平ヶ岳〜遥かなる高層湿原と池塘群
- GPS
- 10:44
- 距離
- 23.1km
- 登り
- 1,816m
- 下り
- 1,805m
コースタイム
- 山行
- 9:51
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 10:44
天候 | 晴れ 高温 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・前坂から鷹ノ巣山南尾根までのヤセオネは下山時注意。樹林帯がほぼなく日陰が乏しく暑い。またザレた急坂も多いので滑りやすい。 ・この時期は、白沢清水を過ぎた急登あたりで10時を過ぎると、日差しをもろに浴びるので、早出して涼しいうちに登頂するのが得策。また、にわか雨やゲリラ豪雨が頻繁にある地帯なので、早出早立ち必須。緊急時以外はテント泊が出来ない。 ・長丁場の道は、何も考えず無心で歩くことに尽きる。左右に足を出し続けていると、気が付けば着いているのだ。 ・駐車場にバイオトイレあり。 |
その他周辺情報 | ・「燧の湯」で日帰り温泉。700円。感染症対策で入場制限あり。露天風呂はアブブヨが大量発生して入るのでやめた。誰も入っていなかった。 ・翌日の燧ケ岳上田代周回のため、御池駐車場で車中泊。一回1000円。 |
写真
感想
山の日。7日はすでに立秋を迎えたが、殺人的な暑さが待ち構える。例年、北アルプスへテント泊で遠征するのだが、今年は感染症などで予約制が多く手続きやキャンセルなど面倒。
またメジャーな山は登山者が殺到し、感染のリスクも高いので中止。上磐越山稜の山旅を4泊5日で計画。すべて車中泊にして感染症も防ぐのが建前、金がないのが本音。
10日の0時30分に前橋を出発。関越道からシルバーラインへ。国道352号に入り奥只見湖の縁を走っていく。自宅から2時間40分で鷹ノ巣登山口に到着。3時30分でほぼ満車だった。路駐はまだなかったが、下山時は路駐すら満車だった。
真っ暗な中、ヘッドライト点けて3時半に出発。橋を渡り、いかにもクマが好んでいそうなブナ林を歩く。木の根が張り出した尾根へと取り付く。しばらく行くと森林限界のように樹林帯が消え、上空は夜空となり月明かりが灯る。
砂礫のヤセオネは真っ暗で周辺が見えない。ビジュアルで誤魔化されないので、構わずガシガシ歩いていく。ロープも数か所あるが使わず登攀して行く。下りでは必ず使うだろう。小ピークがあるので二回登り返す。しかも急登。ここで朝焼け日の出を迎えた。燃え上がる会津駒ヶ岳が素晴らしかった。
鷹ノ巣山南尾根に取り付くと下台倉山、台倉山と南下して行く。夏の早朝の清々しい青空と燧ケ岳が美しい。ミヤマママコナやホツツジが群生していた。台倉山を過ぎると再び西へ方位を変える。泥濘で足元が悪く、木道が滑りやすい。
コメツガとシラビソ帯を抜けていくと、池ノ岳を見上げる。U字状に浸食した道を歩いていくと岩稜帯へ。急坂に吹く南風は清々しく、南方には平ヶ岳と至仏山が見えていた。
豪雪で低木となったコメツガを抜けると姫ノ池。登山口から4時間半で到着。目前に突如として現れた池塘と、その奥に控える平ヶ岳の景色は素晴らしい。帰りに再び寄ることして平ヶ岳へ向かう。
高層湿原と池塘群、満開のキンコウカを見ながら下っていく。見晴らしの良い斜面に木道が続く。登り返し山頂をスルーして最高地点へ。群馬新潟県境に立つ。気温22℃、清々しい南風に吹かれる。積雪観測機器は取り外されていた。山座同定して山頂方面へ戻る。
戻るとプリンスロードから来た登山者が団体で休憩していた。みな足元に泥が付いておらずきれいで、旅館の弁当を食べているのですぐに分かるのだ。山頂で記念撮影して戻る。分岐を玉子岩方面へ。
ハクサンフウロ、アブラガヤ、シラネニンジン咲く斜面と青空が美しい。水場でのどを潤し顔を洗う。ベニヒカゲ、アゲハチョウが飛ぶ木道を歩んで行くと玉子岩。浸食された岩稜。その先は行き止まりなので、踵を返す。
プリンスロードの分岐には、送迎バスのご案内。下山で2時間か、楽で良いのか悪いのか分からない。どうでも良いが、行く気は無い、金も無い。
10時に再び姫ノ池に戻りブランチ。早朝3時半から歩いていたので、さすがに空腹を覚えた。得意の三割引きの助六寿司を喰らう。青空が映りこむ池塘、雄大に広がる平ヶ岳の尾根を見ながら贅沢なひと時。トンボが池塘に産卵していた。
10時半になったので下山。14時には下りる予定。ここも下りが肝心、暑いが集中を切らさないように歩いていく。登って来る登山者は、みな顔が真っ赤。暑い時の急坂はさすがに堪えるだろう。
樹林帯に入るとアサギマダラと遭遇。ひらひらと舞う優雅な姿に足止め。しばし撮影タイム。消えたと思ったら私の帽子にとまっていた。渡り旅するチョウとのふれあい。
下台倉山から登り返して、約1kmに及ぶヤセオネが始まる。ここは登れたが、下りで苦労し、最後は疲労困憊したと良く聞く。下りこそ無心で歩くことだけに集中する。午後の日差しをもろに浴び、集中が切れやすい。ヤセオネより、木の根が張り出した急坂の方が足が上がらずに引っ掛けて転倒しやすい。
こまめに水分を採りながらゆっくりと歩いていく。飲むだけでなく、頭から水をかけて冷やす。焦ることはない、足を左右に出し続けていれば、いずれ着くのだ。ブナとホウノキが見えると樹林帯へ。清涼感溢れる緑のカーテン。
下台倉沢の橋のたもとで、冷たい水を飲み顔を洗う。暑いヤセオネを歩いてきた身体がクールダウンする。14時過ぎに駐車場に戻ると、いまだ満車状態だった。軽く着替えて尾瀬方面へ。
桧枝岐村に入り、燧の湯で日帰り温泉、700円。入場制限していたが、直ぐに入ることが出来た。露天風呂はアブが大量に居て、誰も入っていなかった。さっぱりして再び御池へ戻る。
明日の燧ヶ岳上田代周回のため、御池駐車場で車中泊。ここは一回千円、鳩待や戸倉は暦日で千円、高い。夕焼けを見ながらジンギスカン丼を作って、車載冷蔵庫でキンキンに冷やしたコーラを飲む。ビールが飲みたくなったが、コーラを飲んだら忘れた。
週末に鼻曲山行こうと思い、ヤマレコを見ていたらiiyuさんyamayuriさんが行っていた。コメントを送信して19時30分に就寝。21時30分頃に一度起きて天体撮影。天の川が上空に横たわっていた。
やはり日が落ちるとぐっと涼しく気温20℃。満天の星空を眺めていた。
growmonoさん
おはようございます。
早朝は何処でも清々しいですね!
まさに早起きは三文の得です。
アサキマダラのお写真さすがです。
カメラの性能が違いますね。
腕も確かです。
有難う御座います。
こんんちは、iiyuさん。
深夜からまた出かけまして、美しい景色を眺めてきました。夜明け前は涼しくて快適でしたが、下山は暑かったですね。まさしく「行きはよいよい、帰りは恐い」でした。
山頂付近では、まだ朝早かったので、チョウたちは活発に動いておりませんでした。ベニヒカゲが数頭いましたね。アサギマダラは、ふわりふわりと私の前に突然現れて、笹にとまりました。
もともと人慣れはしているチョウなので、接写はしやすいです。しばらく撮影しておりましたら、いきなり消えて探すと私の帽子にとまったりと、アサギマダラに遊んでもらいました。
その後の燧ケ岳は登頂しましたが、翌日はすごい雨雲が接近するので、あとの予定をすべて中止して前橋に帰ってきました。
growmono さん こんばんは。
平ヶ岳の標準コース
早朝からの挑戦?お疲れ様でした。
出だしからの尾根歩きは今でも辛い登りを覚えていますね、
尾根に出てからはテン場兼水場を目標に歩きました記憶がありますよ。
俺達が登った時には青空はなく即下山でしたけど、青空に輝く池塘、花畑と天候にも恵まれてよかったですね、今は眺めるだけの山ですよ。
growmonoさん こんばんは
奥只見からロングワインディングロード、登山口からロングトレイル
でも、姫の池の端にポンと出たら、そこまでの苦労や記憶が飛んでしまう素敵な景色
自分にとって平ケ岳の印象と思い出は、そんな感じです
長い山道には、ヤセ尾根、泥濘、腐った木道もあった気がするが
素晴らしい景色だけが記憶にあるのもクライマーズハイなのかもしれない
レコ見たら平ケ岳や会津駒ケ岳へ再訪したくなりました ありがとうございました
おはようございます、danbyさん。
平ヶ岳は登山口へ行くまでも長距離で大変だと聞きます。残雪期のように尾瀬側から行けると良いんですが、土地の権利や保護など尾瀬はいろいろと面倒そうです。
暑くなることは分かっておりましたので、夜明け前から歩き出しました。ピストンですから景観がなくとも、歩くことに集中すればおのずと早く着けるだろうと。見えていれば写真ばかり撮ってますから、結構遅いんですよ。
danbyさんが回顧されてらっしゃるとおり、ヤセオネ、泥濘、腐り滑る木道、新潟らしい粘土質の道もありますね。ここは暗くなるを承知で秋が良いかもしれませんね。紅葉と池塘。
残念ながら翌日の会津駒ヶ岳などは中止となり、前橋へ帰ってきました。9月にでも会津駒ヶ岳は行って見ようと思います。昨年のコバイケイソウの群生やアサギマダラを思い出しました。danbyさんの優雅な山旅を心待ちにしています。
growmonoさん、おはようございます。
鷹ノ巣登山口から平ヶ岳往復10時間44分、どうもお疲れ様でした。
通常はgrowさんのように鷹ノ巣から往復するのが当たり前で、プリンスロードは邪道だと思います。ただ、自分がもしもう1回平ヶ岳をやるとしたら、恋ノ岐橋から恋ノ岐川を遡行し、オホコ沢出合あたりで1泊し、池ノ岳辺りで登山道に出て平ヶ岳に至るという、いわゆる恋ノ岐川遡行がしてみたいです。すでにBCでは相棒のWさんと鳩待峠から鱗板で往復しているので...。
御池で車中泊し、翌日も燧ヶ岳に登られるのはさすがはgrowさんですね!
hareharawaiより
おはようございます、hareharawaiさん。
暑い日々が続いていますね。北関東の夏らしい殺人的な暑さです。恋ノ岐川遡行ですか、只見湖沿いの道に恋ノ岐川の標識がありましたね。地図を見ると池ノ岳まで行けますね。まさに遡上。水量が今年は少ないような気がします。沢登りはしませんが、いまなら楽に行けるのではと思ってしまいます。下台倉沢の水は冷たくてうまかったです。
growmonoさん、こんばんわ。平ヶ岳クラシックコース、お疲れさまでした。いつか歩いてみたい平ヶ岳、下界近くにある難所がどうも引っかかって、高妻山ともども行けずにいる百名山です。山頂近くの難所も怖いけど、集中力落ちる下界近くにある難所はホントに怖いですね。でも、それを打ち消すような山頂の湿原。まさに天国みたいな山ですね。花あり、眺望あり、この辺の山は高層湿原がもれなくついてきて、うれしくなります。星空写真もここならいいのが撮れそう。昼間の写真とは別の技術が必要になるんでしょうが、これも嵌まると楽しそうですね(^^)
こんばんは、yamaonseさん。
遠回りして群馬の領土を征服してきました。前橋から2時間40分で到着できますから、北アルプスと変わりません。車中泊が多かったですね。
長距離、泥濘、ヤセオネ、急坂と、なんでもありですが、すべてを帳消しする絶景が山頂にはあります。尾瀬周辺らしい高層湿原と池塘群の景色は、海と違った夏の納涼感を抱かせてくれます。
平ヶ岳で星空撮影ですか・・。テン泊出来ませんからね。残雪期に山ノ鼻から行く予定が、しばらく延期してますので、来季はそれ狙いで行きますよ。クマと格闘する準備も怠ってはいけませんね。奴の急所は目なんですよね。爪対策でガードを用意しようかと本気で思ってます。
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