記録ID: 233200
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無雪期ピークハント/縦走
四国剣山
剣山系・新九郎山〜不入山〜久井谷山
2012年10月07日(日) [日帰り]
- GPS
- 06:46
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 661m
- 下り
- 661m
コースタイム
10:13登山口-10:47〜10:50新九郎山と不入山との分岐の1646mピークで小休止-11:42〜12:23新九郎山で大休止-13:05・1646mピーク-13:29〜13:33池休憩所で小休止-13:52〜14:06不入山で小休止-14:48〜15:15久井谷山で大休止-15:58不入山-16:12〜16:23池休憩所で小休止-16:36・1646mピーク-16:59登山口
地形図=北川
※不入山から久井谷山までについては、時間的なことで一部走った区間があるため、本来のコースタイムはもう少し長くなる。
地形図=北川
※不入山から久井谷山までについては、時間的なことで一部走った区間があるため、本来のコースタイムはもう少し長くなる。
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※本来、高知方面から山の家へ向かう場合、国道195号の高の瀬峡入口である平橋から剣山スーパー林道を北上した方が近いが、高の瀬峡北方から山の家西の剣山トンネルまでが土砂災害により通行止め(復旧未定)になっているため、遠回りをせざるを得ない。 徳島市方面からの場合も剣山スーパー林道の一ノ森肉淵コース登山口周辺から日奈田峠まで通行止め(復旧未定)になっているため、県道295号を通るしかない。 車は山の家側の駐車場に。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪次郎笈を望見する山々を縦走≫ 剣山や次郎笈、一の森等を望みながら登れる山としては、北方の塔の丸(1713m)や丸笹山(1711.6m)、赤帽子山(1611.4m)が有名だが、逆の南側の山稜にも新九郎山(1635.3m)や不入山(いらずやま・1653m)、折宇谷山(おりゅうだにやま・1652.9m)等が横たわっている。 その三座の登山道はかつて、深い笹とスズタケに覆われ、藪漕ぎを強いられていたが、先日投稿した中東山のように、これらの山(折宇谷山は未確認)も全て笹が枯れ果て、スズタケも密生度がかなり低くなり、簡単に登頂できるようになった。しかもヤブがなくなったおかげで、大展望が得られるようになった。 塔の丸から赤帽子山のように、森林限界を超えた林相ではないが、ところどころ草原状になった箇所や展望が開けた尾根があり、ブナを始めとした自然林も豊かで、アピール次第では登山客の集客に繋がるだろう。 登山口は山の家の公衆トイレとゴミ置き小屋(?)との間。「遊歩道」と記された道標が建てられているが、これは不入山手前のピークの「池休憩所」までの区間のこと。しかし「遊歩道」と言えるのは最初だけで、大半が薄い踏み跡程度のもの。登山初級者は、赤テープや黄色のマーキングテープがないと、それをコースと認識することは難しいだろう。 登山道は最初の1646mピークを巻いて稜線に上がるが、その稜線に乗った地点には最初のベンチ(休憩所)とツキノワグマの絵が描かれた看板がある。ツキノワグマはこの近くではかつて、次郎笈南方や権田山東方中腹で捕獲されたことがある。 ベンチから二番目の1646mピークの取付きまでは、平坦な尾根道となり、最初は密生度が低い灌木帯の中を進むが、樹林が途切れた箇所からは、最初に目指す新九郎山が顔を見せている。 二番目の1646mピークはだだっ広い草原状になっており、南側の展望が優れ、新九郎山から杉生山(1266.2m)に続く尾根と、久井谷川を挟んだ東の、久井谷山から桃の丸(1164.8m)に連なる尾根を望見することができる。 尤も、最も魅力的な尾根はやはり不入山へと続く稜線だが、まずはきつい上りがある新九郎山をクリアしておきたい。 1646mピークから新九郎山方向への道はないが、尾根の位置は分かるので、適当に南西へと歩を進める。樹林帯に入ると踏み跡がついている。 道沿いには枯れたスズタケがある。 途中、尾根上に岩場がある箇所では、西下に巻き道が付けられている。 最低鞍部まで下りると、目の前の急勾配の尾根に嫌気がさすかも知れないが、ここでも西側に巻き道がある。 その踏み跡はやがて消えるが、上方を仰ぐとさきほどの1646mピークとは比較にならない規模の草原が広がっている。 上がって行くと草原にはコルがあるが、これは地形図には表れていない。 何千人もが座れそうな草原からは剣山系が一望できるが、山頂部は指呼の左手奥に見えている。山頂周辺の尾根も地形図とは異なり、痩せ尾根となっている。これはつまり、尾根がテラス状になっているということか。張り出したテラス部がこの草原だ。 そこから山頂までは数分もかからない。山頂はかつて、この山がヤブ山だったことが嘘かのような大パノラマが広がっている。次郎笈から丸石(1683.8)、高ノ瀬(1740.8m)、中東山(1684.6m)まで、面白いように同定できる。 が、この山頂には一つの違和感がある。それは三角点側にある動物の頭骨。こんな山頂で死に絶えることがあるのだろうか。しかも頭部以外の骨はない。そもそも、こんな角のようなものが生えている動物とは何なのだろうか。 それはさておき、大展望を堪能したら、復路は尾根を忠実に辿ろう。が、尾根はほどなく崖のような急傾斜になる。そんな折、この勾配を上がってくる登山者に遇った。西下の巻き道を辿った方が楽なのにご苦労なことだ。 1646mピークまで戻ると不入山目指して一旦下るが、その方向も最初は草原状になっている。しかし枯れ木の灌木帯に突入すると踏み跡は消える。但し尾根は明確なので進路は分かる。 地形図では、三つ連なったピーク(等高線は閉じてないが)の東端のピークに池休憩所が設置されており、ベンチと展望看板がある。視界には槍戸山(1824.6m)から一の森、剣山、次郎笈が展開する。 この休憩所背後には新式の四等三角点が設置されている。投稿者の手持ちの地形図には記載されていないが、点名は何だろうか。 次のコルから、ルートは尾根の北側を巻くが、目の前の尾根が樹林がなく、展望が良さそうなので直登してみる。高度40mほどの上りなので造作ない。 尾根上を忠実に辿って行くと山頂の手前で踏み跡と合流し、新九郎山に勝るとも劣らないパノラマを誇る不入山山頂に至る。 剣山から高ノ瀬、中東山、石立山、桃ノ丸、久井谷山、折宇谷山と、周囲の山々をぐるりと見渡せる。複数の著書や登山雑誌等で徳島新聞記者の方がこの山を絶賛していたのも納得できる。 本来、投稿者はここから引き返す予定だった。しかし久井谷山へと続く稜線の様相を見てしまったからには、どうしてもその山へ登りたくなった。と、いうのも、久井谷山の手前にある大草原「不入窪」があまりにも魅力的に映ったからだ。まるで山上に現れた「芝生公園」のようである。 が、これから目指すとなると、登頂時刻は15時位になってしまう。そこで比較的緩傾斜の下り道や平坦な尾根は走った。 不入窪は不思議な地形だ。まるで稜線と互い違いになり、いくつもの枝尾根状となって交差しているように見えるのに、地形図にはそれが表現されていない。 久井谷山手前のピークから下りる尾根もこの不入窪と互い違いになって、二重山稜のようになっている。 ところで、ここから望む槍戸山は最も魅力的な山容をしている。その名の通り、山頂部が槍のように尖っているのだ。剣山近辺からは絶対拝めない容姿である。 ピークを越えた先の荒れた鞍部は北川峠跡だ。峠の部分に辛うじて踏み跡が残っているが、昔はここを越えて剣山に登る者もいたという。 久井谷山の山頂部は狭く、展望もないが、東側に立てば、南方に展望が開け、桃の丸や大森山等を望むことができる。 ここで大休止したいところだが、早く下山しないと日が暮れてしまう。 |
写真
撮影機器:
感想
[宿泊施設等]
この三座は登山者のグレードによって「登り分け」ができる。
例えば初級者なら不入山の往復、中級者なら久井谷山までという風に。
宿泊施設についてだが、現在、剣山スーパー林道の通り抜けはできないから、一番近いのは県道295号沿いの四季美谷温泉となる。ここでは路線バス利用者のために、山の家周辺までの送迎サービスを行っている。確か、5人以上ならサービスを利用できたような。
それとは別に1,000円での素泊まりもある。但し、布団等は出ないのでシュラフを持参しないといけない。
この次に近い宿泊施設は国道193号沿いの木沢木頭にある渓谷荘と平和旅館。が、前者は休業中で後者は早めに予約しないと満室になる。
投稿者は国道195号と193号が交わる平谷の田村旅館に宿泊した。三連休だったにも拘わらず、三日間の内、宿泊したのは投稿者だけだった。
一泊二食料金は四季美谷温泉より二千数百円以上安い6,000円。ボリュームたっぷりの弁当は500円。但し、支払いは丁度の額を出さないとおつりがないことがある。
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