場も飲まない方が良さそうなので、手と顔を洗うに留める。冷たい水が気持ち良い。ウコンウツギの群生、カエデやナナカマドの花を始めて見た。さらに登って行き、「大沢入口」に降り立つ。沢と云っても細い谷は雪渓でおおわれ、真っ直ぐに稜線に向かって登っている。ここでアイゼンを付ける。雪渓は徐々に急になり、足の運びも遅くなる。30分程で雪はなくなり、アイゼンをはずす。雪が無くなると俄然、花々が現れ、写真を撮るのに忙しくなる。キバナシャクナゲ、エゾコザクラ、エゾルリソウ、エゾイソツツジ、ゴゼンタチバナ、花びらをすぼめたエゾノハクサンイチゲ、それらに加えて、アオノツガザクラ、エゾノツガザクラ。花々に見とれていると、視界がパッと開けて羅臼平に到着。登山口から4時間半が経っていた。左に三ツ峰が見えるが、右手の羅臼岳は雲の中。コケモモ、メアカンキンバイ、そしてメアカンフスマが惜しげもなく咲き、ハイマツの緑がなだらかに広がり、とっても気持ちが良い。 フードロッカーなる頑丈な箱が置いてある。「フードロッカーは、テントサイト利用者が、ヒグマに襲われるのを避ける目的で、一時的に食糧を保管するためのものです」と記されている。しばらく羅臼平で休んでいると羅臼岳にかかっていた雲が去り、緑のつばの上に岩のクラウン、まるで帽子を冠ったような山容が現れる。ここからワンピッチ、最後の登りにさしかかる。ガイドさん、「この辺りはよくクマがブラブラしていますが、今日は見当たりませんね」。クマさんに接近するのは嫌だけど、遠くの方からなら見てみたいな〜、と、あちこちに目をやるが、クマさんはハイマツの中に潜んで出て来ない。ハイマツの中の道を緩やかに登ると、イワブクロやチシマクモマグサが清楚な姿を見せている。20分程登ると「岩清水」に着く。その名の通り、岩の間から幾筋もの水がしたたり落ちている。これは岩をくぐって出て来た水。これならエヒノコッカスの心配は無いだろうと、カップに注いだ冷たい水で喉を潤す。う〜、うまい。岩にはベニバナミネズオウ、イワヒゲ、エゾイソツツジなど、他にも名前の判らない花々が一杯。岩を回って登るとまたまた花盛り。チシマクモマグサ、コケモモ、イワヒゲ、エゾノツガザクラ、エゾノコザクラ、ベニバナミネズオウ、アオとエゾが交配したツガザクラなど、写真を撮るのに大忙し。ハイマツ帯を抜け、急な岩場を登る。 山頂は狭いので全員がそろえるように頂上直下でザックをデポし、10時43分、羅臼岳頂上に到着。6時間かけての長い登りであった。山頂は真っ白で、眺望は無い。風は左程でもなくTシャツ一枚でも寒さは感じないが、長居は無用。記念写真を撮り終えてすぐにザックをデポした場所まで戻り、花をふんづけないようにして岩場に腰を下ろして昼食とする。目の前にぶら下がっているイワヒゲを見ながらの食事は、これまた格別。ガイドが真っ白な景色を指差して、あちらに硫黄山、知床岳と知床の脊梁山脈が続き、下に羅臼湖、あちらに国後島があります。斜里岳、阿寒岳、天気が良ければ大雪山系も見えますよ。これから登る山達は見えなくっても良いが、国後島は見たかった、う〜ん残念。
羅臼平からはダブルストックで、大沢の雪渓ではアイゼンをつけ、銀鈴水、弥三吉水と、途中何度か休憩を入れ、足早に下る。オホーツク展望台にかかる頃には陽も射し始め、知床五湖をのぞみながらの下りとなる。頂上から4時間半かかって登山口に帰り着き、早速、「地の涯」の自販機で缶ビールを購入。往復10時間半の長い山旅であった。
バスで清里まで移動し、今宵の宿、「緑清荘」に到着したのは5時過ぎ。今晩はひと部屋に三人と余裕。夕食前に温泉で汗を流し、夕食時に持参の焼酎「三岳」をお湯割りにし、すっかり出来あがって今宵はぐっすり眠り込んだ。
2週間後の新聞に、「環境省は知床五湖への観光客の立ち入りを、ヒグマや植生の保護のため、5月10日から10月20日まで制限することに決めた。知床五湖は、年間約50万人が訪れる人気スポットだが、来年からはヒグマの活動が活発な5月10日から7月末が1日当たり300人までで、ヒグマ対処法を習得した引率者の同行が必要。8月1日から10月20日は1時間当たり300人とする」という記事が載っていた。ここはヒグマさんのテリトリー、人間は遠慮して入らせていただくっていうとこか

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